
SECに2通の質問状を送付
米国のエリザベス・ウォーレン上院議員らは2日、米証券取引委員会(SEC)に宛てて2通の書簡を提出。ドナルド・トランプ大統領による利益相反や、SECの判断に影響を与えた可能性について回答を求めている。
書簡を提出したウォーレン氏は、民主党でも仮想通貨批判の急先鋒として知られる人物だ。
まず、民主党のウォーレン議員とマキシン・ウォーターズ下院議員は、トランプ一族が率いるDeFi(分散型金融)プロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLFI)」に関するすべての記録とSECとの間の通信を提供するよう要請した。
WLFIは、トランプ政権の暗号資産(仮想通貨)業界に対する監督方針に影響を与える可能性のある「利益相反」だとする格好だ。
WLFIの利害がSECの活動にどの程度影響を及ぼしているか、また、こうした利益相反行為が、投資家保護や公正な市場の維持というSECの使命を妨げていないかを判断できるような資料を求めている。
ウォーレン氏らは、WLFIについてのロイター通信の報道を引用した。
トランプ大統領、およびその息子であるドナルド・トランプ・ジュニア氏、エリック・トランプ氏が関わるWLFIは、トークン販売ですでに5億ドル(約730億円)以上を調達しており、トランプ家はこの純収益の75%を受け取る権利を持っているという内容だ。
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また、SECがWLFIへの最大の投資家の一人でありアドバイザーも務めるジャスティン・サン氏への訴訟を一時停止した背景についても説明を求めている。
なお、SECはトランプ政権誕生にともなって新体制になっており、仮想通貨分類について、どのようなトークンが証券にあたるかも含めて見直し作業を行っているところだ。これに伴い、証券性をめぐって仮想通貨企業に対して起こしていた訴訟を一時停止または取り下げしている。
サン氏が率いるトロン財団に対する訴訟は、未登録証券の提供および市場操作があったとして提起されたものだった。
新体制SECの動きを問題視
もう一通の書簡はウォーレン氏が単独でSECに送ったものである。こちらは、SECの監察総監室宛てに、トランプ政権の当局者や、大統領の家族やビジネスパートナーなど関係者が、仮想通貨に関するSECの決定に不当に影響を与えた可能性があるか調査を求める内容だ。
ウォーレン氏は、ドナルド・トランプ大統領の就任以来、SECは大統領のビジネス上の利益に資すると思われる一連の措置を講じてきたと主張している。こうした決定について徹底調査し、利益相反のある役人が関与していなかったかなどを調査するよう求めた。
一連の措置としては、例えば以下の内容を挙げている。
- バイナンス、コインベース、トロン財団など、トランプ大統領の寄付者やビジネスパートナーと関係のある仮想通貨企業に対する訴訟を取り下げたり一時停止したこと
- トランプ大統領も発行している「ミームコイン」の監視を緩和するようなガイダンスを提供したこと
後者については、SECがミームコインの多くは証券とはみなされないと表明したことを指していると考えられる。
なお、トランプ大統領による仮想通貨関連活動をめぐっては、共和党のフレンチ・ヒル議員からも、ステーブルコイン法案を成立させる上で議論の足枷になる可能性などが指摘されていたところだ。