ビットコイン、エルサルバドルで正式な法定通貨に
法案が可決、エルサルバドル
本日エルサルバドル共和国のブケレ大統領が議会に提出した、仮想通貨ビットコイン(BTC)を国の法定通貨として採用するための法案は大多数で可決された。
投票を前に、「金融委員会」があらかじめ大統領の法案への好意を示しており、党内(GANA)でも支持が圧倒的で可決される見込みも示されていた。
可決後、法律は90日経過後に有効となる。同法律の内容は主に以下のようになる。
- 商品は、ビットコイン単位で価格表示が可能
- ビットコインで納税可能
- ビットコイン取引は譲渡所得課税の対象外
- ビットコインの参考価格は米ドル建てに留まる
- 全ての経済主体(サービス業など)は、消費者からビットコインの支払いを提示された場合、支払い手段としてそれを受け入れなければならない
政府は、市民に、受け取った即時に米ドルに換金できる手段を提供するために、「エルサルバドル開発銀行Bandesal」にて投資信託を設立するという。大統領がツイッタースペースに参加して話した内容によると、新設の投資信託では、1.5億米ドル(160億円)を利用しビットコインを購入する予定だ。
法案の通過は歴史的な動きと言える。エルサルバドルは2001年、不安定な自国の法定通貨「colón(サルバドール・コロン)」の流通を撤廃し、唯一の法定通貨(リーガル・テンダー)として米ドル(USD)を採用した経緯があり、今後ビットコインはドルと並行してどのように利用されるか注目される。
発言要旨
ブケレ大統領など関係者は議会開催の間に、ツイッタースペースに参加し、ジャック・ドーシーなどの著名ビットコイナーの質問に答えていた。以下がその一部の内容。
今後はUSD(米ドル)ではなくBTCで表現していく。人々がそれに慣れ親しむようにBTCに働きかけていく。投資家や起業家などに宣伝していく。より良いインフラを築いていく。今回の決定をプロモートしていく新しいを法令をつくる。
多くのイノベーターやタレントを誘致するだろう。これは全てお金だけの話ではない。この新技術は、ファイナンスへのアクセスなど、米国のみならず世界全体、人類にとって良い動きとなるだろう。
将来を信じている。テクノロジーがもたらす未来像を夢見ていた。貧困や病気のない世界。でも今は20台でも未来のことを聞くと空飛ぶ車は光り輝くビルなどではなく、破壊的な。。。。美しいものではなく、ディストピア的な考え方だ。
BTCは世界の中心的な仮想通貨として、分散的で平等で、銀行に支配されていない。BTCは未来のテクノロジー、哲学がはっきり設計されている。イノベーションやタレントを育む。サポートするだけでなく、世界が利益を生み出すような方向性を示したい。
我々はこれを全体でサポートする。我々が前例を作れば、他の国々が続くかもしれない。法定通貨としてBTC使用例も増えていくはずだろう。このプロジェクトを成功させたい。それにより強いシステムを、ドミノエフェクトとして波及していくだろう。
BTCではなく、USDでマネロンや犯罪が行われている。問題は通貨ではなく犯罪者だ。
米国連邦準備制度とはいい関係にある。問題はそこではない。もっとシンプルだ。 我々の中央銀行だけでなく、開発銀行で投資信託設立する。そこでトランザクションなどを管理する。
…人々はBTCにまつわるリスクを取る必要ない。投資信託で増減を管理するが、その目的は利益ではなく、BTCを法定通貨としてサポートすることだ。
マイニングする計画はないが、国内で推進する施策は検討している。火山の地熱を使ったクリーンエネルギーも併用して、推進することも一案としてある。工場かカーボンフットプリントへの投資を促す狙いもある。エネルギーの使用や工場設営のコストは低くて済むので、マイニング工場を建てたい人はいるかもしれない。
重要な論点を動画解説
エルサルバドルによるビットコインの法定通貨法案提出に関連し、特に重要な論点や世界各国で発生し得る議論について、国内大手仮想通貨取引所bitFlyer創設者の加納裕三氏が詳しく解説した。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します