11/16(土)〜11/22(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
ビットコイン・オンチェーンデータ
BTC取引数
BTC取引数(月次)
アクティブアドレス数
アクティブアドレス数(月次)
BTCマイニングプールの送金先
取引所・その他サービス
bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週、11/16(土)〜11/22(金)の仮想通貨相場の仮想通貨相場週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は前週に引き続き確りとした推移が続き、史上最高値を更新して初めて1500万円台に乗せた。
週明けのBTC円は1400万円周辺で取引を始めると、ポーランドの大統領候補者スワウォミール・メンツェン氏が戦略的準備ビットコイン(SBR)設立に意欲を表明したことで強含むも、9.2万ドル水準がレジスタンスとなり、揉み合う展開となった。
一方19日には、ブラックロックの現物ビットコインETF(IBIT)オプションの取引がナスダックで始まり、相場は上値を試す展開に転じた。さらに、初日の取組で建玉の8割以上がコールオプションだったことが明らかとなると、20日のアジア時間に相場は1500万円を目掛けてさらに上値を伸ばした。
また、21日未明には、第2次トランプ政権が暗号資産(仮想通貨)特命官ポストの設置を検討していると報じられ、相場は東京時間に一段高を演じ、1500万円乗せに成功した。
ただ、この日発表された米新規失業保険申請件数が4年ぶりの低水準に改善したことで、相場は失速。その後も底堅い推移が続いているが、9.9万ドル水準となる1528万円周辺で上値を抑えられている。
今週は「目星い材料に欠ける1週間」と指摘したが、トランプ陣営の親仮想通貨官僚人事計画の発表が続いた。
また、IBITオプションでは年末までに価格が倍になることを予想するコールオプションの取引が盛んとなっており、「マーケットメイカーによるヘッジのIBIT買い→IBIT価格上昇→ETF指定参加者によるBTC買い」の流れが起きていると指摘され、実際にIBITへの資金流入は直近で増加している。
ドル建てでは、21日時点でBTCは大台の10万ドルまであと1千ドル弱の水準まで上昇しており、10万ドル到達も時間の問題かと指摘される。
BTCはテクニカル的に過熱感を伴いつつも、またしても連日史上最高値を更新し青天井となっており、通常であれば10万ドルは心理的節目として意識されそうだが、仮に同水準の上抜けとなればFOMO(取り残される恐怖)で上値を模索する展開となる可能性もあるだろう。
一方、来週は26日にFOMC議事要旨公表、28日には米四半期GDP成長率などの一連の四半期データの発表、さらに29日には10月の米個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控えており、重要な経済指標が目白押しとなっている。
11月7日のFOMCの時点で、パウエルFRB議長は政策が「依然として抑制的である」と発言しており、タカ派的なサプライズは回避できるとみているが、景気の強さやインフレの加速が指標で示される公算はどちらかと言えば高いとみており、週後半の経済指標には要注意だ。
FF金利先物市場では、12月のFOMC会合での追加利下げの織り込みが徐々に後退してきており、米債利回りが足元の保合から上放れとなれば、BTC相場の上値を圧迫するか。
26日までに相場が一層上値を伸ばしている可能性は十分に考えられるが、指標を切っ掛けに調整に入る展開にも注意しておきたい。
関連:おすすめ国内仮想通貨取引所 投資家のクチコミ比較ランキング
関連:ビットバンクプラス公式サイト
前回のレポート:史上最高値を記録したビットコイン、目先は上値の重い展開続くか|bitbankアナリスト寄稿