
仮想通貨 Tezos(XTZ)とは
通貨名 | Tezos |
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通貨コード | XTZ |
公開日 | 2017年7月1日 |
コンセンサスアルゴリズム | DPoS(Delegated Proof of Stake) |
公式ウェブサイト | https://tezos.com/ |
公式Twitter | https://twitter.com/tezos |
medium | https://medium.com/tezos |
仮想通貨(暗号資産)国内大手取引所bitFlyerに新規上場するテゾス(XTZ)は、20年12月時点でCoinMarketCapで時価総額19位のメジャーアルト。2014年よりスタートしているプロジェクトで、分散型アプリケーション(dApps)のプラットフォームです。
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テゾスは、独自の検証メカニズムを持つスマートコントラクト機能と、ハードフォークすることなくブロックチェーンのアップデートが可能な自己修正機能などの特徴を有しています。スマートコントラクトの安全性、アップグレードのしやすさ、意思決定への参加障壁の低さを両立させることで、ブロックチェーン技術の普及をテゾスは推進しています。
仮想通貨 Tezos(XTZ)の特徴
Tezosには、主に3つの特徴があります。
スマートコントラクトの実証機能
Tezosの特徴としては、まず、Formal Verificationと呼ばれる技術者によるスマートコントラクトの内容の実証機能が挙げられます。これは、契約情報をTezosのブロックチェーン上に設定し自動化できるスマートコントラクトの内容を、数学的な視点から技術者が検証を行うシステムです。
つまり、TezosのFormal Verificationはスマートコントラクトが正しく実行されているか、証明するものであり、エラーの許されない契約などにおいて通常のスマートコントラクトよりも証明性に優れたものだと言えるでしょう。
コンセンサスアルゴリズムにDPoSを採用
次に、Tezosではデータ処理にDelegated Proof of Stake(DPoS)を採用しており、マイナーが必要ありません。また、DPoSでは、承認者に選ばれたとしても権限そのものを他人に譲渡することも可能であり、保有者の中から承認者がランダムで選択される為、通貨の保有量などの要素を気にしなくてもいいというメリットがあります。
ハードフォークをすることなくアップデートが可能
Tezosの特徴の中でも異色と言えるのは、システム修正時に対して互換性があるという点です。
ビットコインやイーサリアムは、既存のシステムに疑問を持った人々がシステムを修正したことでハードフォークを経てビットコインキャッシュやイーサリアムクラシックが誕生しています。
しかし、Tezosの場合は、通貨を分裂させることなく、新しい通貨の定義と既存のシステムに互換性を持たせることが可能で、Tezosのシステムを応用した場合、ハードフォークの必要性がなくなるとされています。
テゾスのベーキングとは
Tezosでは新規ブロックをブロックチェーンに追加し繋げる作業を「ベーキング(Baking)」と呼びます。これはPoS上のブロックチェーン生成であり、テゾスの取引記録を承認する作業のことで、ビットコイン(BTC)で採用されているPoWのマイニングに相当します。
このベーキングを行う人をベーカー(Baker)といい、取引記録の責任をもって います。ベーカーになる人は、安定したインターネット環境と万全なセキュリティ対策を整頓している必要があります。
ベーカーになるには、10,000tezを保有している必要があります。が、仮に必要量に満たしていない場合でも、他者に自分のテゾス通過を委任し総量が10,000tezとなることで参加することもできます。
委任システム
PoSにおけるセキュリティデポジット(保証金)は、コンセンサスの過程に参加し、インフラ(物価上昇)の影響を回避することが必須です。PoWにあるように、コンセンサスプロトコルはセキィリティが公正な多数派によって決められ、テゾスプロトコルで奨励され、不正の行為にはペナルティを公正な行為には報酬を与えます。
かりに参加者が不正を犯したとすれば、保証金はなくなります。コンセンサスに参加を望まないユーザーは、他のユーザーに権利を委任する選択権があります。
1-2 Tezosの発行目的
ビットコイン(BTC)にある4つの問題を解決するためです。
・ハードフォークの問題、調整問題へのダイナミックな革新力の欠如
・PoWにおけるコストの悪さと中央集権的なシステム
・ビットコイントランザクション言語の限られた表現力、それに伴うスマートコントラクトの他のブロックチェーンへの強制移行
・仮想通貨の実行におけるセキュリティ問題への懸念
1-3 コンセンサスアルゴリズムの概要
PoS(Proof of Stake/プルーフ・オブ・ステーク) 仮想通貨の保有量や保有年数に応じて報酬が決まる仕組みです。
メリット:悪意のある攻撃(PoWの51%攻撃など)に強い マイニングにかかる電気消費量を抑えることができ、環境にやさしい
デメリット:富裕層に優位な点がある
1-4 ローンチ(資金調達)時期
ローンチ 2017年2月 Alphanet(アルファネット)
2018年6月 Betanet(ベータネット)
2018年9月 Mainnet(メインネット)
資金調達 2017年7月 ICO実施、2億3200万ドル(約258億円)を調達
