- BTC現物ETFが5月15日から13営業日連続で純流出、過去最長に
- セイラー会長「ビットコインへの信頼が失われたわけではない」と主張
BTCが3カ月ぶり安値
ストラテジー創業者のマイケル・セイラー会長は6月4日、「AI関連の投資資金調達が過去6カ月で約4,000億ドルに達する史上最大規模の流れのなか、ビットコイン現物ETFは5月14日以降に約40億ドルの純流出を記録した。これはビットコインへの信頼が失われたわけではなく資本のローテーションであり、ボラティリティは機会を生む」とXに投稿した。
ビットコインは6月1日以降に下落基調が続き、6月4日昼頃には約3カ月ぶりに1,000万円を割り込んだ。記事執筆時点では約63,300ドル前後で推移し、前日比約1.5%安・週次で約13.6%安となっている。
SoSoValueのデータによると、米国のビットコイン現物ETFは5月15日から6月3日まで13営業日連続の純流出を記録し、累計流出額は約43.7億ドルに達した。
直近3営業日の内訳は6月1日が4億8,376万ドル、6月2日が5億1,919万ドル、6月3日が3億9,660万ドルで、ビットコイン現物ETFの総資産額は6月3日時点で828億ドルまで低下している。

出典:SoSoValue
下落の複合的な背景
下落の直接的な契機の一つとして、最大手のストラテジーが6月1日付でSECに提出した8-K書類で、5月26〜31日の間に32BTCのビットコインを売却した事実が市場に波紋を広げた。加えて、米国で審議が進むクラリティー法案の先行きに対する不透明感も払拭されていない。
仮想通貨アナリストの仮想NISHIは、経営破綻したマウントゴックスが一昨日に約1万306BTCのビットコイン(約7.3億ドル)を新たなウォレットへ送金し、その後Bitstamp向けに116.3BTCのビットコイン(約732.7万ドル)を移動したことも下押し要因として挙げ、債権者への返済や売却につながるとの警戒感が市場で強まったと分析した。
さらに、史上最大規模のIPOとなる可能性が指摘されているスペースXの上場観測も、投資資金が仮想通貨市場から株式市場へ向かうとの見方を広げ、相場の重荷となっていた。
関連記事:ビットコイン一時1000万円割れ、マウントゴックス送金で売却警戒強まる|仮想NISHI
ビットコインが約3カ月ぶりに1,000万円割れ。マウントゴックスによる約1万306BTC(約7.3億ドル)の送金が売却懸念を呼び、現物売り主導で下落が加速している。
ストラテジー買戻しと底値観測
スタンダードチャータード銀行のデジタル資産調査グローバル責任者ジェフリー・ケンドリック氏は6月4日、ビットコインは底値圏に近いとするクライアント向けノートを発表した。同氏はビットコイン現物ETFの保有が構造的に底堅さを示していること、およびストラテジーによる大規模な買戻し実施への期待を根拠とした。
ケンドリック氏が注目するのは過去の前例だ。ストラテジーが前回ビットコインを売却した2022年12月22日には704BTCのビットコインを税務最適化目的で売却し、わずか2日後に810BTCのビットコインを買い戻している。今回はこれを大きく上回る規模として、約320BTCのビットコイン(10倍)か約3,200BTCのビットコイン(100倍)の買戻しが実行されると予想した。「ストラテジーによる買戻しが確認されれば、底値が形成されたことを示す暫定的なシグナルになる」と述べた。
関連記事:「ビットコインは底打ちの兆候」、ストラテジーのBTC買戻しを予測=スタンダードチャータード分析
スタンダードチャータード銀のアナリストは4日、仮想通貨ビットコインは底値圏に近い水準と分析。現物ETF保有の安定とストラテジーによる大規模買戻しの可能性を根拠に挙げ、年末の目標価格を10万ドルとする。
ただし、このストラテジーの買戻しが実現するかどうかは、優先株STRCの状況に左右される。STRCは額面100ドルを上回る水準で取引される際に時価発行増資(ATM増資)でSTRCを新規発行し、調達資金でビットコインを購入するスキームだ。
しかし現時点でSTRCは95.640ドルと額面比4.36%ディスカウントで推移しており、ATMステータスは「一時停止」となっている。先日セイラー会長のインタビューを行った仮想通貨投資家のThe Wolf Of All Streetsは「額面割れは優先株として通常の動作であり、何かが壊れている証拠ではない」と指摘。

出典:strc.live
STRCは月次で配当率が調整され、額面100ドル付近での取引を促す設計になっているが、この仕組みは「需要に影響を与えうるものの、常に額面での取引を保証するものではない」という。5%程度の割れは投資家がより高い利回りを求め、リスクを値付けし、市場環境に反応した結果であり、「優先株が優先株らしく動いている」にすぎないとしている。
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