- ICOの関心度は依然として高い水準
- LKIコンサル創設者「Laura Kornelija Inamedinova」氏によると、この流行がICOの全体的な質の向上に関係していると考えています。
- 数字の先をみること
- Cashaa創設者Kumar Gaurav氏は、多数のプロジェクトによって実施されているクラウドファンディングの先を見据えるべきと考えています。
市場の暴落とICOの現状
2018年第1四半期は、ブロックチェーンおよび仮想通貨にとって、劇的なシーズンとなりました。
ビットコインやアルトコインの価格は連日のように目減りしていき、大半のトークンがICO価格を下回っているのが現状です。
ICOに関しては、クラウドファンディングベンチャーにより、2月末の時点で3ヶ月連続で10億ドル(約1064億円)を拠出しました。
2018年に調達された数十億ドル(数千億円)のうち、7.88億ドル(約838億円)は米国、2.65億ドル(約282億円)は中国、そして2.49億ドル(約265億円)はリトアニアにに拠点を置くプロジェクトによるものです。
ヨーロッパにおけるクラウドセール中核地域である4位のスイスは、2.49億ドル(約265億円)稼ぎました。
上記の数字は、これらの資金調達方法に合理的な幅があることを示しており、安定したエコシステムを表しています。
現在の仮想通貨エコシステムは、政治や規制問題に直面しているにもかかわらず、依然としてICO市場は上昇傾向を見せています。
ただし、ICO業界の背景にある基本指針や持続性については、いくつかの疑問も生じています。
ICO全体の品質について
LKIコンサルティング創設者「Laura Kornelija Inamedinova」氏は、ICOの流行がICO全体の質の向上に関係していると考えています。
同氏は、約6ヶ月前の”誰でもICOを発表できた状況”を引き合いに出しました。
その頃は、魅力的なアイデアと技術的思考、ビジネスおよびデジタルイノベーション能力さえあれば、中堅レベルのプロジェクトとみなされました。
Inamedinova氏は、これらの側面が、好結果を出したICOにとって最も重要な点であると説明しました。
そのため、ハイクオリティーかつ発達したプロジェクト数の増加は、投資家の信頼の高まりに寄与します。
ICO市場が急拡大したことで、資金調達額では軒並み素晴らしい数字を記録しましたが、提示した目標を達成することができなかったプロジェクトもたくさん存在します。
Inamedinova氏は、プロジェクト成功の主要因について、「知識とコミュニケーション」であると考えています。
同氏は、以下のように述べています。
「成功するICOには、ビジネスおよび科学技術に優れた知識をもったチームが間違いなく必要です。他方では、コミュニケーションについては、やや過小評価されていますが、それは特定の業界を理解することと同じぐらい重要です。」
「優れたコミュニケーション戦略は、プロジェクト最大の特徴を表すことに役立ち、オリジナルキャンペーンを通してより多くの人を引きつけることができます。」
「また、チームメンバーと投資家間のコミュニケーションから、ICOの信頼度についてもある程度わかります。成功しないものは漠然としていたり、対応が未熟であったりする傾向が散見されます。」
ICO発表に関する最初の波は、2017年夏頃に起こりました。
これらのプロジェクトの最初の結果は、資金調達プロセスの1〜2年後に明らかになるでしょう。
つまり、この記事の執筆時点から、さらに6〜8ヶ月後です。
大半のプロジェクトが失敗したとしても驚きはありませんが、興味をもった人々は新たなプロジェクトを設立することを断念せずに改良を続けることでしょう。
安全性と利便性に優れたブロックチェーン技術”は、最終的にICOだけでなく、スタートアップ企業や公共部門まで、幅広く使われるようになるでしょう。
数字の先にあるもの
Cashaa創設者「Kumar Gaurav」氏は、多くのプロジェクトで実施されている”クラウドファンディング”の先を見据えるべきだと考えています。
Gaurav氏の会社は、コンプライアンスなどの理由によりICOで調達した、3300万ドル(約35億円)のうち1400万ドル(約15億円)を償却しており、クラウドファンディングの実態に関して、多くの不規則性があることを示しています。
1つ目の問題
Gaurav氏が示した一つの問題は、エコシステム内での投資家による投資リサイクルがあり、本質的な価値以上にICO業界を膨張させている傾向があることです。
多くの投資者は、古いトークンを売却して新しいトークンを購入する流れを繰り返しており、利確しながら次に移っています。
これは、競争の激しい市場が数多くのプロジェクトで埋め尽くされているからこそ可能なサイクルです。
競争原理は”高いボーナス”の保証につながり、価値が下がっているように見えても、膨張したボーナスが投資者の利益を支える形になっています。
問題は、そのようなシステムがいつまで持続するかです。
2つ目の問題
Gaurav氏が示した2つ目の問題点は、ICOが技術面や特定の企業の支持ではなく、自社の利益にのみ関心があり、業界外から多数の投機家を引きつけていることです。
さらに、興味を持ち学び始めたばかりの初心者は、不安定な市場を恐れ、簡単に売り払ってしまいます。
この状況は、ICOを調達した企業にとって、長期的な問題になるかもしれません。
なぜなら、そのような企業は、ビットコインやイーサリアム、自社トークンの価格が上がることに頼っているからです。
複雑な仕組み
上記の説明は、ICO投資者の多くが短期的な売買を繰り返す、いわゆる投機家に過ぎないことを示しています。
この状況は、プロジェクトビルダーおよび開発者にとって、計画や目標を効果的に実装することを困難にするため、あまり望ましい状況ではありません。
Gaurav氏によると、ICOで調達した資金を高く保つには、ブロックチェーン業界からきた長期的なICO投資家だけでは足りず、これらの”難しい人々”からの資金も必要です。
ここで、”ICOにおける成功の可否”を決めるにあたり、「どの基準が適用されるか」が問題になります。
伝統的な資金調達法と比較したクラウドファンディングの過程に集められた資金量により、ICOにおける成功の可否を決めることが一般的になってきました。
しかし、ハードキャップ(ICOでコインを調達する上限金額)を考慮したとき、大半がその数字の2/3にも満たないのです。
ICO失敗と見られないため、企業は意図的にハードキャップ目標を下げ始めました。
成功したICOを見極めるためには、1年後にその企業がどうなったかを見る必要があります。
Gaurav氏は、以下のように言及しています。
「すでに、2017年のICOの半分近くは、十分な資金を集めることができず消滅しています。」
長期的な見方を持つこと
インパクトのある数字に惑わされず、企業のプロダクト構築やコミュニティへの関与などの長期的な活躍を見守ることで、ICOにおける成功の可否を慎重に判断する必要があると言えるでしょう。
判断基準の一つは、会社およびプロダクトが存在した期間を確認することです。
特に、対象企業が一年未満しか存在していない場合、
- コアメンバーの知名度
- 業界への長期的な関与
- 過去の成功実績
が、より重要になります。
上記に示したICOエコシステムの問題は、全て新たなイノベーションの発生段階において、ごく当たり前のことであると考えることもできます。
しかし、今後誇大広告が消滅したあと、2種類の資金調達方法がそれぞれ長所と短所を持つことから、業界がより安定し、ICOによって集められる資金量が伝統的な方法に近づくことになるかもしれません。
Here’s Why ICOs Are Turning out Impressive Figures Despite Challenges
April 1, 2018 by Iyke Aru
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