- 中央集権的取引所に批判的なブリテン氏
- イーサリアムの共同設立者であるヴィタック・ブリテン氏は、中央集権的取引所の存在意義を否定、分散型取引所(DEX)では、”King making power”を排除できることが魅力の一つだとした。
- DEXとは
- 分散型暗号通貨取引所(Decentralized EXchange)のこと。 ブロックチェーン上の非中央集権型取引所であることで、高い安全性がメリットになる反面、割高な手数料や法定通貨が使用できない点、流動性及び利便性の低さがデメリット。
中央集権的取引所に批判的なブリテン氏
イーサリアムの共同設立者であるヴィタリック・ブテリン氏は、7月6日にスイスのツークで行われた、TechCrunch主催の「TC Session Blockchain」」というイベントでのスピーチにて、中央集権的な取引所について、存在意義を否定するような過激発言を行いました。
その一方で、彼は仮想通貨取引所を巡るこうした状況が、しばらくは続くであろうことを渋々認めています。
同スピーチ内で、ホストから「分散型取引所はいずれ、中央集権的な既存取引所を超えるシェアを獲得できるだろうか」という質問を受け、彼は以下のように答えました。
実際には、分散型取引所の実現は難しいと認めざるを得ない。
なぜなら、究極的には法定通貨の世界と取引所は、相互に影響を与え合うからだ。
法定通貨は、中央集権的な出入り口を持つものの一つだ。そこには依然として法定通貨をベースとしたさまざまなサービスが提供されており、それらを分散化することは非常に困難となる
過去にブテリン氏は、仮想通貨同士の取引分野で分散型取引所(DEX)を利用したソリューションがもっとも魅力的なものになると言及しました。
なぜなら、分散型取引所は規制を取り除き、かつ単純で簡単なユーザー体験とウェブインターフェースを提供し、加えてアカウントはオープンだからです。
ブテリン氏は仮想通貨業界では、分散型取引所のような形態の取引所が次第に増えていくだろうと考えています。
しかしながら彼は、機関投資家のような大規模なトレーダーは、分散型取引所や中央集権的な取引所、どういった選択をするかは不確実であると説明しました。
彼は最終的には、仮に中央集権的な取引所が完全に取り除かれなくとも、分散型取引所の成長は仮想通貨市場に良い影響を与えると見ています。
なぜなら、分散型取引所は従来的な取引所が元来有している、ブテリン氏が言うところの「King making power」を取り除くからです。
こうした中央集権的な取引所が有する力に関して、彼はこう説明しました。
「中央集権的な取引所は、リストアップする通貨の決定権を持つことで、1000〜1500万ドルともいえる高額な手数料によって、どの通貨がより大きくなるかを選択できる能力を持っている。
分散型取引所であれば、このような”King making power”を取り除くことができる。
また、分散型取引所によってブロックチェーンはより良いオープン性、透明性を得ることができ、よりその価値を高めることが可能だ。」こうしたブテリン氏の発言は、世界最大級の取引高を誇る仮想通貨取引所バイナンスが、分散型取引所を開く計画が完了したことを発表した2018年3月を彷彿とさせます。
大手取引所の一つであるHuobiもまた、2018年6月に最終的にはプラットフォームのすべてを分散型の取引所に変えることを発表しています。
こうした仮想通貨取引所関係のトレンドは拡大しつつあります。香港に拠点を置く、大手取引所の一つでもあるOKexも最近、分散型の取引プラットフォームを作成することを公式に発表しました。