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ビットコイン開発者 量子コンピュータ対策のハードフォークを提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

量子コンピューター対策を提案

仮想通貨ビットコイン開発者のアグスティン・クルーズ氏が4日、将来の量子コンピューター攻撃から資産を守るための新たな提案を公開した。

「量子耐性アドレス移行プロトコル」と名付けられたこの提案は、古いタイプのビットコイン(BTC)アドレスから新しい安全なアドレスへの資金移動を強制するもので、ビットコイン開発者向けの公式メーリングリストで発表された。このような大きな変更を実施するには、ビットコインのシステム全体を更新する「ハードフォーク」と呼ばれる手順が必要となる。

関連:量子コンピューターvs暗号資産、 ソラナ開発者の新提案を専門家がわかりやすく解説

この提案が採用された場合、一定の期限が設定され、ユーザーはその期限までに自分の資金を新しい安全なウォレット(デジタル財布)に移さなければならなくなる。期限を過ぎても移動させなかった場合、その古いアドレスからの送金ができなくなる仕組みだ。クルーズ氏は「資金の正当な所有者に自身のお金を確実に守る方法を提供する」としてこの提案が必要だと主張している。

この提案が実行されると、ビットコインの総供給量に影響を与える可能性がある。期限後に移動されなかったビットコインは実質的に使えなくなり、流通から消えてしまう。このため、クルーズ氏の提案は賛否両論を巻き起こしている。特に、長期間自分のウォレットにアクセスできない特別な事情を持つユーザーへの配慮を求める声も上がっている。

現在のビットコインは「楕円曲線デジタル署名アルゴリズム」という暗号技術で保護されているが、この技術は十分に発達した量子コンピュータには破られる可能性がある。現時点ではビットコインを盗める量子コンピュータは存在しないものの、今後数年以内により高性能な量子コンピュータが開発され、資金窃取のリスクが現実味を帯びる恐れがある。

この懸念は、マイクロソフトが今年2月に発表した量子コンピュータ向けの新技術「マヨラナ・ワン」により一層高まっている。この新型チップは革新的な物理特性を持ち、量子コンピュータの性能を大幅に向上させる可能性がある。マイクロソフトによれば、この技術により高性能な量子コンピュータの実現が「数十年先」から「数年以内」に早まりうるという。

関連:マイクロソフト、新量子コンピュータチップを発表 仮想通貨でもセキュリティリスクが再燃か

IT専門家のファブリツィオ・ミクッチ氏は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など主要な仮想通貨のほとんどが同じ暗号技術に依存していることを指摘し、高性能な量子コンピュータが開発されればこの技術が破られる可能性があると警告。同氏は仮想通貨業界に対し、「ポスト量子暗号」と呼ばれる新しい安全技術への移行を含む対策を早急に講じるよう呼びかけている。

仮想通貨業界では既に量子コンピュータへの対策議論が活発化している。イーサリアムの創設者ヴィタリック・ブテリン氏は昨年3月、量子コンピュータリスクへの対策として緊急時のシステム更新を提案。ソラナ(SOL)では今年の1月に「Winternitz Vault」という対策技術が導入された。一方、ビットコイン開発者たちは昨年11月の議論で対策の必要性に同意していたが、専門家のベン・シグマン氏によれば、ビットコインの暗号技術を破るには桁違いの高性能な量子コンピュータが必要になるとのことだ。

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