はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

トランプ関税発表控え緊迫するビットコイン市場、ETF資金流入とマイニング課題の狭間で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+1.8%の1BTC=83,156ドルに。

BTC/USD日足

4月2日に予告される”トランプ関税”の発動を控え、貿易摩擦やインフレ長期化に伴う金融政策への影響などの懸念から、市場では一段とリスク回避姿勢が強まっている。

トランプ大統領は、貿易相手国と同水準に関税を引き上げる「相互関税」の詳細について、米国時間1日夜から2日にかけて明らかにする考えを示しており、他国の反発必至な情勢だ。

各国は対抗措置の準備を進めているとされ、発表内容次第では世界的な貿易摩擦の激化が懸念される。特に中国やEU(欧州)を対象とした自動車や工業製品への高率関税が予想されており、グローバルなサプライチェーンに広範な影響を及ぼす可能性がある。

投資家は、このような相場の不確実性の高まりを受けて、金(ゴールド)などの安全資産への資金シフトを進める動きが顕著となっており、特にボラティリティの高い資産クラスでは売り圧力が増している。

関連:米大手金融機関バンカメ「貿易戦争の資産逃避先では金(ゴールド)が圧倒的優位」

ETFへの資金流入は継続

資産運用会社CoinSharesの週次レポートによれば、先週の上場投資商品(ETP)への資金流入は、過去最大規模の資金流出から一転して2億2,600万ドル(約340億円)の資金流入を記録した。

過去最大規模の資金流出に見舞われた後も、暗号資産ETF(上場投資信託)への資金流入は9営業日連続で続いており、投資家が「積極的だが慎重な姿勢」を維持していることを示している。

ただし、先週金曜日には合計7,400万ドル(約111億円)の小幅な資金流出があった。これは米国のコア個人消費支出(PCE)が予想を上回ったことへの反応とみられ、最近の経済指標が成長鈍化を示唆しているにもかかわらず、FRB(米連邦準備制度理事会)がタカ派姿勢を維持する可能性が高まったことが影響したと分析している。

銘柄別では、ビットコイン(BTC)が1億9,500万ドル(約293億円)の資金流入で最も多く、全体の約86%を占めたが、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)が4週連続・総額17億ドル(約2,550億円)の流出から一転し、先週は総額3,300万ドル(約50億円)の流入を記録した。

主な流入先は以下の通り。

  • イーサリアム(ETH):1,450万ドル(約22億円)
  • ソラナ(SOL):780万ドル(約12億円)
  • XRP:480万ドル(約7億円)
  • Sui(SUI):400万ドル(約6億円)

一方、この報告は3月29日までのデータに基づいており、トランプ政権の関税発表を控えた投資家心理の変化に伴う週明けの金融相場の影響は、次回のレポートで明らかになる見通しだ。

マイナーは強気継続か

ビットコインのマイニング業界が新たな岐路に立っている。

3月末、ネットワークのハッシュレート(計算処理能力)が8億5,000万TH/sの史上最高値を記録し、セキュリティ強化を示す一方で、生産コスト上昇と関税問題という二重の課題に直面している。

Blockchain.comのデータによると、ビットコインのハッシュレートは3月に8億5,000万TH/sを突破。この増加は、マイニング参加者の増加とビットコインへの信頼の高まりを反映している。

しかし、ハッシュレートの急増にもかかわらず、マイニング収益は比例して増加していない。報告によれば、1ビットコインのマイニングコストは2024年初頭から倍増し、現在は87,000ドル(約1,300万円)に達しているという。主な要因は、電力料金の上昇とマイニング専用ハードウェアであるASICの運用コスト高騰だ。

さらに深刻な問題は、マイニング機器の供給に関する地政学的リスクだ。CoinMetricsによると、中国企業Bitmainが製造するASICマイナーは、ビットコインの総ハッシュレートの約59%〜76%を占めている。

2025年初頭に実施された税関管理の厳格化と中国からの輸入品に対する新たな関税により、米国のマイニング企業の一部でBitmain製品の受け取りに遅延が発生している。サウスカロライナ州モーリシャス通信によれば、米国は2018年以来、中国からの輸入マイニング機器に最大27.6%の関税を課しているが、最近の措置はさらなる規制強化の兆候を示している。

こうした環境の中、米国のビットコインマイニング企業Hut 8は、ドナルド・トランプ米大統領の息子であるエリック・トランプ氏およびドナルド・トランプ・ジュニア氏と提携し、American Bitcoin Corp.を設立すると発表。同社は「世界最大かつ最も効率的な純粋なビットコイン採掘事業」を目指すとしている。

このような動きは、厳しい競争環境下でも米国の機関投資家のマイニング産業への関心が高まっていることを示している。

ハッシュレートの上昇がセキュリティ向上というプラスをもたらす一方で、コスト増加と供給リスクという課題に業界がどう対応するかが、今後のビットコイン・エコシステムの発展に大きな影響を与えそうだ。

