- 12月1日までに仮想通貨取引インフラ構築予定
- 新法案で個人投資家の取引が正式解禁
デジタル預託機関などインフラ構築へ
ロシア最大手の銀行スベルバンク(Sberbank)は、今年12月1日までに暗号資産(仮想通貨)取引のためのインフラを構築する計画である。地元メディアが24日に報じた。
この新インフラの重要な要素となるのは、顧客の持つ仮想通貨に対する所有権を記録し、ブロックチェーン外で行われる取引を追跡するデジタル預託機関(デジタル・デポジトリー)である。
スベルバンクは、入出金や送金に関する顧客の注文を執行するために、仮想通貨のアクティブなウォレットを運用する見込みだ。
ロシア連邦議会下院は21日、「デジタル通貨およびデジタル権利に関する法案」を可決した。仮想通貨取引を政府の監督下に置く包括的な規制法であり、取引所での売買、清算、デジタル預託サービスに至るまで、あらゆる側面を網羅している。
一般投資家(非適格投資家)が、知識テストに合格した上で、仮想通貨市場に参入することを初めて正式に認める内容も盛り込むものだ。一般投資家は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など流動性の最も高い仮想通貨を購入できる見通しである。ただし、単一の仲介業者を通じて年間30万ルーブル(約60万円)までと定められている。
法案は、上院に送付されて審議後、プーチン大統領の署名を経て成立する運びとなる。成立すれば、この法案の主要規定は9月1日より発効する見通しだ。
関連記事:ロシア下院が仮想通貨規制法を可決、9月1日発効見通し
ロシア下院が21日、仮想通貨取引を規制する包括的な法律を可決した。9月1日に主要規定が発効する見通しで、取引所の登録義務化や一般投資家の参入条件などが定められた。
スベルバンクの経営委員会第一副会長であるアレクサンドル・ヴェドヤヒン氏は、この法案に言及し、次のようにコメントした。
仮想通貨のインフラや技術的基盤を構築するためには、預託や会計の手続きから、新たな種類の仲介業者へのライセンス付与に至るまで、まだ多数の細則を策定・採択する必要がある。
スベルバンクは引き続き専門知識を提供し、この作業に積極的に関与していく準備ができている。
仕組債や仮想通貨担保ローンも提供中
スベルバンクは以前より仮想通貨に取り組んできた。2025年より適格投資家向けに、ビットコインやイーサリアムなどに連動した仕組債を提供している。また、仮想通貨を担保とする企業へのローンも試験的に行ってきた。
同行の幹部は今月、「デジタル通貨およびデジタル権利に関する法案」施行後数か月以内に仮想通貨ウォレットを「スベルバンク・オンライン」と投資アプリ「スベル・インベスティツィ」に実装する予定だとも話していた。
スベルバンクは日本で「ロシア貯蓄銀行」とも呼ばれており、ロシアの全銀行資産の約3分の1を占める同国最大の金融機関である。ロシア政府が過半数株式を保有している。
「デジタル通貨およびデジタル権利に関する法案」を受けて、ロシアの大手民間銀行アルファバンクも、仮想通貨の保管・管理に特化したデジタル預託機関を開設する計画だ。
同行は、法案による規制が予定通り9月から施行された場合、リテール向けの仲介サービスを2026年末から2027年初頭にかけて開始できる可能性があるとしていた。
関連記事:ロシア大手銀行アルファバンク、仮想通貨デポジタリーを独自設立へ
ロシア大手銀行アルファバンクが仮想通貨の保管・管理に対応するデジタルデポジタリーの独自設立を計画していることが明らかになった。規制整備後に全サービスを提供する方針で、スベルバンク、VTB銀行、Tバンクも同様の計画を表明している。



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