2.ユースケースの紹介
・2019年2月…テゾスの最大のベーカーの一つであるテゾス・キャピタル (Tezos Capital)がStakerDAOを発表。StakerDAOは、テゾス初のDeFiアプリケーションで金融を分散的にマネジメントするプラットフォーム
・2019年3月…南米の大手投資銀行BTGパクチュアル(BTG Pactual)とドバイにあるファンドのダルマ・キャピタル(Dalma Capital)が、10億ドルのSTO(セキュリティトークンオファリング)のパイプラインにテゾスブロックチェーンを利用することを発表
・2020年2月…証券トークンを発行するセキュリタイズ(Securitize)企業と不 動産のSTOを行うエレヴェッティド・リターンズ(Elevated Returns)が、テゾス上で10億ドル(約1.100億円)を目標に不動産のトークン化を実施することを発表
テゾスはその自立性のあるアップデートと形式認証システムにより金融分野での利用が推進されています。また、テゾスは、dApps(Decentralized Application/分散型アプリケーション)ゲームにも着手しています。
2020年4月、テゾスの共同創設者のKathleen Breitman (キャサリン・ブライトマン)がゲーム企業Coaseを設立し、テゾスのブロックチェーン上で構築するカードゲームの「Emergents」をリリースすることを発表しています。
4. 開発者の概要
4-1 開発者名/開発拠点
開発者:Kathleen Breitman(キャサリン・ブライトマン)
…テゾスの共同創設者&最高経営責任者です。ブロックチェーンを基盤とし、オンチェーン上にあるガバナンス仕組みを用いたスマートコントラクトプラットフォームを構築しました。テゾスのネットワークの調整やアップグレードを推し進めています。
開発者:Arther Breitman(アーサー・ブライトマン)
…テゾスの共同創設者&最高技術者です。セキュリティに重点をおいたスマートコントラクトプラットフォームを構築しています。
開発拠点:スイス
4-2 開発者の経歴
・Kathleen Breitman(キャサリン・ブライトマン)
…Cornell University(コーネル大学)出身です。Tezos以前は、R3 (分散型台帳技術を開発する企業)で戦略的な役割を担う先任者として活躍。アクセンチュア、ブリッジウォーター・アソシエイツ、ウォール・ストリート・ジャーナルで働いていた経験あります。・Arther Breitman(アーサー・ブライトマン)
…ゴールドマン・サックスとモーガン・スタンレーで定量アナリストとして従事していました。
4-3 開発者/財団の紹介
開発者:スイス財団(2015年8月1日)
財団の紹介:テゾス財団はスイス財団が設立し、スイス連邦財団監督当局によって管理されています。テゾスは、新しい技術の促進と開発を目的とし、オープンで分散化型ソフトウエア構成の分野に力を入れています。
テゾスの開発には、世界中からの多くの団体が貢献しています。テゾス財団はそのエコシステムの一部であり、開発者、ネットワーク立証者、他の人によって支えられています。
5. 仮想通貨Tezos(XTZ)の過去情報
5-1 過去のアップデート
・2019年5月 プロトコル 004 Athens(アテネ) …Gas Limit緩和、ステーキング
・2019年8月 プロトコル 005 Babylon(バビロン) …コンセンサスアルゴリズムの改良、スマートコントラクト強化、委任手続きの単純化など
・2020年3月 プロトコル 006 Carthage(カルタゴ)…システム内のリモート呼 び出し手順、一般的な操作の機能を拡張
5-2 過去の事件
2017年、テゾスの創設者のアーサー、キャサリン・ブライトマン夫婦とテゾス財団のヨハン・ゲーヴァース代表の間で知的財産権を関する内部の対立が起こりました。これによりテゾスのプロジェクトが遅延し、2017年末に予定していたトークンの配布が停止されてしまいました。この内部の揉め事に不信を募らせた投資家たちから集団訴訟を起こされる事態にまで発展してしまいました。
翌年の8月、裁判所で支払い請求が正式に却下されたことで収束に至りました。
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仮想通貨 Tezos(XTZ)の今後の将来性
Tezosはかつて、ICOで200億円以上を集めたプロジェクトであることからも、Tezosに対する期待度の高さが伺えます。フランスのIT研究所であるInriaとパートナーシップを発表したことが話題になったほか、19年7月には規制の厳しい米コインベースに上場。同年11月には、米国ユーザーに対し、ステーキングサービスの提供を発表しています。
- ICOで200億円以上を集めた通貨
- Tezosのプラットフォームとしての目的は、ビットコインなどの既存の仮想通貨システムの弱点を克服するためのもの、としています。
- ハードフォークをせずにアップデート
- 分散型アプリケーション(dApps)のプラットフォームであるTezosの特徴として、通貨のシステム・規定変更にハードフォークの必要性がないこと、コンセンサスアルゴリズムにDPoSを採用していること、スマートコントラクトの確実性を高める機能があることの3つが挙げられます。
- DPoSとは
- ビットコインのPoWと違い、PoSは仮想通貨の保有量に応じて報酬が支払われるが、DPoSはさらに取引の承認者を投票で選定できることに加え、誰でも承認者になることが可能なコンセンサスアルゴリズムです。