- イーサリアムの新しい指数
- 米CMEと英取引所Crypto Facilitiesは、イーサリアムの新たな指標となる「Ether Reference Rate」と、「Ether Real Time Index」の設立を公表しました。CMEで2017年12月に始まったビットコイン先物は、金融機関による仮想通貨市場への参入動機になったとされており、さらなる市場拡大の布石になるか期待されています。
- イーサリアムとは
- 2013年に「ヴィタリック・ブテリン(当時19歳)」らによって開発された。最大の特徴は、ブロックチェーンを使用したアプリ作成プラットフォームとスマートコントラクト。イーサリアムブロックチェーンを利用した「ERC20トークン」には、OmiseGOやQASHなど多数が存在する。
イーサリアムの新しい指標とは
世界有数の規模を誇り、最も多様性のあるデリバティブ商品を提供するアメリカの「CMEグループ」と、イギリスの仮想通貨取引所「Crypto Facilities」は5月14日、イーサリアムの新たな指標として、
- Ether Reference Rate
- Ether Real Time Index
上記2つの設立を公表しました。
Ether Reference Rateは、イーサリアムと米ドルの基準相場価格を示し、イーサリアムの基準価格がロンドン時間午後4時(ロンドンサマータイム時:日本時間 深夜0時)に毎日発表されます。
Ether Real Time Indexでは、リアルタイムで米ドル基準のイーサリアム価格を閲覧することができます。
両指数は、先週イーサリアムの先物商品を発表した「Crypto Facilities」によって算出され、価格指数の算出は、サンフランシスコの取引所である「Kraken」とルクセンブルクの取引所「Bitstamp」のイーサリアム価格を参考に行われます。
CMEでエクイティ商品とオルタナティブ商品の国際責任者を務める「Tim McCourt」氏は、以下のように述べました。
「今回提供を開始する、Ether Reference RateとReal Time Indexは、市場の需要の高まりに応じるために作成されたものだ。」
「価格の透明性を高め、信頼性のある価格指数の提供は、イーサリアムユーザーの発展には欠かせない。」
さらに、Crypto FacilitiesのCEO「Timo Schlaefer」氏も、このように強調しています。
「全仮想通貨の中で第2位の規模を誇るイーサリアムは、2017年に急激な成長・普及を遂げ、スマートコントラクト分野を牽引する代表的なブロックチェーンになった。」
「信頼性のある基準相場価格、リアルタイムでのイーサリアム/米ドルの価格を提供することで、イーサリアムを中心として発展を遂げた”強力なコミュニティ”に貢献できることを光栄に思う。」
CMEグループとCrypto Facilities、業界内の専門家によって組織された「Bitcoin Oversight Committee(ビットコイン監視委員会)」は、基準相場価格の正当性を保つため、その算出方法、理論、基準など、あらゆる側面からの監視を定期的に行うとしています。
イーサリアムの今後
この新たな2つの指針は、CMEの仮想通貨という新興分野への関心の高まりを示唆しています。
シカゴやロンドンでデリバティブと先物市場を構える同社は2017年12月、ビットコインの先物契約も開始しており、メインストリームの金融機関が仮想通貨市場に参入するきっかけを作ったとも言えるでしょう。
この取り組みは、ビットコインの基準相場価格が発表されてから約12ヶ月後に開始されています。
CMEの広報担当は、「私たちは近い将来に向けて、指数や相場基準価格の設立に焦点を当てており、現時点で先物商品を提供する計画はない。」と言及しています。
しかし一方で、イーサリアムの2つの新しい基準は、過去のビットコインの例を見ても、仮想通貨での新たな先物商品の布石となるのではないかとも考えられます。