- 2枚の新たなホワイトペーパー
- 「Analysis of the XRP Ledger Consensus Protocol」:XRPのコンセンサスアルゴリズムを説明
「Cobalt: BFT Governance in Open Networks」:各ノードの接続の多様性を改良する方法を概説
- 不測の攻撃を防ぐ
- 2枚のペーパーの中心となるテーマは「セキュリティ」であり、不測の攻撃に対する防御能力を追加しようと考えているようです。
- リップルの批判に対して
- 世界第3位の時価総額を持つ仮想通貨「XRP」が、その基礎をなす技術をアップグレードしようと動き出しました。
新ホワイトペーパー
水曜日、サンフランシスコのベンチャー企業リップルが、ピアレビュー用に新たなホワイトペーパーを2枚公開することを発表しました。
1枚はXRPのコンセンサスアルゴリズムを説明し、もう1枚は各ノード(ネットワーク上の取引を中継や確認するためのソフトウェア)の接続の多様性を改良する方法を説明しています。
SantanderやSBIなどの銀行を投資者にもつリップルの行動から、仮想通貨を支えるコアインフラストラクチャー(時には価値が下降する傾向もありましたが、今では400億ドル(約4.3兆円)を超えている)に投資するつもりであることがわかります。
XRPは最も需要のある仮想資産の一つにはなりましたが、その発展はビットコインやイーサリアムのような確立された他の通貨に比べて遅れています。
リップル最高技術責任者Stefan Thomas氏は、2枚のペーパーにより、企業の学術調査機関と学術研究機関の関係がより強くなると考えています。
要するに、スタートアップ企業の研究員がリップル技術に従うことにより、簡単に使用できることを望んでいます。
インタビューでThomas氏は、新たなペーパーにより「技術周りのネットワーク効果」をさらに展開する可能性ができることを主張しました。
CoinDeskのインタビューで、Thomas氏は以下のように述べています。
「ピアレビュー学術論文を公開するのは初めてです。これが未来の研究への扉を開いてくれることは明らかです。そして今後も我々が学究的な世界に力を入れていることについてもっと多くを聞くことが出来るでしょう。」
この2枚のペーパーは、リップルが久しぶりに(2014年にXRP台帳を詳述したRipple Consensus Ledger以来)オープンソースプラットフォーム周りの文書をリフレッシュ、および改良する試みとなります。
つまり、この新ホワイトペーパーは、仮想通貨を安全な決済ネットワークに作り変えることを目標として実装され、中央集権型銀行のやり取りや、流動資産サービスを分散型代案に置き換えようとしているリップルの進化と発展を表しています。
守りを果たすために
Thomas氏にとって、2つのホワイトペーパーには「セキュリティ」という重要なテーマがあります。
「私たちは、ありとあらゆる”思いがけない攻撃”に対する防御策を追加しようと考えています。基本的に、ネットワーク全体を完全に操れないようにすることです。」
キーワードは、「思いがけない(全く予想していない)」です。
Thomas氏によると、これらの攻撃は、攻撃者が国家規模(米国政府など)であり、ネットワークを破壊するような莫大な資金と技術的資源がない限り実行不可能だと主張。
このような事態を特別心配しているわけではないが、万が一に備えて、それらを防ぐ方法を考えているようです。と語りました。
「我々はきわめて用心深く、最高のセキュリティーを求めています。」
と、付け加えました。
「Analysis of the XRP Ledger Consensus Protocol(XRP台帳コンセンサスプロトコルの解析)」と名付けられた1枚目のペーパーは2014年のペーパーをもとにしており、ネットワーク上で起こるはずのことが実際に起こることの形式的および数学的証明を記しています。
要約すると、ネットワークが二つの競争するネットワークにフォークしない「安全性」と、ネットワークが止まることなく取引を処理し続ける「生存性」を示しています。
2枚目のペーパーは「Cobalt: BFT Governance in Open Networks(コバルト:オープンネットワークでのBFT管理)」と呼ばれ、より豊富なバリデータ配列をサポートするアルゴリズムを用い、XRPの以前の計画を改良することを目標としています。
XRPをリップルの取引履歴を記憶した各ノードが次に起こることへの票を与えられるような投票システムとして考えることができます。
これを実現するため、リップルの各ノードはUnique Node List(UNL)(そのノードが正当であるとみなしている他のノードのリスト)を実装しています。
そして各ノードがより様々なノードに接続すれば、ネットワークの長期的な復元性と分散化に適しています。
どちらのホワイトペーパーも、分散型システム(接続された大きいネットワークが機能する方法を説明するコンピューターサイエンス研究体)に大きく依存しています。
Thomas氏は2枚のペーパーがより長期的な影響を与える可能性が高いと主張しています。
「現在、ユーザーがどのようにXRPを使用しているかは影響がなく、ダウンタイム(システム障害などで利用できない時間)などが発生することはありません。」
批判内容はワンテンポ遅れている
しかしこのペーパーを含むリップルの発展により、リップルへの批判とXRPとの「歩み寄ったり、離れたりする関係」を緩和できるかはまだ分かりません。
リップルの技術について端から懐疑的な人は一定数存在しますし、XRPが有名になるにつれ、ますます批判が強まっていることも注目に値します。
批判者の多くは、他のブロックチェーン(ビットコインやイーサリアムなど)の支持者であり、分散化を別の方法で実現しようと考えています。
(中にはリップルの技術が、現在のグローバルファイナンス・テクノロジーの代案として「全く役に立たない」とまで論じる人もいます。)
しかしThomas氏は、これらの否定的な評価に全く動じていません。
彼によると、技術の本質が市場ニーズに応じ、自身を改良することができるため、それらの批判は的を外れている、とのことです。
CoinDeskに対し、Thomas氏は以下のように述べています。
「批判者は常にワンテンポ遅れています。私がリップルを立ち上げたとき、あらゆることが上手くいきませんでした。オープンソースではなかった上にバリデータもありませんでした。しかし時間の経過と共に成長することで、それら全てを成し遂げることができたのです。」
このようにしてThomas氏は、新たなペーパーをリップルが市場ニーズに応えている一例であると考えています(SWIFTの代案提供であれ、仮想通貨が安全であることの保証であれ)。
Thomas氏によると、次の課題は検証に関する中央集権化の抑制であり、リップルがいずれビットコインよりも「はるかに分散化」することまで主張しました。
Ripple Paper Pledges New Support for $40 Billion XRP
Feb. 21, 2018 by Alyssa Hertig
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