はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

トランプ関税で金融市場混乱もビットコインは注目される存在に 「米国孤立のヘッジ」とする見解も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「好材料」という見方も

トランプ大統領による全世界に対する10%以上の新たな関税政策が市場に動揺を与える中、BitMEXの元CEO アーサー・ヘイズ氏は「これはビットコインにとって好材料だ」との見解を示した。4月3日、トランプ政権は「解放の日」と称し、4月5日から全ての国に対して最低10%の関税を課す大統領令に署名。一部の国にはさらに高い税率が適用される。

関連:ビットコイン一時1200万円割れ、世界同時株安が波及|仮想NISHI

ヘイズ氏は4日のXへの投稿で「私は関税が大好きだ」と述べ、これが中期的にビットコイン(BTC)と金にとって好材料になると強調した。「世界的な不均衡が修正され、その痛みは通貨発行で覆い隠されるだろう。これはBTCにとって良いことだ」と説明している。関税発表の翌日となる4月4日、ナスダック100指数は史上最大の単日下落幅(−962.82ポイント)を記録した。

金相場は5日に3%以上下落し、週初めの上昇分を帳消しにした。米中貿易戦争の激化によって世界的な景気後退懸念が高まる中、投資家らは広範な市場暴落による損失を埋め合わせるために金を売却したと見られている。中国が昨日発表されたトランプ大統領の互恵的関税への報復として、4月10日から全ての米国製品に対して34%の追加関税を課すと発表したことで、世界の株式市場は2日連続で下落。S&P500指数とナスダック総合指数はそれぞれ約5%下落した。

ヘイズ氏はXでの一連の投稿で、ドル安と外国投資家による米国株売却がビットコイン価格にプラスの影響をもたらすと指摘。さらに中国に対する厳しい関税により人民元が弱体化する可能性を示唆し、「65%の実効関税が課されれば、中国はCNYを8.00(為替レート)を超えて弱体化させる対応をとるかもしれない」と述べた。これにより中国の投資家がビットコインのような資産に目を向ける可能性があるという。

出典:ブルームバーグ

また、ヘイズ氏は「FRBの金融緩和が必要だ」と強調し、トランプの関税発表後に2年物米国債利回りが暴落したと指摘。「市場はFRBが近いうちに利下げを行い、場合によっては経済への悪影響に対抗するために量的緩和(QE)を再開する可能性を示唆している」と述べ、投資家に「辛抱強く、機敏に、流動性を保て」と助言した。

しかし、パウエル議長は5日の講演で、米経済について「非常に不確実な見通しに直面している」との認識を示し、インフレ(物価高)や失業率の悪化に対する懸念を表明した。また、トランプ大統領の関税が「一時的なインフレを引き起こす可能性が高く、長期化する可能性もある」と指摘した。

関連:アーサー・ヘイズ氏、ビットコイン年末25万ドル到達の強気予想を維持 米FRBの金融緩和策に期待

「米国孤立」のヘッジ

一方、スタンダード・チャータード銀行のデジタル資産調査部門グローバルヘッド、ジェフリー・ケンドリック氏はビットコイン(BTC)が「米国孤立」のヘッジとして機能する可能性を指摘した。「以前はビットコインが金よりもテクノロジー株のように取引されると主張したが、過去36時間で『米国孤立』のヘッジとしての用途をビットコインの利点リストに追加できると思う」と4日にThe Blockへのメールで述べているという。

ケンドリック氏は昨日の相場について「伝統的金融市場が出血し、巨大テクノロジー企業の株価が急落する中、ビットコインとイーサリアム(ETH)は相対的な強さを示した」と分析。木曜日にアップルやメタなどの大型テック株が約9%下落する中、ビットコインとマイクロソフトは他よりも良好なパフォーマンスを維持していた。「ビットコインは株価上昇時のアップサイドと複数のシナリオでのヘッジという、テクノロジー株の長所を兼ね備えていることを証明している」と述べた。

