- Q. Stellarの低コストはどのようにして達成できたのでしょうか?
- -A. StellarはStellar Consensus Protocol(SCP)というコンセンサスメカニズムを利用していて、このプロトコルはマイニングを必要としません。このSCPこそがStellarが迅速かつ、低コストで多くの量の取引を処理できる理由になります。
- Q. 現在どのようなパートナーシップが進行中でしょうか
- -A. 主に従来の銀行を利用することができない人々へ送金サービスを提供する中小企業がStellarプラットフォームを活用しています。金融業界以外でも、テック系スタートアップのICOでStellarネットワークを導入することもあります。また、IBMなどの企業とパートナーシップを組んで、StellarプロトコルやLumenを使った決済促進化を進めています。
- Q. どのようにLumenコインを活用して、国際決済サービスを改善するのでしょうか?
- -A. 例えばナイジェリアから中国に送金すると考えましょう。従来ではナイジェリア通貨ナイラと中国元の流動性はとても低いため、送金する際は一度米ドルに両替する必要があります。中国の送金企業がStellarプロトコルを導入している場合、ナイジェリアの銀行はXLMをブリッジ通貨として利用することができ、両通貨間のスプレッドは従来の方法より改善されます。
- Q. Stellarの2018年のゴールはなんですか
- -A. Stellarネットワーク上での法定通貨建ての取引量を増やしていきたいです。既に複数の取引所と商談が進んでいて、2018年はより多くの取引所で上場されると期待しています。日本の取引所上場も視野に入れていますが、他の取引所と比べて上場のプロセスは複雑です。
多くのICOトークンはイーサリアムネットワークで作成されていますが、最近では、すでにいくつかのスタートアップ企業がイーサリアムプラットフォームではなく、Stellarプラットフォームを利用し始めています。
Stellarネットワークは、取引手数料が安く、トランザクションが高速で、セキュリティなどの面でもアドバンテージを持っています。
今回は、Stellar社のパートナーシップディレクターのElla Qiang氏へのインタビューを掲載いたします。
長時間のインタビューにご協力いただいたQiang氏に御礼申し上げます。
インタビュー一覧
Stellar社のパートナーシップディレクターのElla Qiangです。
私は主にアジアマーケットで戦略的なパートナシップを築き上げる担当を担っています。
過去数年間、金融業界で経験を積み、昨年Stellar社に就職しました。
StellarはJed McCaleb氏によって設立されました。
彼は長年にわたり分散型技術に携わり、2000年eDonkeyというP2Pファイルシェアソフトウェアを開発し、アジア圏(特に中国・韓国)で有名になりました。
その後ビットコイン技術に魅了され、取引を促すための初代取引所(Mt. Gox) を設立しました。
Mt. Gox売却後は、Rippleプロジェクトを共同設立し、2014年Rippleプロジェクトから辞任し、Stellarを創立しました。
Jed氏がStellarを開発した際、決済のインターネットプロトコルに注目しました。
Stellarが目指すのは、SMTP(インターネット上のメールの送受信)のような方法で早く、効率的かつゼロコストの決済を実現するプラットフォームです。
現段階でStellarネットワークが提供する主なサービスは決済です。
Stellarを採用している多くの金融企業が世界中に存在します。
主に従来の銀行を利用することができない人々へ送金サービスを提供する中小企業がStellarプラットフォームを活用しています。
フランスのTEMPO Money Transferは我々のパートナー企業の一つです。
次に、IBMなどの企業がStellarプロトコルやLumenを使い決済促進化を狙います。
IBMは大手金融機関を支える大手IT企業で、Stellarとのパートナシップでは既に世界中の14の銀行を対象にプロジェクトが進んでいます。
金融界以外でも、テック系スタートアップ企業がStellarプラットフォームに興味を持っています。
例として、ICO前又はICOを遂げた企業らが独自のコインやプラットフォームでの決済サービスの高い手数料や遅延問題を改善するために、Stellarネットワークを導入することもあります。
近日メッセージアプリのKickはイーサリアムネットワークからStellarに変更すると公式発表しました。
2018年を通して、Stellarネットワークを活用した多くのICOが見られると私は予想します。
どちらかと言えば、企業へのアプローチを中心に進めています。
Stellarは銀行や顧客向けの企業のバックエンドとなるプロトコルレベルの技術であるため、個人間の決済サービスというわけではありません。
StellarとRipple全く異なる二つのエンティティで、現時点でコマーシャルであれ、マーチャンダイジングであれ協力したプロジェクトは一切存在しません。
事業開発チームとして、送金企業のパートナーシップに最も力を注いでいますが、IBMとのパートナシップによって、多くの企業から、どのようにすればStellarを使ってICOをできるかなど様々な問い合わせが届くようになりました。
