- ポリマーケットの成立確率、2月82%から27%に急落
- SEC委員長、独自ルール整備に意欲を表明
法案の行方より進む制度化
ビットワイズのCIO、マット・ホーガン(Matt Hougan)氏は4日付のレポートで、暗号資産(仮想通貨)の包括規制法「クラリティー法」が今週不成立に終わっても、仮想通貨市場への打撃は限定的だとの見方を示した。
米上院は8月5日、同法のクローチャー(討論終結動議)申請期限を迎える。上院は7日から休会に入り再開は9月14日で、予測市場ポリマーケットでの成立確率は27%まで低下した。2月時点の82%から急落している。
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米国の暗号資産規制を担う「ジーニアス法(GENIUS Act)」と「クラリティー法案(CLARITY Act)」。ステーブルコイン発行者を規制する成立済みのジーニアス法と、SEC・CFTCの管轄を整理する審議中のクラリティー法案の違いを、比較表とともに初心者向けに解説します。
クラリティー法、消えず宙に浮く公算
ホーガン氏は、今週不成立となっても法案が完全に消えるわけではないと指摘する。9月の会期や年末の一括法案(オムニバス)に紛れ込ませる形で再浮上する可能性があるという。
同氏はこの宙ぶらりんの状態こそが問題だと述べる。規制の先行き不透明感から、機関投資家の一部は仮想通貨市場への資金投入を見送っているためだ。むしろ不成立が確定し、ポリマーケットの予想が一桁台まで下がるほうが、市場にとっては望ましいとの見方を示した。
SECの独自ルールが代替策に
ホーガン氏が根拠とするのは、SECのポール・アトキンス委員長による7月27日のCNBCインタビューだ。アトキンス氏は、クラリティー法と同様の課題に対応する規則をSEC独自に策定する用意があると述べた。ホーガン氏は「準備は整っている」というアトキンス氏の発言を引用し、議会が動かなくてもSECが規制整備を主導し得ると分析する。
ただしホーガン氏は、この道筋にはトレードオフがあると付け加える。SEC主導のルールは短期的には議会立法よりも仮想通貨に友好的になり得る一方、将来的に不友好な委員長が就任すれば覆されるリスクも残るという。
関連記事:SEC議長、クラリティー法不成立なら独自ルール策定へ
米SECのアトキンス委員長は27日、仮想通貨の市場構造法案「クラリティ法」が上院で成立しなければ、SEC自ら仮想通貨規則を策定する用意があるとCNBCに述べた。法案の現状と、規制枠組みが政権交代で覆るリスクをどう見ているかを解説する。
後戻りしない仮想通貨の制度化
それでもホーガン氏は、法案の行方にかかわらず仮想通貨の制度化は後戻りしないと強調する。ブラックロックが運用するETFのうち収益性が最も高いのはビットコインETFであり、ナスダックやJPモルガンは資産のトークン化を積極化させている。
ビザ、マスターカード、ストライプの3社はコインベースと提携し、ステーブルコイン基盤の構築を進める。ロビンフッドは独自ブロックチェーンを立ち上げ、ユニスワップやモルフォなどのDeFiアプリと連携させた。米通貨監督庁(OCC)はサークル、リップル、パクソスなど複数の企業に信託免許を付与している。
ホーガン氏は1994年、米下院が通信改革法案を423対4の大差で可決しながら上院で審議入りせず廃案となった例を挙げる。それでもインターネットは歩みを止めず、ネットスケープが上場し、アマゾンやイーベイが開業した。議会が1996年に同法を成立させた頃には、すでに市場が先行していたと同氏は振り返る。
ホーガン氏は、クラリティー法が不成立に終わっても、次の政権が新たなSEC委員長を任命するまでの約2年半、業界は前進を続けられると分析する。
同氏はもう後戻りしないと述べ、法案の行方とは関係なく仮想通貨が金融インフラの一角として定着したとの見方を示した。
関連記事:米上院、クラリティー法の初回投票見込まれるも先行き不透明
米上院のスーン院内総務は4日、クラリティー法の初回投票を来週休会前に行う見通しだと述べた。倫理条項を巡るホワイトハウスの回答は依然示されておらず、仮想通貨市場は法案の行方を見極める展開が続く。



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