はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

「リップル vs SWIFT」世代交代のジレンマは克服できるのか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

RippleとSWIFT
Ripple(リップル)における「xCurrent、xRapid、xVia」といった優れたプロダクトの導入が実現すれば、海外送金や銀行間決済における旧来のシステム「SWIFT」を遥かに凌駕するメリットを提供できます。
世代交代できるのか
しかし、国際的な金融市場で長い歴史を持つスキームに関する”既得権益問題”もあり、世代交代は一筋縄では行きません。当記事では、どのような問題があるのかを解説しています。

大きく飛躍したリップル

リップルは、仮想通貨における”2017年のMVP”と言っても過言ではありません。

デジタルアセット(XRP)の価格は、約+30,000%を超える桁外れの上昇を記録したからです。

またリップルは、銀行および金融機関と契約・提携することで、大いなる進歩を示しました。

リップルのCEO「Brad Garlinghouse」氏によれば、現在では”週に1行”というハイペースで新規契約が行われています。

さらに、RippleNetの有名な顔ぶれとしては、MoneyGram、American Express、Western Union、Standard Chartered、Santander、Unicredit、MUFG、そしてBBVAなどが含まれています。

「RIPPLE VS SWIFT」の構図

大手銀行および決済ゲートウェイによる財政搾取から世界を救うミッションを通して、ある意味でリップルはSWIFT(スウィフト)を敵に回したことになるでしょう。

約45年前の設立以来、国際的に銀行間の財政情報の共有を促進してきた旧来のネットワークがSWIFT(スウィフト)です。

スウィフトは、国際振替業界において長い間”寡占状態”にありましたが、リップルの出現と台頭によりその立場が危ぶまれています。

リップルは、スウィフトに対していくつかの利点を有しており、それらはリップルの決済ソリューションのテストを始めた金融機関の数にも反映されています。

リップルは、「xVia、xRapid、xCurrent」を含む極めて優秀なプロダクトをもって、スウィフトと世代交代するための準備を整えてきました。

旧来のシステムである、スウィフトに関する取引の遅さは有名です。

たとえば、国境を越えた海外送金や銀行間振替には、一般的に3-5日を要することになり、現在が”情報過多の時代”であることを考慮すると、時代に取り残された信じ難い遅さと言えるでしょう。

銀行間振替にはかなりのコストがかかる上、5%前後に上るエラー率も問題視されています。

その点、リップルによる革命は、取引を処理する時間を「約5日→約4秒にまで大幅短縮する、迅速な決済ネットワーク」を用いて、状況を一変させました。

さらに、リップルネットワークはきわめて安価です。(0.00001リップル:現在の市場価格では0.0000053ドル(約0.000568円))。

見えざる力の方程式

リップルの決済システムが段違いに優れているのは前述した通りでありますが、だとすれば、どの銀行もスウィフトから「RippleNet」へと移行するべきと考えているのでしょうか。

いいえ、現実はそう単純ではありません。スウィフトは単なる決済ネットワークではないからです。

中央集権型システムであるスウィフトには、大手銀行、業界関係者、政府などのいわゆる”既得権益”が深く携わっており、この勢力図に干渉することは、一筋縄ではいかないという現状があります。

2012年、特定のロビイスト(個人または団体が政府の政策に影響を及ぼすことを目的として行う私的な政治活動)がスウィフトに対し、イランのネットワーク利用を禁止するよう圧力をかける運動を始めました。

彼らは、非人道的行為や独裁的リーダーシップを理由にイランに対する非難を繰り広げました。

米国議会の上院もロビイストの要請に合意したことで、スウィフトへの圧力は一層強まる形になりました。

そして2012年3月17日、最終的にはEU(欧州連合)により、複数のイラン銀行がスウィフトから切り離される結末を迎えたのです。

豊富な石油資源を持つ国家に対する「禁止措置」の影響は、想像以上に甚大かつ広範囲に及ぶことになります。

海外送金の経路を絶たれたことで、イランにおける多くの産業はさまざまな危機に直面しましたが、この禁止措置は2016年に解禁され、現在イランの銀行はスウィフトネットワークに再びアクセスすることができるようになりました。

そう、これがスウィフトの政治的意義の一つであり、ある種の政治的圧力と言える部分です。

世界的に影響を及ぼす”権力”は、国内および国際取引を管理するために利用され、万が一裏切り者とみなされた場合、国際振替を禁止されてしまいかねないのです。

お咎めを受けた国の経済は早ければ数ヶ月で疲弊・崩壊し、「再加入を懇願する」選択肢しかなくなってしまうでしょう。

抱えるジレンマ

しかし、この中央機関の”力”は、中央チャネルではなくノードに頼るリップルネットワークによって脅かされ始めています。

リップルネットワークの導入が叶えば、ユーザーに対する利点が計り知れないのは明らかですが、同時に銀行や政府から”権力”を剥奪するリスクを伴う可能性も指摘されています。

