仮想通貨を稼げるブラウザ
インターネット上のプライバシーへの関心が高まる中、ウェブブラウザは、閲覧履歴や位置情報、個人データの管理において、ますます重要なツールとなっています。こうした状況で、最近特に注目され、ユーザー数を増やしているのが「Brave(ブレイブ)」ブラウザです。
Braveは、Mozillaの共同創業者であり、JavaScriptの生みの親として知られるBrendan Eich(ブレンダン・アイク)氏によって2016年に立ち上げられました。Google ChromeやFirefoxといった主流ブラウザに対抗する、「プライバシー重視」のブラウザとして位置づけられており、独自の機能やアプローチでユーザーに新しい選択肢を提供しています。
この記事では、Braveのユニークな機能、プライバシーへの取り組み、Braveがもたらすメリット、そして従来のブラウザエコシステムに対する挑戦について、詳しく掘り下げていきます。
1. ブレイブ・ブラウザの概要
Braveブラウザは、インターネットユーザーが自身のデータをコントロールし、プライバシーを守るために設計されたツールです。Brendan Eich氏は、従来のデジタル広告モデルがユーザーのプライバシーを侵害していると感じ、その改善を目指してBraveを開発しました。
Braveは、デフォルトで広告とトラッカーをブロックする機能を備えており、ユーザーが自分のデータがどのように扱われるかを、よりコントロールできるようになっています。
特に動画系プラットフォームなど広告の多いサイト利用時に利便性の高さが好評を博しています。怪しげなポップアップ型広告を意図せず踏んでしまうリスクも軽減できます。
ただし、あらかじめ広告が消える一方、自社サイトに設置したバナーの見え方などのチェックができなくなる場合があります。
2024年3月には、欧州連合のデジタル市場法(DMA)に対応したAppleの戦略的なアップデートが実施されると、EU地域でのiOSデバイス向けBraveブラウザのインストールが急増しました。このアップデートにより、Safariの初回起動時に、ユーザーに対してデフォルトのウェブブラウザを選択する画面が表示され、Braveを含む複数の選択肢から好みのブラウザを選ぶことができるようになったことが主な要因とされています。
公式サイトによると、2024年6月の時点で、Braveブラウザの月間アクティブユーザー数(MAU)は6800万人。また、デイリーアクティブユーザー(DAU)も2,830万人。認証済みのクリエイターは、Youtubeを中心に獲得しており、160万となっています。
プラットフォーム認証済みユーザーとは
Braveブラウザのユーザーがウェブサイト、YouTubeチャンネル、Twitchチャンネルなどで活動するクリエイターに対して、仮想通貨BAT(Basic Attention Token)を通じてチップを送る仕組みを利用できる、Braveによって認証されたクリエイターのことです。
プライバシー
Braveの最も重要な特徴の一つは、そのプライバシー機能です。Braveは、Google ChromeやFirefox、Microsoft Edgeといった従来のブラウザとは異なり、デフォルトで広告やトラッカーをブロックすることで、ユーザーのオンライン行動がサードパーティに追跡されるリスクを大幅に減少します。
さらに、Braveはクロスサイトトラッキング(複数のウェブサイトにまたがってユーザーの行動を追跡する技術)を防止し、フィンガープリンティング(ユーザーのデバイスやブラウザの設定情報を利用して、個々のユーザーを識別する技術)と呼ばれる技術によるユーザー識別を防ぐための機能も備えています。
セキュリティ
Braveは、HTTPS Everywhereという機能を内蔵しており、Webサイトとの通信が常に暗号化されます。さらに、悪意のあるスクリプトをブロックする機能も備えています。これらのセキュリティ機能は、他のブラウザと比較しても優れており、ユーザーのオンライン活動をより安全に保つことにつながります。
パフォーマンス
広告をブロックすることで、Braveは他のブラウザと比較してブラウジング速度が向上します。ページの読み込みが速くなるだけでなく、メモリやCPUの使用効率も改善されます。特にリソースが限られたデバイスでのパフォーマンスが大幅に向上します。
ユーザー・エクスペリエンス
Braveブラウザは、シンプルで直感的なインターフェースを提供し、使いやすさに重点を置いています。Chromeウェブストアと互換性があるため、ユーザーはChrome用の拡張機能をそのまま利用でき、使い慣れたツールを活用しながら、プライバシー保護のメリットを享受することができます。
また、Braveブラウザはデスクトップとモバイルの両方で快適に利用できるよう設計されており、スマートフォンやタブレットでもシームレスな操作性を提供します。モバイル版Braveは、広告ブロックやトラッカーブロックなどのプライバシー機能をフルに備えており、外出先でも安心してインターネットを利用することができます。
さらに、Braveはブックマークや履歴、設定を複数のデバイス間で同期する機能も備えており、強力な暗号化技術によって高いプライバシー保護を提供しています。これにより、ユーザーはデスクトップやモバイルデバイス間でスムーズにブラウジング体験を共有でき、どこにいても一貫した使い勝手を維持することができます。
2. ブレイブ・ブラウザの特徴的な機能
プライベート検索エンジン「Brave Search」
Brave Searchは、Braveブラウザのデフォルト検索エンジンとして設計され、ユーザーのプライバシーを最優先に考えた検索エンジンです。Googleなどの大手検索エンジンがユーザーの検索履歴や行動を追跡し、それに基づいてパーソナライズされた広告を表示するのとは対照的に、Brave Searchはユーザーの検索履歴を追跡せず、クエリや個人情報を収集しないことで、真にプライベートな検索体験を提供します。
