- Zcash(ZEC)初のアップグレード
- Zcash(ZEC)は、初のアップグレードとなる「Zcash Overwinter」のリリースを発表しました。ユーザーは、ソフトウェアを最新版に更新しておくだけで参加可能で、メインチェーンのアップデートは、2018年6月25日に開始予定です。
- コードネーム:Saplingとは
- Overwinterの次の段階に予定されているアップグレードで、今年後半実装予定です。Zcashの保護された取引に対するパフォーマンスの画期的な向上をもたらし、証明にかかる時間を80%、メモリの使用を98%削減可能なことを示しています。
「ゼロ知識証明」によって高い匿名性を実現する仮想通貨「Zcash(ZEC)」は、2018年3月2日、初めてのネットワークアップグレード(※1:後述)「Zcash Overwinter」をリリースすると発表しました。
今回のハードフォークで、新たな通貨の誕生は予定していません。
Overwinterは、早ければ2018年4月に、Zcashソフトウェア「zcashd」のバージョン1.1.0でサポートされる予定です。
Overwinterのメインチェーンのアップデートは、2018年6月25日に開始される予定です。
Zcashのロードマップ(※2)によれば、Overwinterにより、次のステップである「Sapling」の最初のアップグレードが可能になるとのことです。
Overwinterの目的
開発者によるブロブでの言及によると、Overwinterの目的は、さらなるネットワークアップグレードのためのプロトコール強化であり、2018年後半に予定している「Zcash Sapling」のアップグレードに繋がるものです。
Overwinterのソフトウェアには、「取引の期限切れ、バージョン管理、ネットワークアップグレードのための取引保護、取引きの透明性」の改善などの新機能が含まれます。
Zcashの開発者は、
と明言しています。
2016年10月28日に始まったZcash(ZEC)は 、zk-SNARK(※3) と呼ばれる「ゼロ知識」暗号方式で匿名取引を行うことができる仮想通貨です。
現在、400ドル(42,400円)前後で取り引きされており、CoinMarketCapの仮装通貨ランキングでは24位にランクイン。
時価総額は、約130億ドル(約1兆3780億円)となっています。
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フィンテック、および仮想通貨に関する大手メディア「Cointelegraph」は、2018年2月初旬、
『仮想通貨基金暗号ファンド Grayscale Investmentsが、「全てのオフショア資産の10%を持つ場合、ZECの価格は、2025年までに62,000ドル(約660万円)に到達する可能性がある」と予測する報告書を提出した』
と発表しました。
※1ネットワークアップグレードの歴史
2016.01.20
Zcash project始動(Zerocash/Zerocoin)
日付 | コード名 |
---|---|
2016.10.28 | Zcash リリース |
2016.11.03 | Zcash 1.0.1 |
2016.11.07 | Zcash 1.0.2 |
2016.11.17 | Zcash 1.0.3 |
2016.12.15 | Zcash 1.0.4 |
2017.01.23 | Zcash 1.0.5 |
2017.02.13 | Zcash 1.0.6 |
日付 | コード名 |
---|---|
2017.03.27 | Zcash Spaling リリース |
2017.04.13 | Zcash 1.0.7 |
2017.05.24 | Zcash 1.0.8 |
2017.06.22 | Zcash 1.0.8-1 |
2017.06.24 | Zcash 1.0.9 |
2017.01.23 | Zcash 1.0.10 |
2017.02.13 | Zcash 1.0.10-1 |
2017.08.16 | Zcash 1.0.11 |
2017.09.28 | Zcash 1.0.12 |
2017.11.20 | Zcash 1.0.13 |
2018.01.04 | Zcash 1.0.14 |
2018.03.02 | Zcash 1.0.15 |
参照:Zcash Blog
※2 コードネームOverwinterとは
Overwinterは、2018年6月実装予定のアップグレードです。
将来的に予定しているアップグレードを、Zcash利用者にとってより安全なものとすることを目標にしています。
コードネーム「Sapling」とは
Saplingは、2018年後半実装予定のアップデートで、Zcashの保護された取引に対するパフォーマンスの画期的な向上をもたらします。
BLS12-381曲線の上に新しく構築される「zk-SNARKサーキット」の内側で、効率的にオペレーションを実行する、楕円曲線【Jubjub】を設計。
この概算では、証明にかかる時間を80%、メモリの使用を98%削減可能なことが示されています。
Zcashのシールドアドレスへのモバイル対応を開始するためには、このメモリ使用の削減が重要要件となります。
- 時間と手数料の両面を改善する。
- スマートフォンでのwalletサポートを可能にする。
※3 zk-SNARKsとは
kz:zero knowledgeとは、Zcashに用いられている「ゼロ知識証明」の名称です。
現在は、BN254という曲線が使われており、セキュリティーレベルの理論値は128bitですが、実測値は約110bitに下がっていると推測されています。
万全を期すため、今回のアップグレードで「BLS12-381」という新しい曲線を導入、最新の論文で発表された「より保守的な提案」を使用することで、実測値128bitのセキュリティーレベルを目指すとしています。
BLS12-381は、「安全性、速度、並行性」の3つのゴールにフォーカスした「Rust」というプログラミング言語で書かれ、安全ではない{} コードやアセンブリ最適化を使わない強固なセキュリティを備えています。
より詳しい情報は、コインポストのZcash特集を参考にどうぞ。
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