関連:仮想通貨市場など全面安 命運を左右するトランプ関税発表が4月2日に迫る

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/28 金曜日
06:35
アップビットのハッキング後に一部のソラナ系銘柄で大幅なキムチプレミアム発生、Orcaは50%超の価格乖離
韓国のアップビットで27日にハッキングが発生し入出金が停止された後、ソラナ系トークンで大幅な価格乖離が発生した。オルカは国際価格と比較して51%のプレミアムを記録し、Meteoraも40%のプラス乖離を示している。
05:56
ビットワイズがアバランチETF申請を更新、最大70%のステーキング機能導入へ
ビットワイズが米証券取引委員会に提出したアバランチ現物ETFの申請書類を更新した。ティッカーはBAVAに変更され、保有AVAXの最大70%をステーキングできる仕組みを導入する。
05:40
ソラナミームコインBONKの現物ETP、スイス証券取引所に上場
ソラナミームコインBONKがスイスのSIX証券取引所で取引を開始した。ビットコイン・キャピタルが発行するETPにより、投資家は従来の証券口座を通じてBONKへのエクスポージャーを得られるようになった。
11/27 木曜日
17:20
モブキャストHD、ソラナ財団認定バリデータに選定 ステーキング運用規模を拡大
モブキャストHDがSolana財団の公式バリデータプログラムに採択。累計3億円・約1.1万SOLの取得実績が評価され、将来的には50万SOL規模の運用を目指す。
17:00
韓国大手取引所アップビット、約48億円の不正流出 全額を自社資産で補償へ
韓国最大の仮想通貨取引所アップビットがソラナネットワークで約48億円の不正流出を発表。24銘柄が流出も全額補償へ。ホットウォレットから未承認送金、入出金サービスは一時停止中。
15:07
リップル社のステーブルコイン「RLUSD」、アブダビADGMが正式認定
中東での企業利用が加速へ リップル社は27日、同社の米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」が、アブダビ金融サービス規制庁(FSRA)により「法定通貨参照トークン」として正式…
14:02
Xapo Bank、ビットコイン信用ファンドの提供範囲を拡大
ジブラルタルのXapo Bankがビットコイン建て信用ファンドを全会員に拡大。初期段階で1億ドル調達。2022年の業界崩壊後、厳格なリスク管理で市場回復。長期BTC保有者向けに安定利回りを提供。
14:00
ビットコイン需要の低迷続く 市場は横ばいか=Glassnode分析
Glassnodeが最新市場レポートで、仮想通貨ビットコインの需要低迷を指摘した。新たな資金流入が回復するまで市場は狭いレンジで推移する可能性が高いと分析している。
13:55
タイ当局、サム・アルトマンのワールドコインに120万件の虹彩データ削除を命令
タイ個人情報保護委員会が、生体認証プロジェクトWorldに対し、仮想通貨と引き換えに虹彩スキャンデータを収集した行為が個人情報保護法違反として、120万件のデータ削除と業務停止を命令。世界各国でも同様の規制措置が相次いでいる。
13:35
世界取引所連合が米SECに書簡、仮想通貨企業への免除措置見直しを要請 トークン化株式に懸念
世界取引所連合が米証券取引委員会にトークン化株式を提供する仮想通貨企業への包括的な免除措置の見直しを求める書簡を送付した。ナスダックやCMEグループなどが加盟する同連合は、適切な規制遵守なしに仮想通貨プラットフォームが証券取引所の役割を果たすことへの懸念を表明。
11:10
「BTCが74000ドルまで下落しても転換社債に対する価値は5.9倍」ストラテジー
ストラテジー社は、仮想通貨ビットコインの価格が同社の平均購入価格である74,000ドルまで下落しても、転換社債に対して5.9倍の資産を保有していることになると投稿。債務の安全性を強調した。
10:30
韓国最大級仮想通貨取引所Upbit、ネイバーと合併 約1.5兆円規模の株式交換で傘下に
韓国IT大手ネイバーが仮想通貨取引所Upbit運営のドゥナムを1.5兆円規模で買収。韓国国内シェア7割超のUpbitとネイバーペイを統合し総合デジタル金融エコシステムを構築。2025年6月の合併発効を目指す。
10:15
BTCマイナーのクリーンスパーク決算発表、売上高が過去最高に AIインフラを拡大中
ナスダック上場のビットコインマイナー、クリーンスパークが決算報告。過去最高の売上高を記録した。AIとビットコインの両ワークロード対応の包括的プラットフォームへ進化中だ。
09:55
ソラナ特化型ウペクシが最大35億円調達、SOL財務戦略などに利用
ナスダック上場のウペクシが普通株式とワラントの私募により最大2300万ドルを調達すると発表した。調達資金は仮想通貨ソラナ財務戦略と運転資本に充てられる予定だ。
08:45
セキュリタイズがEU取引決済システム認可を取得、アバランチで展開へ
セキュリタイズがスペイン国家証券市場委員会からEU全域での取引決済システム運営認可を取得した。同社は米国とEUの両方でライセンスを持つ唯一の企業となり、欧州システムはアバランチ上に展開される。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