このアプローチにより、ユーザーはプライバシーを守りながらも、関連性の高い検索結果を得ることができます。さらに、Brave Searchは匿名化されたパーソナライズ機能を提供しており、個人情報を明かさずに、ユーザーの好みに応じた検索結果を表示することが可能です。
2024年5月には、Brave Searchの月間検索クエリ数が8億4302万件に達し、年換算で99億5千万件の検索が行われていると報告されました。先行するプライバシー重視の検索エンジン「DuckDuckGo」の2022年時点での年間約350億件の検索クエリ数との差はまだありますが、プライバシーに関する世の中の関心が高まる中で、Braveも着実に成長しています。
Brave Rewardsとベーシックアテンショントークン (BAT)
Braveブラウザの特徴的な機能の一つに、Brave Rewardsというリワードシステムがあります。従来のウェブブラウジングでは、ユーザーは広告を見せられ、個人データが収集されることが一般的ですが、その対価として何も得られません。しかし、Braveはこの状況を変え、ユーザーがプライバシーを保護しながら広告を閲覧することで報酬を得られる仕組みを導入しました。
この報酬として得られるのが、ベーシックアテンショントークン(BAT)という暗号資産です。BATはイーサリアムブロックチェーン上で動作するトークンで、Brave Rewardsを通じてユーザーに配布されます。Brave Rewardsは完全に任意のプログラムで、ユーザーが選択した場合にのみ利用されます。
Braveリワードを利用する際、特定の場所で連続的に広告を閲覧するのではなく、日常的な検索体験やウェブブラウジングの中で自然に表示される広告を受け入れるという形になります。これらの広告の単なる表示、あるいはクリックを行うと、そのアテンションがカウントされ、BATが報酬としてユーザーのBraveウォレットに蓄積されます。
さらに、このBATはコンテンツ制作者にチップとして寄付することができ、広告収益がユーザーやクリエイターに直接還元されるエコシステムを形成しています。
〈BATを取り使う暗号資産取引所はBitFlyer。2014年1月に設立された国内大手。2021年3月には総預かり資産5,732億円を超え過去最大記録を樹立〉
Braveウォレット
Braveウォレットは、Braveブラウザに内臓されたマルチチェーン仮想通貨ウォレットです。このウォレットはBAT(Basic Attention Token)を含む複数の仮想通貨をサポートしており、Braveブラウザを通じて仮想通貨の送金、受信、管理を直接行うことができます。
この利便性によって、Braveウォレットは従来のブラウザ拡張機能ウォレットよりも、Braveエコシステム内で優れたポジションにあります。また、ユーザーはブラウザから直接DApps(分散型アプリ)にアクセスし、さまざまなブロックチェーンベースのサービスを利用できます。仮想通貨の利用がさらに簡単で安全になり、ユーザーに新しいデジタル経済へのアクセスが提供されます。
3.Brave RewardsとbitFlyerの連携方法
bitFlyerは、国内有数の暗号資産(仮想通貨)取引所です。Brave RewardsをbitFlyerと連携することで、以下のような便利な機能が利用可能になります。
広告報酬の受け取りと換金
Braveブラウザで表示される広告を閲覧することで、報酬としてBAT(Basic Attention Token)を獲得でき、コンテンツクリエイターへの寄付(チップ)も可能です。これらのBATは、翌月8日以降にbitFlyerアカウントで受け取ることができ、その後、日本円に換金することも可能です。
連携手順
1.Braveブラウザ上で「brave://rewards」にアクセスし、画面左側の「アカウントの接続」をクリックします。
2.表示される画面で、BATの受取先として「bitFlyer:ログインまたはサインアップ」を選択します。
3.すでにbitFlyerで本人確認(KYC)が完了している場合、bitFlyerの画面でログインを行うだけでBraveブラウザとの連携が完了します。
この連携により、Braveブラウザで獲得したBATリワードは、毎月自動的にbitFlyerアカウントに振り込まれます。
4.bitFlyer(ビットフライヤー)とは
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- ライトコイン(LTC)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- モナコイン(MONA)
- リスク(LSK)
- エックスアールピー(XRP)
- ベーシックアテンショントークン(BAT)
- ステラルーメン(XLM)
- ネム(XEM)
- テゾス(XTZ)
- ポルカドット(DOT)
- チェーンリンク(LINK)
- シンボル(XYM)
- ポリゴン(MATIC)
- メイカー(MKR)
- ジパングコイン(ZPG)
- フレア(FLR)
- シバイヌ(SHIB)
- ザ・サンドボックス(SAND)
- パレットトークン(PLT)
- アクシーインフィニティ
- ディセントラランド
- イミュータブル
- エイプコイン
- チリーズ
- ダイ
- レンダートークン
- ザ・グラフ
- アバランチ
- ドージコイン
- エルフトークン
- ジパングコインシルバー(ZPGAG)
- ジパングコインプラチナ(ZPGPT)
補足事項
※1:記事「フォーブスが選ぶ世界の「信頼できる」暗号資産取引所20社、2024年版」より抜粋
※2:JVCEA加盟の国内暗号資産交換業者における 2023 年1月~12月 の年間出来高。JVCEA等公表データより同社調べ。
※3:国内の暗号資産交換業登録事業者における暗号資産交換業のハッキング被害ゼロである最長保持日数。2024年5月31日現在。同社調べ。
※4:JVCEA加盟の国内暗号資産交換業者における預かり資産額。2023年12月31日現在。JVCEA等公表データより同社調べ。