ですので、たくさんのデベロッパーに対し、Stellarの活用方法を含む技術的な教育にも力を注いでいます。
Stellarは他の主要通貨が利用するPoSやPoFとは異なったメカニズムを活用しています。
StellarのConsesusメカニズムはJed氏の友人であるProf. David Mazières氏によって開発されたStellar Consensus Protocol(SCP)を利用していて、このプロトコルはマイニングを必要としません。
Stellarの資産発掘者(asset issuer)として、自分のバリデーターを選択することができます。
このコンセプトはQuorum Sliceと呼ばれ、パブリックチェーン環境でのquasi commissionedネットワークのコンセプトとして捉えることができます。
したがって、すべてのQuorum sliseの間で最小限の重複さえあれば、全体のネットワークでは合意が得られます。
これは現実世界で銀行などの異なる決済機関がどのように機能するかを示します。
国内の銀行間では商業的な関係が既に存在しますが、他国との銀行間でのつながりは恐らく多くはないでしょう。
SCPはこの実世界の銀行間の関係性を象徴します。
なぜなら銀行が既にビジネスパートナーシップを持ち信頼関係を築いた企業と取引し、全体的なコンセンサスを達成するからです。
このSCPこそがStellarが迅速かつ、低コストで多くの量の取引を処理できる理由になります。
個人的な意見を言うと、法定通貨がなくなることはないと思います。
実世界でお金を使う事例などを考慮するとそれが正しい考えだと思います。
しかし紙幣などの代わりとなるキャッシュレス化を促進するアプリや技術の開発は進むと思います。
私が願っているのは法定通貨と仮想通貨が共存し、相互運用できる社会に発展することです。
トークン化はパブリックアクセスの不要、他資産との相互運用性などの利点が存在します。
今後トークン化をする必要性がないものもトークン化されることがあるでしょうが、他資産のアクセスを促すことや、トークン化の利便性を実現するために今後はさらに様々なものがトークン化されると思います。
Stellarのチームにはマーケティングを担う人材がいます。
さらにStellarコミュニティに新しく参加し、様々なアイデアを共有する機会も増えています。
2018年は世界中でミートアップ開催などを通し、Stellarプロジェクトの知名度を上げていく予定です。
事業開発部としてのアプローチは、ブロックチェーンやFinTechなど関連性のあるイベントに参加しStellarプロジェクトとして新しいパートナーシップや商機をみつけることです。
Redditとツイッターが我々の主なコミュニティプラットフォームで、日に日にメンバーの数は増えていっています。
Redditのフォーラムでは毎日活発的な会話をメンバーと行っています。
Stellarチームだけでなく、チャンピオンとよばれるモデレーターらがメンバーと活発的に対話をしています。
メンバーからの質疑応答だけに限らず、我々からも彼らの意見をきくこともあります。
Stellarには様々なプロジェクトパイプラインが存在し、たくさんのICOプロジェクトがStellarプラットフォームで実行される予定です。
今後このような新しい発表を知りたい方は、Stellarニュースレターに登録するか、ツイッターページをご覧ください。
たくさんの興味深いプロジェクトが進行中で、IBMグループのCTO(Stellarプロジェクト指揮官)が2018年に新しいアプリを発表すると告知しました。
そして一月下旬にはStellar今後のロードマップを発表する予定です。( 1月25日発表済み)
まず初めに様々なエンティティのStellar採用数(活用事例)を増やしていきたいです。
より多くの機関がStellarプロトコルを採用し、我々のプラットフォーム上でコインを発行することを望みます。
次に、我々の分散型取引所の新しいマーケットを開拓することです。
最後に、Stellarネットワーク上での法定通貨建ての取引量を増やしていきたいです。
2018年はより多くの取引所で上場されると思います。
既に複数の取引所と商談が進んでいます。
日本の取引所ももちろん視野に入れていますが、他の取引所と比べて上場のプロセスは複雑です。
XLM(Lumen)はStellarネットワークに由来するデジタルコインです。
ネットワークを利用するにはある程度の手数料が必要となります。
ネットワーク上で取引する場合、0.0001XLMの手数料がかかります。
この手数料を支払うためにXLMトークンを使います。
二つ目の使用事例は、Stellarレジャーに存在する全ての通貨間のブリッジ通貨として利用することです。
例えばナイジェリアから中国に送金すると考えましょう。
従来ではナイジェリア通貨ナイラと中国元の流動性はとても低いため、送金する際は一度米ドルに両替する必要があります。
中国の送金企業がStellarプロトコルを導入している場合、ナイジェリアの銀行はXLMをブリッジ通貨として利用することができ、両通貨間のスプレッドは従来の方法よりよくなります。
投資をする際は、そのプロジェクトをよく理解するべきです。
トークンの価値を決めるのは、そのトークンの使用・採用事例なので、そのプロジェクトを深く理解して投資の判断を下してください。
StellarのXLMトークンは明白な使用事例だけでなく、企業のパートナーシップを増やしネットワークの構築を進めています。