CoinPostで今最も読まれています

アリババ:ブロックチェーン技術で食品偽装撲滅へむけて試用運転を開始

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

食品経路の透明化
中国のeコマース大手のアリババは、食品偽造が後を絶たない中、消費者の元へ食品が届くまでの経路の透明化を計るブロックチェーンプラットフォームの試験的運用を開始しました。この運用が成功すれば、eコマースマーケットのサプライチェーンの雛形となるかもしれません。

ブロックチェーン技術で農場から食卓までの経路の透明化を計る

中国のEコマース大手のアリババは、食品偽装撲滅を目指し、4月末より、食品供給チェーンのためのブロックチェーンプラットフォームの試験的運用を開始しました

ミシガン州立大学の研究によれば、世界の食品業界は、食品偽装により、毎年400億ドル(約4.4兆円)にものぼる損失を被っており、食品会社の4割が食品偽装を見破るのは難しいと考えている一方、4割弱は、自社の製品を偽装するのは簡単だと思っているというデータもあります。

このような状況の中、ブロックチェーン技術を活用することで、不透明で複雑な食品偽装の問題に取り組んだのが、今回のアリババのプロジェクトなのです。

この試験的運用は、アリババが、昨年、グローバルコンサルティング大手PwC (PricewaterhouseCoopers) のオーストラリア及びニュージーランド拠点と共同開発すると発表した、ブロックチェーンを使った食品の真正性を追跡するプログラムに端を発しています。

オーストラリアからは、国営のオーストラリア郵便(Australia Post)と自然派サプリメント食品大手 Blackmores社、ニュージーランドからは国有のニュージーランド郵便(New Zealand Post)と、乳業大手 Fonterra社が参加する、共同事業体、「食品信頼フレームワーク」(Food Trust Framework)が主体となっており、アリババのアジア最大B2C小売プラットフォーム、T-mall(天猫) を介した上記2社の製品の中国への国際輸送を、ブロックチェーンで追跡するものです。

このプログラムにより、T-mall の顧客は、製品についた固有のQRコードを読み取ることで、その製品の原産地からの移動経路を追跡し、購入した品物が本物かどうかを知ることができるようになります。

しかも、その情報は、ブロックチェーン上にあるため、改ざん不可能で、信頼のおけるものです。

T-mall輸出入部門部長の Alvin Liu氏は、このプログラムについて、次のようにコメントしています。

「サプライチェーンが複雑化する今日、食品偽装は、世界規模の難しい課題ですが、私たちは、消費者と小売業者の両者からの信頼性を向上させるため、サプライチェーン全体の関係者を巻き込み、協調性を持った世界をリードする堅牢なフレームワークを作り上げました。」

中国では、2008年に起きた粉ミルクメラミン混入事件など、死者を出す食品偽装事件が後を絶たないことなどから、消費者の食の安全性への信頼は大変低く、およそ40%の人が自国の食の安全性については「大きな問題」と考えているというデータもあります。(Pew Research Center調査)

食の安全性という面からみると、ブロックチェーン技術は、農場から食卓までのすべての経路を精査に耐えうる記録として残すことができることから、食品製造業者にとっては、偽装原材料などをいち早く検出したり、食品汚染などの事態が判明した場合は、小売業者はその食品出荷すべてを廃棄するのではなく、供給経路をすばやく特定し、限定的に対処することができるようになります。

また、消費者にとっては、手に取った食品が、まさにそのラベルに書かれている通りのものであるという確証がもてるようになり、安心感につながります。

アリババは、この取り組みは、アリババが描く将来の商業インフラ構築のための、重要なステップであり、この試験的運用が成功したあかつきには、アリババグループのEコマースマーケットのサプライチェーンの雛型となる可能性を示唆しています。

さらに、食品関連だけでなく、偽物を検知するという目的で金融機関やテクノロジー会社にもブロックチェーン技術がますます利用されています。

ブロックチェーン技術は、消費者と商品をつなぐ情報のリンクとして、これからの消費者行動も変えていくかもしれません。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/20 土曜日
18:00
TON、Telegramのユーザーに照準 トンコイン奨励金を提供
Telegramのウォレットがサポートするブロックチェーン「TON」の手数料削減と、1,100万TONのインセンティブプログラムを開始。特に500万単位の暗号資産(仮想通貨)TONがTelegramユーザーに報酬として付与される。
16:30
日銀、CBDC戦略の中間報告を公表 想定モデルと5つの課題
日本銀行が公表したCBDC中間整理報告書の主要論点や影響について解説。CBDCの導入方針やデジタル通貨の未来についての展望を探る。
12:30
コスモス基盤のInjective、Web3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能提供
レイヤー1ブロックチェーンInjectiveは、Jamboテクノロジーと提携してWeb3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能を提供すると発表した。
12:00
知らずに損しているかも?取引所選び 3つの注意点
ビットコインなどの投資初心者に大事な暗号資産(仮想通貨)取引所選びと、後悔しがちな代表的な失敗事例3つを解説。手数料、価格、取扱銘柄の違いを比較し、最適な仮想通貨取引所を見極めるポイント、賢い投資戦略と失敗回避のためのチェックリストも提供。
10:30
ソラナWeb3ゲーム「Nyan Heroes」、Epicのストアでトップ30入り
ブロックチェーンゲーム「Nyan Heroes」はEpic Games Storeで最もプレイされたゲームでトップ30以内に入った。今後NFT機能や独自の仮想通貨も導入する予定だ。
09:15
ビットコイン、4度目の半減期完了 報酬が3.125 BTCに
直近の米経済指標(3月の雇用統計やCPI等)が景気の堅調さを改めて示しているため、FRBが利下げを急ぐ必要がなくなりつつあるとの観測が高まってきており、仮想通貨や株のようなリスク資産をさらに押し上げる力は弱まってきたようだ。
08:25
BTCクジラが1900億円相当のビットコイン押し目買い、エヌビディアなど大幅安|金融短観
19日のアジア時間はイスラエルがイランに対して報復攻撃を実施したとのメディア報道が嫌気され日経平均指数や上海総合指数などは大きく下がったが、その後攻撃の規模が限定されており核施設に被害はなかったとの報道を受け米国の株式市場ではこのニュースへの反応は見られなかった。
06:45
Magic Eden、BaseチェーンのNFTに対応へ Open Editionミントも予定
Magic Edenは現在NFTマーケットプレイスのランキングで1位。ビットコイン半減期を背景に需要が高まるビットコインOrdinalsおよびビットコイン上の「Runes」への期待が出来高を押し上げている。
06:15
マイクロストラテジーのセイラー会長、自社株売却で570億円の利益
マイクロストラテジーの株価は仮想通貨ビットコインの3月の高騰に伴い3月27日に1,919ドルまで値上がりした。同株は年初来+71.37%のパフォーマンスを見せた。
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