これが現在、リップルが直面している難問の一つです。

ネットワークを利用するために必要な銀行こそが、ライバルであるSWIFT(スウィフト)を管理している機関そのものでもあるわけです。

それでも銀行は、国際送金および政治的資産を譲渡してでも、ブロックチェーンを利用した「RippleNet」にスムーズに移行するのでしょうか。

それともRippleNetは、銀行が管理する新たな中央集権型ブロックチェーンネットワークに置き換えられてしまうのでしょうか。

どのような未来が待ち受けているかは、時が経てばハッキリするはずです。

CoinPostの関連記事

リップル社プロダクト(RippleNet、xCurrent、xRapid、xVia)の違いと採用企業まとめ
リップル社のプロダクト(RippleNet、xCurrent、xRapid、xVia)と採用企業をまとめました。Rippleのプロダクトのうち、XRPが利用されるのはxRapidです。提携企業がどのプロダクトを採用するかに注意が必要です。

Ripple vs. the Establishment: What Many Don’t Know

April 4, 2018 by Steve Kaaru

参考記事はこちらから
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/25 月曜日
10:26
米テッド・クルーズ上院議員、「テキサス州をビットコインとイノベーションの中心地に」
米テッド・クルーズ上院議員が、テキサス州をビットコインの中心地にする意向を表明。自身もマイニングマシンを購入し採掘を始めている。
11/24 日曜日
13:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ ソラナやビットコイン史上最高値更新、XRP高騰など
今週の仮想通貨市場の動向を解説。ビットコインやイーサリアム、ソラナ、XRPの最新ニュースを網羅。価格上昇要因やSECの動き、ETFの審査進展、ミームコインBONKの急騰背景をまとめた。
11:30
ビットコイン10万ドル突破で上値伸ばす可能性も、指標後の調整リスクに注意|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが、10万ドルに迫る勢いで高騰するビットコイン(BTC)相場を分析。相場が一層上値を伸ばしている可能性は十分に考えられるが、指標を切っ掛けに調整に入る展開にも注意が必要か。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|ゲンスラーSEC委員長退任に高い関心
今週は、イーロン・マスク氏に対するドージコイン訴訟の取り下げ、国民民主党の玉木代表による仮想通貨減税要望、米SECゲーリー・ゲンスラー委員長の退任確定に関するニュースが最も関心を集めた。
11/23 土曜日
11:30
XRP・SOLOなど高騰、トランプ新政権でリップル技術採用への期待高まる
米SECのゲンスラー委員長が2025年1月に退任することが発表され、過去4年間の厳格な仮想通貨規制からの転換期待からXRPの価格が高騰している。
10:50
米仮想通貨業界団体、トランプ新政権に5つの優先事項を提案
米ブロックチェーン協会が次期トランプ政権に仮想通貨の取り組みにおける優先事項を提案した。SEC新体制など5つの項目を掲げている。
10:20
トランプ次期米大統領、仮想通貨支持派のベセント氏を財務長官に起用する方向
ドナルド・トランプ次期米大統領が、親仮想通貨のヘッジファンド経営者のスコット・ベセント氏を財務長官に起用する方向で最終調整に入っていることが、ブルームバーグなど複数のメディアの23日の報道で明らかになった。
08:40
独保険最大手アリアンツ、マイクロストラテジー転換社債の25%取得
ドイツ最大の保険会社アリアンツが、米マイクロストラテジーが発行した26億ドル規模の2031年満期転換社債の約25%を取得した。ビットコインを間接的に保有することになった。
07:55
L1アルトコイン、米大統領選後に価格が急上昇
仮想通貨を分析するCryptoQuantは、L1アルトコインの価格が米大統領選後に上昇していると報告。この価格上昇は、現物取引の出来高を伴っていると指摘している。
06:45
米マラソン、転換社債販売で1500億円を調達 5771BTCのビットコインを取得
ビットコインをさらに買い増し 米マイニング大手のMARA Holdings(マラソン)は23日、2030年満期のゼロクーポン転換社債10億ドル(1500億円)の発行を完了し、そ…
11/22 金曜日
20:30
XRPのETF承認はどうなる?市場価格への影響を分析
トランプ次期政権下でのXRP現物ETF承認の可能性を詳しく解説。SEC委員長交代や規制緩和への期待、市場への影響を専門家の見解とともに分析。ビットコイン、イーサリアムに続く承認タイミングと価格への影響を予測します。2025年のXRP市場展望を徹底解説。
15:00
仮想通貨XDC(XDC Network)の買い方と将来性は?
ハイブリッド型ブロックチェーンを採用する仮想通貨XDCの特徴や将来性を解説。SBIとの提携や買い方、リスクについても詳しく紹介します。
13:50
米SEC敗訴、連邦地裁がディーラー規則は無効と判断 「仮想通貨業界全体にとっての勝利」
米連邦地裁がSECのディーラー規則を無効と判断し、SECの敗訴が確定した。原告の米ブロックチェーン協会CEOは、この判決は仮想通貨業界全体の勝利であると表現。ディーラー規則は分散型金融に重大な影響を与える可能性が危惧されていた。
13:10
トレードの機会損失を最小限に、メタマスクがイーサリアムガス代込みスワップを新たに導入
仮想通貨イーサリアムの主要ウォレットMetaMaskは新機能「Gas Station」の導入を発表した。ガス代不足によってスワップが中断されることを防ぐものである。
11:26
チャールズ・シュワブ次期CEO、規制緩和で仮想通貨現物取引への参入示唆
米大手ブローカー、チャールズ・シュワブの次期CEOが、規制環境の変化があれば仮想通貨現物取引へ参入すると述べた。トランプ新政権に期待する格好だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