- ソシャゲメーカーがdApps本格参入
- ソシャゲ銘柄として知られるアクセルマーク社が、「ゲーム×ブロックチェーン」のdAppsへの本格参入を表明し、株価が高騰しています。dApps関連事業が成功を収めた場合、かつてのソシャゲ黎明期同様、関心を示す「大手ゲームメーカー」に対する呼び水になる可能性も考えられます。
- イーサリアム使用のCryptoKittiesが急成長
- 日本での一般知名度こそないものの、海外で台頭した例としては、イーサリアム(ETH)ベースのdAppsとして「CryptoKitties」があり、ゲーム内のマーケットでデジタル資産取引が盛んに行われた結果、150万ユーザーを獲得、ETHの総取引量の内30%を占めるなど大きな反響を呼んでいます。
アクセルマークがdAppsへの参入を表明
3月14日、ソーシャルゲームの開発・運営を行う「アクセルマーク<3624>」が、仮想通貨およびブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用した、オンラインエンターテインメント事業への参入発表を行い、3月15日の株式市場で寄らずのストップ高を付けました。
アクセルマークは、人気漫画が原作のキングダムや幽☆遊☆白書など、有名IPを使用したソーシャルゲームの共同開発・運営などを行なっており、今回はdApps(分散型アプリケーション)領域への本格参入を表明した形になります。
dAppsと市場の成長性
dAppsは、ブロックチェーンの仕組みを利用した未知のゲームアプリです。
dAppsとは
分散型アプリケーション(dApps)は、Decentralized Applicationsの略。
従来のアプリケーションをブロックチェーンベースで構築していく仕組みのこと。
アクセルマーク社が発表した資料によると、
としています。
dAppsは、人気が過熱した際にトランザクションの処理が追い付かなくなるなどスマートコントラクトの実行速度や手数料(gas)問題などのデメリットを抱えており、仮想通貨イーサリアムが必要になるなど参入障壁も比較的高いことから、現時点では一般レベルの普及には至っていないものの、名の知れたゲームメーカーの参入などでこれらの問題が解決されることがあれば、将来性は十分にあると言えるでしょう。
大ヒットしたCryptoKittiesとは
2017年11月にリリースされた、ブロックチェーン技術を使用した猫のゲーム。
ブロックチェーン技術を使用することにより、オープンソースでの透明性の高さや、データ改ざんなどの不正を防げるという特徴があり、デジタルキャットを繁殖(猫に性別がある)させたりして収集し、ゲーム内で「購入・販売・トレード」を行うことが出来ます。
猫たちの見た目は万人受けするようなものではなく、お世辞にも可愛いとは言えない気がしますが、ゲーム内に用意された“Marketplace”では、さながらペットショップのように猫たちが売られており、珍種のレアキャットがブリーダー(コレクター)間で高値で売買されるなどしているようです。
猫の価格は、市場需給で決まる
日本でも有名な「ポケモン」でも見受けられるように、レア度が高くユニークな見た目の猫たちほど希少種として人気を博しており、可愛さを追求するなど、あえて一般ウケを狙いにいかないのは”運営側の策略”の一つなのかもしれません。
2018年11月までの間、CryptoKittiesの運営は、“Gen 0″とされる、親世代の存在しない0世代「CryptoKitty(デジタルキャット)」を15分ごとにリリースするとのことで、期日を過ぎた後に生産終了した猫たちの価値が高まることで、価格が高騰する可能性も考えられます。
このように、単に「新たな育成ゲーム」という概念として捉えているというよりは、ブロックチェーンを使用した新しい遊び方を提供する画期的なゲームとして、
- 革新的な新ゲームに触れることで知的好奇心を満たす
- デジタルキャットの売買により利ざやを稼ぐ
ことを目的として遊んでいるプレイヤーも少なくないのではないでしょうか。
とは言え、交配時の「遺伝子の要素」でデジタルキャットのステータスが変化したり、特定の条件を満たすことで超低確率でレアキャットが生産できるなど、意外と深いゲーム性も人気を支える理由になっているようです。
レアモノの存在
ゲーム内で入手可能な希少個体としては、
- Mewtations(突然変異)
- Fancy Cats(カスタムアート可能)
などが存在しており、公式サイトの説明によると「Fancy Cats」は超希少種だとされています。
ただし、人気の過熱に伴い、イーサリアムネットワークを使用する際にかかる「手数料(gas)」などが嵩むようなので、コスト管理に関して注意が必要です。
CryptoKittiesの収益モデル
運営会社は、カナダ・バンクーバーにあるIT企業「Axiom Zen」。
運営・開発費用は、”Gen 0″の収益と、取引手数料の3.75%で賄っているということで、新しいビジネスモデルとしても非常に面白く、興味深いプロダクトと言えそうです。
アクセルマーク社が目指すもの
アクセルマーク社は、サービス向上のための”新しい資金調達の在り方”として、仮想通貨投資家に向けたICO(Initial coin offering)も選択肢の1つとしており、以下のビジョンを掲げています。
プレスリリースによると、2018年春にdAppsメディア:BLOCKCHAINgame.jp(仮)をリリース、2018年春~夏には独自dAppsの提供を行う予定としており、今後の動向が注目されています。
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