- Huobi研究所提供業界研究レポート
- 今週も仮想通貨取引所の中でも大手取引所のHuobi社の研究所でリリースされているレポートをCoinPostで日本語に訳し、皆様にお届けいたします。
今回も主に「仮想通貨市場に関する統計」と、「マイニングに関する統計」の2点をピックアップ。
現在話題のHB10インデックス指数のデータなど、仮想通貨投資家必見の内容になっておりますので、この調査レポートを是非仮想通貨投資にお役立て下さい。
1.仮想通貨市場について
仮想通貨マーケット概況
今週の仮想通貨市場は全体的に上昇傾向で、仮想通貨時価総額上位100位のうち下落したのは15通貨にとどまりました。
Coinmarketcapによると6/4時点で、仮想通貨時価総額上位100位の合計時価総額は先週比6.36%増加し、日本円にして約36兆円(3291億4千万ドル)となりました。
現在の仮想通貨時価総額ランキング上位100位以内で、最も上昇した通貨は先週比65%上昇したThetaであり、時価総額ランキングも127位から37位もランクアップし90位となりました。
次に上昇したのは先週比36.89%増加したNXSであり、時価総額ランキングを110位から20位ランクアップさせ、90位となりました。その他、先週比31.12%増加し、時価総額ランキングを16位ランクアップさせたMYB、先週比9.57%増加し、時価総額ランキングを2位ランクアップさせたNXT、MOACなどの3通貨も時価総額100位以内にランクインしました。
また、通貨の価格でも最も増加したのは先週比62.18%の上昇となったThetaであり、最も価格が減少したのは先週比14.46%の下落したTRXとなりました。
6/4時点のBTC価格はドル建てで7682.64ドルと先週比4.83%の上昇となり、ETHはドル建て602.88ドルと先週比3.33%の上昇となりました。
図1.時価総額100位以内の仮想通貨価格の変動率上位下位トップ5
時価総額トップ100位通貨の取引高
6/4時点の時価総額トップ100の24時間における取引高は先週比47.01%の上昇となりました。
21通貨が100%以上取引高を増加させ、中でもMYBの取引高の増加が最も著しく、先週比で1935.12%も取引高を増加させました。次に取引高を増加させたのはThetaで、先週比315.1%の増加となりました。
全体的に取引高は増加したものの、一方で19通貨が取引高を減少させ、そのうちの7通貨が先週比で40%以上もの減少しており、その中でも最も減少したのは先週比70.86%の減少となったPPTとなりました。
図2.仮想通貨時価総額トップ100位の合計時価総額(左)と24時間の取引高(10億ドル単位)
上位10通貨の市場占有率、マーケットシェア
時価総額ランキング上位10通貨における市場占有率、マーケットシェアは比較的安定しており、時価総額トップ上位10通貨の合計時価総額は先週比で6.82%増加させ、約30兆円(2770億7000万ドル)となり、上位10通貨が仮想通貨市場全体の時価総額に占める割合は79.79%と、約8割の市場占有率、マーケットシェアは維持しております。
上位10通貨のうち、4通貨で市場占有率の低下が見られましたが、ビットコイン(BTC9は先週とほとんど変わらずの37.77%の市場占有率を維持しております。
図3.時価総額上位10通貨の市場占有率(マーケットシェア)
図4. 時価総額上位10通貨の市場占有率(マーケットシェア)の先週比比較
HB10インデックス指数
また、Huobiが10通貨で構成して算出しているHB10インデックス指数は19.06%と大幅な上昇を見せました。6/3深夜の時点でHB10インデックス指数は1126.34となっており、先週比19.06%の上昇となりました。今週1週間での最高値は1127.58で、最低値は860.72となっております。
図5.HB10 構成通貨と構成比率
マイニングに関する調査
ハッシュレート
今週、ビットコイン(BTC)のハッシュレートは増加し、イーサリアム(ETH)のハッシュレートは減少しました。
内訳としては、ビットコイン(BTC)ネットワークの平均ハッシュレートは先週比2.23%の上昇となる30.18 となった一方で、イーサリアム(ETH)の平均ハッシュレートは先週比1.52%の減少となる、264.1TH/sとなりました。
図6.ビットコイン(BTC)のハッシュレート変化グラフ
図7.イーサリアム(ETH)ハッシュレートの変化
ディフィカルティ
今週、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)におけるディフィカルティ(マイニングの難易度)は、やや増加しました。
