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米国のステーブルコイン「USDC」発行企業Circle Internet Groupが4日、新規株式公開(IPO)で約11億ドルの資金調達を完了したとブルームバーグが報じた。同社と既存株主は3,400万株を1株31ドルで売却し、当初計画の8億9600万ドルを大幅に上回る調達額を実現した。
IPOには当初予定の25倍を超える応募が殺到し、価格は当初予想レンジの27〜28ドルを上回る水準で決定された。調達により同社の時価総額は69億ドル、完全希薄化後評価額は81億ドルに達する見込みで、ニューヨーク証券取引所(NYSE)でティッカー「CRCL」として取引開始予定。
主幹事はJPモルガン・チェース、シティグループ、ゴールドマン・サックスが務め、長期保有志向の投資家への株式配分が優先された。キャシー・ウッド率いるARKインベストメント・マネジメントが最大1.5億ドル、ブラックロックがIPO株式の約10%取得に関心を示している。
IPO書類によると、Circle発行のUSDCは3月末時点でステーブルコイン市場の29%シェアを占め、時価総額609億ドルで業界2位の規模を誇る。米議会でのステーブルコイン規制法案審議が進む中、規制の明確化により市場の正当性向上と競争激化が予想される状況でのIPO実現となった。
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