- ロイター社が投資用ツールを公開
- 投資家がビットコインのこれからの価格トレンドを予測するために、より幅広い見識を与えてくれるビットコイン感情測定ツールを新しく公開しました。
- 情報の拡大
- 近年の仮想通貨価格の急騰を受け、インターネット上にはビットコインを初め、多くの仮想通貨に関する議論や論評を行うコミュニティやサイトが次々に怒涛の勢いで誕生していますが、より役立つ情報をピックアップするのは困難となっています。
メディア大手で、カナダに本社を置くトムソン ロイター社(Thomson Reuters) は、3月12日、投資家がビットコインのこれからの価格トレンドを予測するために、より幅広い見識を与えてくれるビットコイン感情測定ツールを新しく公開しました。
この「感情」データフィードは、数百ものニュースやソーシャルメディアウェブサイト上のビットコインに関する「雑談」を通して市場に内在する「感情」やテーマを追跡調査、分析し、ビットコイン投資家が、より優位な投資判断ができるように助ける投資ツールで、同社が 行動経済学リサーチ企業であるMarketPsych Data LLCと共同で運営する「MarketPsych」(市場心理 )指数の最新版に含まれると発表されました。
感情分析投資ツール
「MarketPsych」は、企業からソブリン債まで数多くのセクターの市場心理をリアルタイムで分析する一連の投資ツールで、「測定できないもの」とされた経済および市場心理を「測定」できるようにと、行動経済学に基づいて開発された言語分析ソフトウェアを使ってインターネット上の情報をリアルタイムで分析しています。
トムソン ロイター社は、ビットコインの価格動向に長年注視してきており、昨年7月にはブロックチェーンの技術革新を支援するためのインキュベーター(起業支援)事業を始めることを発表しましたが、このたびの発表により、同社が仮想通貨トレーダーに特化した製品提供に正式に参入したことになります。
仮想通貨メディアと情報の増加
近年の仮想通貨価格の急騰を受け、インターネット上にはビットコインを初め、多くの仮想通貨に関する議論や論評を行うコミュニティやサイトが次々に怒涛の勢いで誕生し、増え続けています。
そして多くの投資家が、そのようなサイトやコミュニティ内で議論された情報は、他の投資家がビットコインに対してどのような「感情」を抱いているかを知るのに役立つことを知り、また自身のビットコイン価格予想の拠り所にしたりもしているようです。
また、グーグルトレンド(Google Trends)のデータは、「ビットコイン」という言葉の検索数とビットコイン価格は、ほぼ一致する傾向にあると示しており、多くのアナリストが、その相関関係を注視しています。
しかしながら、専門家のフォーラム(掲示板)といった最も役に立つ情報を提供するサイトをインターネット上で見つけるのは容易でない場合も多く、オンライン上のリアルタイムでの感情追跡調査と分析に特化したサービスを求める投資家からの声も多く、それが今回のトムソン ロイター社の新サービス提供へ結びついたようです。
同社のQuant and Feeds(金融分析とフィード)グローバル部門のトップを務めるAustin Burkett氏は、次のように述べました。
「パッシブ運用やクオンツ運用に基づいた取引の増加に伴い、ニュースやソーシャルメディアは、これからますます投資やリスク管理のプロセスを牽引する役割を果たしていくことでしょう。 金融市場がその複雑さを増すにつれ、関連するデータのみでなく、そのデータを管理し分析するのを助けるためのツールを、我が社のお客様に提供する必要性も増していくのだと言えます。」
「欲望」や「恐れ」という感情指標に注目して投資の判断基準にするという手法は、今までも従来の投資分野で使われてきましたが、人工知能(AI)を駆使し、市場心理の傾向分析を行う投資ツールを、投資判断に生かして行くという方法が、仮想通貨を含む投資全般のこれからの効果的な手法の一角を形成して行くのかもしれません。