- フラッシュローン攻撃の損失割合が2022年の19%から2025年に1%未満へ激減
- 2025年損失の約9割はプロトコル固有の脆弱性悪用に移行
DeFiが防御策を強化
暗号資産(仮想通貨)セキュリティプラットフォームImmunefiは、2020〜2025年のDeFi(分散型金融)エコシステムにおける損失を分析したレポート「エコシステム脆弱性スコアボード」を公表した。
DeFi攻撃による損失額は、2022年の26億2,000万ドル(約4,190億円)から2025年には6億8,030万ドル(約1,090億円)へと74%減少している。一方で、新たなリスクの出現も指摘されている。

出典:Immunefi
特に、フラッシュローン攻撃やリエントランシー攻撃などは、2022年時点ではDeFi攻撃における損失全体の約19%を占めていたが、2025年には1%未満へと激減した。
減少の背景としてImmunefiは、フラッシュローン・オラクルの設計や、リエントランシー攻撃への防御などが強化され機能していることを挙げた。
「フラッシュローン」とは、DeFi特有の機能で、対象資産のトークンについて借り入れと返済の処理を同一のトランザクション内で完了するもの。2020年から2022年頃はこれを悪用した手口が多かった。
クロスチェーンブリッジ関連のハッキングなども、2022年の73%から2025年には3%へと大幅に減少している。Immunefiは、2022年に問題となっていた特定のブリッジ構造は、現在ほぼ廃止または強化されていると指摘した。
レポートによると、現在のDeFiにおける損失の大部分(2025年で89%)を占めているのは、個別のアプリケーション固有の「プロトコル・ロジック」を悪用するものへと移行している。汎用的な攻撃パターンが通用しなくなり、攻撃者は固有の脆弱性を狙う難易度の高い方法を取るようになっている格好だ。
Immunefiのミッチェル・アマドールCEOは、調査した数字からは業界が学習していることが読み取れるとコメントしている。
新たな脅威の出現も
2022年にDeFi攻撃における損失全体の28.7%を占めていた秘密鍵の漏洩は、2025年には8.1%まで減少した。DeFiプロトコルの運営チームにおいて、秘密鍵の管理手法が強化されたことが要因だ。
一方で、ターゲットはDeFiから中央集権型取引所(CEX)へと移っている。例えば、2025年にはBybitがマルチシグ・フィッシング攻撃を受け、大規模な損失が発生している。Immunefiは、業界全体で見ればリスクは解消されたのではなく、大規模なターゲットに集約されたと分析した。
関連記事:AI悪用で深刻化する北朝鮮の金融業界サイバー攻撃、2025年被害額が前年比51%増に=レポート
クラウドストライクの最新レポートで、北朝鮮関連ハッカーが2025年に約20億ドル相当の仮想通貨を金融業界から窃取と判明した。AI活用やIT工作員潜入など手口も巧妙化している。
また、DeFi攻撃では、あるDeFiプロトコルが複数のチェーンで同じコードを使用している場合のマルチチェーン・リスクや、異なるチェーン間で資産や情報を移動させるためのメッセージング・レイヤーが狙われるリスクが新たに台頭しているとも指摘する。
メッセージング・レイヤーが狙われた最近の事例については、Kelp DAOへのハッキングを例に挙げた。
関連記事:北朝鮮、仮想通貨窃取を「国家事業化」か 10年で1兆円超の被害=CertiKレポート
ブロックチェーンセキュリティ企業CertiKは最新レポートで、北朝鮮は近年、仮想通貨ハッキングを国家的な資金調達手段として組織化・産業化していると指摘した。2016年以降、263件の攻撃で約67.5億ドルを窃取。
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