(木曜日のM7・ビットコイン・イーサリアムの下落幅) 出典:スタンダード・チャータード

ケンドリック氏は「重要な85,000ドル台を再び上回り、週末には、関税発表前の88,500ドルの水準に戻る可能性が高い」との見通しを示した。

関連:トランプ関税政策で米仮想通貨企業はIPO見直しか、専門家が指摘 The Block報道

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/08 火曜日
18:15
ビットコイントレジャリー戦略の魅力と落とし穴──投資家の視点で読み解く
企業がビットコインを財務資産として保有するビットコイントレジャリー戦略が注目される理由と、専門家が指摘するリスクを詳しく解説する。投資制約の回避や効率的なレバレッジ活用のメリットがある一方で、企業がビットコイン利回りのみに頼りすぎることはリスクとなる。
16:41
リミックスポイント、代表取締役の報酬を全額ビットコイン相当で支給へ
リミックスポイントが代表取締役社長の役員報酬を全額BTCに換算して支給すると発表。株価とBTC価格の連動性を活用し株主と経済的価値を共有する。
13:00
仮想通貨投資商品のAUM、過去最高27兆円を記録もビットコイン投資家は慎重姿勢か=CoinShares
CoinSharesは、仮想通貨投資商品のAUMが過去最高の27兆円を記録したと報告。先週は1,520億円が流入し、12週連続で流入超過。ビットコイン・イーサリアム商品が牽引している。
11:44
ビットコイン最高値更新ならず小幅下落、米議会「仮想通貨ウィーク」で重要法案採決へ
ビットコインは前日比-0.67%の117,767ドルで推移。機関投資家の資金流入は12週連続で10億3,000万ドルを記録し、運用資産残高は過去最高の1,880億ドルに達した。米7月14日からは米議会で「仮想通貨ウィーク」が開始され、市場構造法案とGENIUS法案の採決が予定されている。
11:20
トランプミームコイン、トロンネットワークに展開 アンロック予定も
公式トランプミームコインがトロンネットワークに拡大。USD1ステーブルコインとの取引ペアを開始。プロジェクト内部者による売却とトークンアンロックで価格圧迫。
10:40
AI企業コアウィーブ、約1.3兆円でビットコイン採掘大手コア・サイエンティフィックを買収へ
AI特化クラウドプロバイダーのコアウィーブが、仮想通貨マイニング企業コア・サイエンティフィックを買収する計画だ。1.3GWの発電能力を獲得し、AIとHPCワークロードを強化していく。
09:55
「ビットコインが暴落した時は買い増しの好機」金持ち父さん著者キヨサキ、強気姿勢を維持
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏は、仮想通貨ビットコインに対して改めて強気な見方を示した。暴落した時は買い増しの好機だとXに投稿している。
09:35
ジャック・ドーシー、ビットコイン送信対応のオフグリッドメッセージアプリ「Bitchat」を発表
ジャック・ドーシー氏が先週末にビットチャットを開発。Bluetoothメッシュネットワークで完全分散型通信を実現。インターネット不要で検閲耐性を持つ。
08:25
TON財団、UAE「ゴールデンビザ」プログラム否定後にマーケティング担当VPを急募
TON財団がゴールデンビザプログラムをUAE政府に否定された後、マーケティング担当副社長を募集。10万ドルステーキングプログラムは政府の認可を受けていないと判明。
07:40
ソラナ基盤パンプ・ファン、4日後にPUMPトークン上場予定 ライバルのレッツボンクが首位奪取
ソラナ系ミームコイン工場パンプ・ファンが7月12日にPUMPトークンを上場予定。一方、競合のレッツボンクが24時間取引量でパンプ・ファンを初めて上回った。
07:15
米国の仮想通貨現物ETF、次の商品のローンチは秋の初めか
米SECが新たに仮想通貨のETFを承認するのは、秋の初めごろになる可能性があるとの見方が上がった。SECは現在、XRPやドージコインなどの複数の現物ETFの承認判断を延期している。
07:05
米上場Bit Digital、企業資産をビットコインからイーサリアムに転換完了
米上場企業ビット・デジタルが企業資産のイーサリアム完全転換を発表。280BTCを売却し10万ETH超を保有。株価は一時20%急騰し時価総額10億ドルまで拡大。
06:25
売却ではなくアドレス更新か、14年以上動かなかった1兆円相当のビットコイン移動の謎
14年間動かなかった8万BTC超(1兆円相当)が先週末に移動。アーカムや有識者は単純なアドレス更新の可能性を指摘。売却の兆候は確認されていない。
06:00
ストラテジー、42億ドル資金調達発表 3カ月ぶりビットコイン購入見送りも
マイケル・セイラーのストラテジーが優先株発行で42億ドル資金調達を発表。先週は3カ月ぶりに仮想通貨ビットコイン購入を見送り。650億ドル相当のビットコイン保有を維持。
05:35
米政府関連ウォレットが3200万円相当ETHをコインベースに送金、仮想通貨準備金関連か?
米政府関連ウォレットが7月8日に仮想通貨イーサリアムをコインベースに送金。売却ではなく保管目的との見方も。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