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米下院委員会がCBDC監視反対法案を可決 トランプ大統領令の流れを反映

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

CBDC発行阻止の動き

米国下院金融サービス委員会は3日、「CBDC監視国家反対法(Anti-CBDC Surveillance State Act)」の修正案を賛成27票、反対22票で可決した。

この法案は、共和党のトム・エマー議員(ミネソタ州選出)によって3月に再提出されたもので、「選挙で選ばれていない官僚」による中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を阻止することを目的としている。

CBDCを声高に批判するエマー議員は、CBDCが政府による金融監視のツールとして悪用される可能性があるとして、一貫して強く警告してきた。

CBDCは政府が管理するプログラム可能な通貨だ。現金の持つプライバシー保護抜きで設計された場合、連邦政府に国民の取引を監視し、政治的に不人気な活動を制限する一方的な権限を与える可能性がある。

委員会での採決に先立ち、エマー議員は、3月11日に行われたステーブルコインとCBDCに関する公聴会で、CBDCの概念を鋭く批判。政府が管理するデジタル通貨は個人のプライバシーと金融の自立性に直接的な脅威をもたらすと主張し、次のように述べた。

CBDCは重大なプライバシーリスクをもたらし、根本的にアメリカの価値観の対極にあるものだ。

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法案の内容

CBDC監視国家反対法の主な内容は以下の通り:

  • 連邦準備制度(FRB)が個人に対して直接CBDCを発行することを禁止
  • FRBがアメリカ人の個人金融データを収集する能力を持つ小売銀行となることを阻止
  • FRBが仲介者または第三者を介して、個人にCBDCを間接的に発行することを禁止
  • FRBが、CBDCを金融政策のツールとして使用することを禁止
  • 財務省がFRBに、CBDCの設計、構築、開発、確立、発行に関して指示することを禁止
  • CBDCの発行には議会の承認が必要

なお、FRBのジェローム・パウエル議長は、CBDCの導入について慎重な姿勢を示しており、2025年2月には「私のリーダーシップの下ではデジタルドルを追求するつもりはない」と発言。また、FRBは、議会の承認なしにCBDCを発行する計画はないと繰り返し表明している。

エマー議員は、CBDC監視国家反対法は、プライバシー、個人の主権、自由市場の競争力というアメリカの価値観を反映するもので、デジタル通貨政策が国ではなく、国民の手に委ねられることを保証するものであると主張している。

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法案の経緯

エマー議員は、2022年1月にCBDC禁止法案を最初に提出した。その後、2023年に再提出された法案は同年9月に下院金融サービス委員会で審議され、可決された。

2024年5月には、改良版の「CBDC監視国家反対法」が、第118回議会の下院本会議で216対192の賛成多数で可決された。しかし、民主党が多数を占める上院での審議は保留となり、成立には至っていなかった。

トランプ大統領の大統領令

今年1月24日、大統領に就任したドナルド・トランプ氏は国家的戦略準備金やCBDC禁止に関する大統領令に署名した。この大統領令では、CBDCの設立、発行、推進を行ういかなる措置についても、省庁に禁じている。

この動きが、CBDC反対法案の支持派の追い風となり、エマー議員は今年3月、この法案を第119回議会に再提出。「今こそ、我々はこの大統領令を成文化し、将来の政権がアメリカ人に対してこの技術を武器化できないように、その開発を永久に禁止しなければならない。」と強調した。

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