
IPOラッシュに
英金融誌FTによると、著名VC投資家ピーター・ティール氏が支援する仮想通貨取引所Bullishが、米国での新規株式公開(IPO)を申請した。同社は11日、米証券取引委員会(SEC)に非公開で申請書類を提出したと、関係者が明らかにしたという。一方、評価額は明らかにされていない。
トランプ政権の業界友好政策により、仮想通貨関連企業への投資需要が急増している。背景には、政権が仮想通貨に対する規制緩和を約束し、バイデン政権下での取り締まりを撤回したことがある。
規制緩和を受け、仮想通貨企業の上場(IPO)ラッシュが見られるようになった。先週には、米ドルステーブルコイン運営のCircle Internetが11億ドルを調達し、初日の株価が168%上昇した。ウィンクルボス兄弟運営の取引所Geminiも先週金曜日に上場申請を行った。
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Bullishは証券大手NYSEの元社長トム・ファーリー氏がCEOを務める。同社は2021年にSPAC上場を試みたが、当時の金利上昇により頓挫していた。ジェフリーズが主幹事として上場準備を進めている。
2021年の立ち上げ時に総額100億ドルの資金調達を達成し、機関投資家向けのプラットフォームとしてローンチされた。この資金には、ピーター・ティール氏やマイク・ノボグラッツ氏といった著名投資家からの出資が含まれており、EOSのICOで調達した41億ドルの一部も活用されたと報じられている。
Bullishは流動性と規制遵守を重視する取引所として、ニューヨークのBitLicense取得など、40以上の法域での運営許可を取得しているという。
なお、同社は2023年11月に仮想通貨メディア大手CoinDeskをデジタルカレンシーグループから買収した。CoinDeskは独立子会社として運営を継続している。Bullishの親会社はイオス(EOS)開発のBlock.oneである。
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