はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

株、為替、金など他金融市場と仮想通貨市場の相関をどう活かすか?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
※このページには広告・PRが含まれます

株、為替、金など、他市場との相関をどう活かすか?

これまで仮想通貨というのは伝統的なアセットクラスである株や、金利、コモディティ等とは一線引かれていた別世界のマーケットでした。

2017年後半のバブルまでは投資家のほとんどは個人投資家のマーケットであり、商品のラインナップの現物市場とちょっとしたレバレッジ市場の2つがメインとなるマーケットでした。

しかし、2018年の仮想通貨バブル崩壊以降、商品の多様化とともに機関投資家が参入する過程で、マーケット参加者に大口の機関投資家が参入する動きが継続しています。

伝統的なアセットクラスに投資を行なっていた機関投資家も仮想通貨市場のマーケットの時価総額から無視できないプロダクトになってきており、様々なアセットクラスと仮想通貨の相関が強まるようになりました。

そこで、ここでは伝統的なアセットクラスの基本的な相関関係、そして仮想通貨と現在どのように繋がっているのかを解説したいと思います。

伝統的なアセットクラスの相関関係の基礎知識

まず、株式など伝統的なアセットクラスとそれぞれの相関関係について理解しましょう。

株式市場と債券金利の関係性

基本的な株と債券金利の関係性について説明します。簡単な説明になりますので、マーケットに知見のある人からすると議論の余地がある説明になるかもしれませんが、ご了承ください。

米国のNYダウと米国債10年金利について、下記のチャートをご覧ください。

上記のチャートは、青色が米国のニューヨークダウ、赤色が米国債10Y(10年)金利です。ご覧の通りNYダウが下落する過程で米国債10Y金利も低下(債券価格が上昇)していることがわかります。

この動きを端的に説明すると「株価が下落→景気が悪化→利下げ期待の高まり(利上げ期待が後退)→株から債券へ資金が移動」という流れがマーケットで起きていると想像できます。

株式市場と外国為替

次に、株と外国為替の値動きの相関についてチェックしましょう。 下記のNYダウとUSDJPYのチャートをご覧ください。

上記のチャートは青色:NYダウ 赤色:USDJPYのチャートになっています。

まずNYダウが堅調な動きで推移している中、ドル高方向でUSDJPYが推移していることがわかります。一方でNYダウが急落する動きの中でUSDJPYがリスク回避の円買いによって同じように急落する動きとなっています。

まずここで重要な基礎知識として、「米国株の上昇はドル高要因」ということです。米国株が上昇しているということは、どこかで利上げが意識されるのではないかという連想が投資家心理で働きます。

政策金利を引き上げした場合、通貨金利も連動するため、ドル金利が上昇することによって米ドルに資金が集まりやすくなるという動きが強まることを相場が織り込んでこのような動きになっているということです。

一方で、「株安=円高」というのも基本的な動きの一つです。

為替のプレイヤーは、金利の低い通貨(上記の場合日本円)をショートしつつ、高金利通貨をロング(上記の場合米ドル)することで2通貨間における金利差を享受する「キャリートレード」というものを行なっています。

しかし、上記のようにロングしている国の株が下落すると、「利下げ方向が意識されるのではないか」とか「景気悪化の可能性」という思惑から、一旦キャリートレードを解消する動き(米ドルを売却し日本円を買い戻すフロー)が出ることで上記のチャートの動きが発生します。

株式市場と金価格

最後に、株と安全資産の代表とも言える金(ゴールド)価格をチェックしましょう。

青色:米国S&P500指数 赤色:金価格のチャートです。

2018年辺りまでは、株と金価格が逆相関で推移する場面も見られていますが、総じて金価格は上昇しており、足元は順相関のようにも見えるチャートになっています。

リスク回避資産のゴールドと言われてますが、直近は下がると拾う動きが続いており、かなり安定したプロダクトになっていると感じる動きでしょう。

株式市場と仮想通貨

最後に、株式市場と仮想通貨の相関関係です。

青色:米国S&P500指数 赤色:BTCUSDのチャートです。

仮想通貨は発行上限があるため、ゴールドと同じでリスク回避資産であるということが度々言われており、一方で足元は株式市場と連動性が高まってきており、リスク資産という主張も聞かれます。

率直にいうと、まだ歴史の浅い状態でリスク回避資産かどうかと定義するのは時期尚早であり、トレーダーとして大事なことは「現状の動きが株式市場と相関が高ければついていくようにし、相関が逆相関の動きになれば、その動きを利用するようにトレードする」ということ以外ないと思っています。

仮想通貨をトレードで利用するには

やはり、仮想通貨を他の伝統的なアセットクラス(株式市場や債券、外国為替やゴールド等)と併せて利用するには、全体の投資リターンを向上させるために資産として組み入れている商品の割合のバランスを取りながら、一部だけ仮想通貨をポートフォリオに組み入れたりするような利用方法がオススメです。

例えば、日本株のみで運用しているとするならば、その数パーセントを仮想通貨に入れ替えて仮想通貨の大きな上昇を期待できる可能性を取ったり、ゴールドのみ保有しているのであれば、株式市場が上昇して仮想通貨も追随する動きになった場合、ゴールドの価格下落によって資産価値が減少する部分を補完する役割を仮想通貨を保有する部分が果たしてくれたり、使い道はさまざまにあると言えるでしょう。