6/3時点のビットコイン(BTC)のディフィカルティは先週比1.77%の上昇となる、3.77Tとなった一方で、イーサリアム(ETH)のディフィカルティは先週比1.69%の減少となる3.203Pとなりました。
図8.ビットコイン(BTC)マイニングディフィカルティ(難易度)
図9.イーサリアム(ETH)マイニングディフィカルティ(難易度)
マイニングプールの市場占有率、マーケットシェア
マイニングプール市場全体におけるBTC.comの市場占有率、マーケットシェアはやや増加となり、Ethermineの市場占有率は比較的先週からほとんど変わらず、安定して推移しております。
5/28から6/4までで、ビットコイン(BTC)のブロックチェーン上でマイニングが行われたブロック数は先週比で0.45%減少し、1112個となり、イーサリアム(ETH)ネットワークで生成されたブロック数も先週比で0.32%の減少となる39414個となりました。
- BTC.comー282個、25.36%、8.69EH/s
- AntPoolー175個、15.74%、5.39EH/s
- SlushPoolー128個、11.51%、3.94EH/s
- BTC.TOPー123個、11.06%、3.79EH/s
- ViaBTCー100個、8.99%、3.08EH/s
ビットコイン(BTC)マイニングプールの市場占有率
(マイニングプール名−ブロック生成数、市場占有率、ハッシュレートの順で記載)
図10.ビットコイン(BTC)マイニングプールの市場占有率(マーケットシェア)
- Ethermineー10556個、26.78%
- f2pool_2ー6565個、16.65%
- SparkPoolー6464個、16.4%
- Nanopoolー5090個、12.91%
- miningpoolhub_1ー3918個、9.94%
イーサリアム(ETH)マイニングプールの市場占有率
(マイニングプール名−ブロック生成数、市場占有率の順で記載)
図11.イーサリアム(ETH) マイニングプールの市場占有率
トランザクション回数やブロックサイズについて
今週、ビットコイン(BTC)のブロックサイズは増加しましたが、ブロック毎の平均トランザクション回数は減少しました。イーサリアム(ETH)のブロックデータサイズと平均トランザクション回数は共に増加となりました。
内訳をみると、ビットコイン(BTC)の平均ブロックサイズは先週比で11.3%の増加し751.3Kbsとなり、ブロック毎の平均トランザクション回数も先週比率で2.47%の減少となる1305回となりました。(blockchain.info参照)
図12.ビットコイン(BTC)のブロックデータサイズ
図13.ビットコイン(BTC)の平均トランザクション回数
イーサリアム(ETH)の平均ブロックデータサイズは先週比率で2.8%の増加となる25555bytesとなり、イーサリアム(ETH)ブロック毎の平均トランザクション回数も先週比率で0.915%の増加となる143.31回となりました。(etherchain参照)
図14:イーサリアム(ETH)平均ブロックデータサイズ
図15:イーサリアム(ETH)の平均トラザクション回数
Huobi研究所について
Huobi研究所は、仮想通貨取引所を運営しているHuobiグループによって2016年4月に設立され、2018年3月に、ブロックチェーン分野における技術開発・業界調査分析・応用研究・コンサルティングを目的としたより高度な組織へ発展を遂げました。
また、経済、金融、AI、法律等様々な分野に精通する人材を多く抱えている他、世界のあらゆるブロックチェーンに関する学術団体や大学、研究施設と提携しており、Huobi研究所の所長を務める袁煜明(Hubery Yuan)氏は、元産業保安研究所の副院長兼TMT(テクノロジー・メディア・通信業界)主席アナリストを務めた人物であり、New Fourtune社から「ベストアナリスト賞」を受賞しております。
また、同研究所はブロックチェーン分野の研究基盤を構築し、業界に対してより明確に根拠のある理論や研究成果を提供する事で、業界及び産業の発展を促進する事を目指しております。 Huobi研究所の理念として、「ブロックチェーンのエコシステムを構築し、より良い未来に貢献する事」を掲げております。
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※注意事項
今回の記事はあくまで、調査レポートを元にCoinPostの考えを述べたもので、仮想通貨の値上がりを保証するものや、投資を奨励するものではございません。仮想通貨への投資の際は、価格変動リスク、信用リスク、流動性のリスク等、リスクを確認した上、ご自身の責任の下で投資を行いましょう。