
株指数の相関性低下か
仮想通貨ビットコイン(BTC)が最近のS&P500など世界の株式市場との相関性を弱め、独自の動きを見せ始めていることが明らかになった。仮想通貨分析会社サンティメント(Santiment)が3月29日に発表したレポートによると、トランプ大統領による関税やインフレ懸念で株式市場が下落する中、ビットコインは先週0.4%のプラスを記録し、執筆時点で84,300ドル(レポート投稿時)の価格を維持していた。
一方、S&P500指数は先週木曜日から大幅に下落し3月13日に記録した安値水準に近づいた。サンティメントは、株式市場の週間終値後にビットコインが緩やかな反発を見せたことを指摘し、「この乖離は、マクロ経済の逆風にもかかわらず、ビットコインが2022年の弱気相場時ほど株式市場に依存していないことを示唆している」と分析した。

出典:Santiment
サンティメントは、マクロ環境が不確実な時期に仮想通貨が株式から独立した成長を示すことは、特に株式市場が閉じている間に上昇する場合、仮想通貨の長期的価値と実用性に対する信頼の高まりを示す可能性があると指摘。世界市場が安定または回復し始めた場合、ビットコインのような最近の嵐を乗り切った資産は、機関投資家による新たな蓄積の恩恵を受ける絶好の位置にあるとされる。
関連:仮想通貨市場など全面安 命運を左右するトランプ関税発表が4月2日に迫る
クジラは2020年の強気相場と類似のパターンか
興味深いことに、大口投資家(クジラ)の増加傾向も同時に観測されている。Beincryptoが3月30日に引用したサンティメントのデータによると、1,000BTC以上を保有するビットコインのウォレット数は、3月22日の1,980から1,991に増加した。11の増加は一見控えめに見えるが、3ヶ月ぶりに大きく増えている。
ビットコインのクジラを追跡することは、これらの大口保有者がその巨大なポジションにより価格変動に影響を与える力を持つため重要視されている。クジラのアドレス増加は、機関投資家や富裕層の間での信頼の高まりを示すシグナルとなる。より多くのクジラが分配(売却)ではなく蓄積している場合、それは強気なセンチメントと売り圧力の低下を示唆することが多い。
さらに、オンチェーン分析プラットフォームクリプトクァント(Cryptoquant)のアナリストMignolet氏によると、1,000〜10,000BTCの残高を持つクジラウォレットは価格変動との高い相関関係が示されている。「2020年末の強気サイクル中に価格とクジラ(1,000〜10,000BTC)間の相関関係を観察でき、同じパターンが現在のサイクルでも出現している」と述べている。
注目すべきは、市場をリードするクジラがまだ退出の兆候を見せていないことだ。もし退出していれば、下記グラフの赤枠内に兆候が見られるはずだとMignolet氏は説明。強気相場サイクル中、オレンジ色の枠で示される同じパターンが3回繰り返し発生し、各期間は弱気な市場センチメントが特徴だった。しかし、投資家が疑念に満ちている間、これらのクジラは急速に蓄積を行っていた。

出典:Cryptoquant
現在の段階(パターン #3)でも同じ行動が観察されており、市場の大口参加者がビットコインに対して強気な姿勢を維持していることが示唆されている。専門家らは、クジラの行動は多くの場合、一般投資家よりも長期的な見通しを示すため、彼らの継続的な蓄積は将来の価格上昇の前兆である可能性があると指摘している。