大事なのは、それぞれの商品が他のプロダクトとどのような相関性を有しているかをチェックして、その値動きの幅を考えてどう使うか自分で決めないといけないことです。

当然、仮想通貨はまだ歴史が浅いためにきっちりとした定義や認識がされていないものです。市場環境によってどこの商品と相関するのか、逆相関となるのか変化することはあり、臨機応変に対応せざる得ないのが現状と言えるでしょう。

そのため、まずは伝統的なアセットクラスにおける相関関係を理解し、その次に仮想通貨の株式市場や、仮想通貨とゴールドの価格の相関関係等を見ていくことで、仮想通貨の理解が深まり利用する手段が多様化できると思います。

本記事は企業の出資による記事広告やアフィリエイト広告を含みます。CoinPostは掲載内容や製品の品質や性能を保証するものではありません。サービス利用やお問い合わせは、直接サービス提供会社へご連絡ください。CoinPostは、本記事の内容やそれを参考にした行動による損害や損失について、直接的・間接的な責任を負いません。ユーザーの皆さまが本稿に関連した行動をとる際には、ご自身で調査し、自己責任で行ってください。

CoinPost App DL
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/03 火曜日
17:49
ソラナで採用されているDAOガバナンスの種類を解説
Superteam Japanの大木悠氏が、ソラナで採用される主要なDAOガバナンスの仕組みを徹底解説。従来型のトークンガバナンスから、クアドラティックやフタルキーなど新しいモデルまで、実例を交えて紹介する。
17:25
ビットフライヤー、仮想通貨「定期貸付」を開始 第1弾はビットコイン最大年利3.05%
暗号資産取引所大手のビットフライヤーが、新サービス「定期貸しコイン」を開始。第1弾はビットコインを対象に年利最大3.05%を提供。価格変動に左右されにくい収益機会として注目され、最小1.4万円相当から投資可能。12月6日から募集開始。
15:10
リミックスポイント、仮想通貨投資で7.9億円評価益 XRPなど6銘柄保有
リミックスポイントが仮想通貨投資で7.9億円の評価益を計上。ビットコインを中心に6銘柄で35億円を投資し、23%のリターンを達成。新たに15億円の追加投資を決議し、投資総額は50億円規模に拡大へ。
13:10
「CZ氏にも恩赦を」バイデン大統領のハンター氏恩赦受け
バイナンス前CEOであるCZ氏の恩赦を求める声が仮想通貨業界の一部から上がった。トランプ氏は「シルクロード」設立者の減刑に言及していたところだ。
12:31
XRP400円突破、2018年1月以来の過去最高値(円建て)更新
XRP(リップル)市場価格がおよそ7年ぶりに400円を突破し、2018年1月に記録した円建ての過去最高値を更新した。データ分析によれば、韓国の投機筋ではなくコインベースの大口投資家による取引が主な原動力となっている。
10:55
イーサリアムETF、ステーキング利回り承認の可能性 バーンスタイン予測
米国のイーサリアム上場投資信託では、近い将来ステーキングによる利回りが組み込まれる可能性があると、投資銀行バーンスタインが12月2日のレポートで述べた。トランプ政権2.0が追い風になる見解だ。
10:30
石破総理、仮想通貨の申告分離課税適用に慎重姿勢
自民党の石破総理は国会答弁で、仮想通貨の分離課税20%適用やビットコインなどのETF承認に消極的な姿勢を示した。国民民主党からの代表質問に回答した。
09:30
イーサリアム現物ETFの日次資金流入、初のビットコインETF超え
米国のイーサリアム現物ETFが初めてビットコイン現物ETFを上回る日次流入を記録。機関投資家からの注目が高まっている可能性がある。
08:00
米MARA、ビットコイン追加購入のためにさらに1200億円調達へ
米上場の大手仮想通貨マイニング企業マラソン・デジタル(MARA)は2日、ビットコイン買い増しのために1,200億円分の転換社債の発行を通じて資金調達を行うと発表した。
07:30
マイクロストラテジー会長、マイクロソフトにBTC投資を提案
マイクロストラテジーのマイケル・セイラー会長は、マイクロソフトのCEOと取締役会に対し、仮想通貨ビットコインに関するプレゼンを実施。マイクロソフトがビットコインに投資すべき理由を説明した。
07:15
XRP現物ETFの上場申請に大きな進展 米WisdomTreeがS1書類を提出
米資産管理会社WisdomTree(ウィズダムツリー)は2日に仮想通貨XRP現物ETFに関連するS-1書類をSECへ提出し申請プロセスを加速させた。XRPの価格は3ドル手前まで高騰した。
06:35
ナイキ傘下のRTFKT、事業を完全停止へ
ナイキ傘下のNFTプロジェクトのRTFKTが3日、2025年1月末までに事業を完全に停止すると発表した。CloneXへの影響はまだ明確ではない。
06:15
ミームコインMOODENG(ムーデン)が60%急騰、コインベースの上場発表受け
コインベースが3日、仮想通貨ミームコイン「ムーデン(MOODENG)」を新たに上場する意向を示した。価格が大幅に急騰した。
05:55
今週もビットコイン追加購入、2200億円相当 米マイクロストラテジー 
新たな買い増しにより、米マイクロストラテジーの仮想通貨ビットコイン保有額はさらに15,400 BTC増加し、総保有量が402,100 BTCとなった。
05:40
米政府、1400億円相当のビットコインをコインベースへ送金 売圧懸念高まる
米国政府が月曜日深夜一時半ごろ、「シルクロード」から押収された約19,800 BTCのビットコイン(2,900億円相当)を新たなアドレスへ移動させた。ビットコイン価格はこのニュースに影響され一時急落した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
重要指標
一覧
新着指標
一覧