- HitBTCが日本の規制インフラに着手
- HitBTCが、6月2日に日本居住者向けのサービス停止を発表した翌日、サービス停止に関する詳細を同社ブログにて公開。サービス停止した理由は、日本における子会社の設置と、日本国内サービス再開に向けたライセンス手続きを整えるためであることを発表しました。
- HitBTCとは
- HitBTCはイギリスのロンドンを拠点に構えるHit Techs Limited社によって2014年から運営されている仮想通貨取引所です。ICOを実施して間もない仮想通貨や、時価総額の低い草コインが多数取り扱われており、取引高では世界でトップ10に入る大手取引所です。
HitBTC日本向けサービス停止の経緯と進展
6月2日、HitBTCが日本居住者向けのサービス停止を発表し、同取引所を利用していた日本人投資家の中で大きく話題になりました。
HitBTCが日本の資金決済法に準拠するために、日本居住者向けのサービス停止を行い、日本のIPアドレスからアクセスするユーザーに対し、メールでの通告から14日以内に日本国居住者でないことを証明できない場合、アカウントを通じたサービスが停止されます。
CoinPostの参考記事
以前より、金融庁は大手海外取引所Binanceに対し、資金決済法に基づく警告を行なった経緯があり、他の海外取引所の利用状況にも波及する可能性が投資家に懸念される状況となりました。
この状況の中、HitBTCは6月3日、公式ブログを更新。
今回の日本居住者向けサービスの停止に関して、また今後の日本展開に関しての情報を掲載しました。
サービスの停止は、日本進出のためのため?
HitBTC社が、日本の金融庁の登録の元運営する、子会社の設立に必要な規制インフラに着手していることが判明しました。
HitBTCは同社ブログにて、今年に入ってから、HitBTCは日本における子会社の設置と日本国内でのサービス再開に必要なライセンス手続きを整えるために、世界的に知名度のある日本の法律事務所と提携している旨を明かしました。
同社は、今後積極的に日本の子会社のスタッフを雇用しながら、合併と買収の可能性を探り、今年の第3四半期にて、日本向けの取引所運営を目指している状況にあると言及しています。
また、HitBTCチーム代表が以下のようにコメントしました。
「日本の顧客たちのサポートとロイヤリティに感謝します。
仮想通貨交換業のリーダーとして、業界の成長に貢献することのみならず、大きな責任も果たさねばなりません。
この責任とは、ユーザーたちのセキュリティ確保や高いレベルのサービスを提供することはもちろん、規制へのコンプライアンスも、法律に則った市場の維持にとって、必要不可欠です。
日本金融庁のライセンスがおり次第、(日本居住者向けの)サービスを再開したいと考えています。」
この内容から、日本居住者向けサービス停止は、現状において、金融庁への働きかけと、ライセンス取得に向けての動きとしての策と考えることができます。
今現在、HitBTCは様々な国の規制側に積極的に働きかけており、特にアジアパシフィック地域では、莫大な資産を投入し、当地域での未来の成長にフォーカスしているそうです。
金融庁ライセンス取得は現実的なのか?
現在、金融庁は、仮想通貨交換業者登録事業者に対して、マネロン対策不足の観点から、業務改善命令を6月中に行う方向で検討し始めたと報じられています。
また登録待ちの業者は100企業を超えているとされ、長い間新規登録業者の発表がない状況から、現在の取引所とAMLなどの整備が整わない限り、新たな業者登録許可には至らないという意見が強くなってきています。
実際に、既存の取引所でも審査がかなり厳しくなっていることや、日本の大手企業も申請状態で止まっている状況、また海外プラットフォームとのAMLに関する懸念点など、複数点を考慮すると、海外取引所の登録はかなり困難を極める状況にあると言えるでしょう。
しかし、最近シンガポールの企業によって、日本のライセンス認可がおりている取引所BitTradeを買収され、海外でも日本の交換業者の買収がどのように運営に左右するのかが注目されて、HitBTCも買収について言及しています。
買収に関して、金融庁からの公式見解はまだ発表されていませんが、Krakenなどの件から考察すると、海外のプラットフォームとは完全に分けた運営が強いられることになるのではないでしょうか?
今後の金融庁の動きと、交換業者登録の進展が注目されます。
注意
HitBTCは今回この様なブログを公開していますが、日本国居住者は一時的に利用が制限されるため、資産移動などの処置は取る必要がありますので、ご注意ください。