- 大手格付け機関のBTC先物評価
- 世界三大格付け機関のムーディーズ、スタンダード&プアーズ、フィッチレーティングスリミテッドは、CBOEやCMEが提供するBTC先物商品に否定的な考えを持っており、仮想通貨先物商品を取り扱う銀行が、将来的に格下げされる可能性を示唆した。
- 現時点での影響は軽微
- 現時点で、仮想通貨先物商品が与える影響は、軽微であると考えられる一方、さらなる取引量の増加や、新たな仮想通貨デリバティブ商品の台頭などによって、リスクが飛躍的に高まる可能性があると危惧されている。
- 先物とは
- いわゆるデリバティブの一つで、価格や数値が変動する各種有価証券・商品・指数等について、未来の売買についてある価格での取引を保証するもの。
仮想通貨先物商品が格下げ要因に
金融メディアのRisk.netは、世界三大格付け機関のムーディーズ、スタンダード&プアーズ、フィッチレーティングスリミテッドが、認可された取引所であるCMEおよび、CBOEにて提供されているビットコイン先物商品の取引量増加について、懸念を示していることを報告。
仮想通貨先物商品を取り扱う銀行を格下げする可能性を示唆しました。
CCNによると、仮想通貨先物市場の取引量は、2017年12月の取引開始以降、着実に伸びてきており、ビットコイン先物商品は、今年4月に日間総取引高6.7億ドル(約740億円)を記録しています。
この高まる取引量は、新しい資産クラスに合法性をもたらしましたが、格付け機関は、銀行が”不要な信用リスク”を取っているのではないかと懸念しています。
現時点ではまだ規模が小さいものの、格付け機関は、ビットコイン価格のボラティリティによっては、「BTC先物商品」を提供する銀行の信用力の格下げも検討していると語りました。
Fitch Ratingsで非銀行金融機関部門の国際責任者を務めるNathan Flanders氏は、「(格付けの影響は)市場に受け入れてもらえるものではないかも知れないが、モニタリングの重要性は高まる。」と語り、「その重要性がより高まった場合、銀行との意見交換を行う予定だ。」と発言。
さらに、以下のように追加しました。
格付け機関は、一般的に銀行の信用格付けを「A〜F」の6段階で評価し、債務不履行に陥るリスクを測っています。 格下げされた銀行は、今後の資金調達が困難になり、担保要件も増加。顧客に提供できる貸付限度額が限定的になってしまうリスクがあるのです。
最大手格付け機関の見解
ビットコイン先物取引に対するこのような考え方は、フィッチレーティングスリミテッドだけではありません。
最大手格付け機関ムーディーズの運営ディレクターを務めるAna Arsov氏も、「現時点で、その影響力は実際に影響を及ぼすほどリスクが大きくない」と主張する一方で、銀行を格付けする際に、ビットコイン先物商品を取り扱っていることは”信用性においてマイナス要因”になる可能性があると語っています。
銀行が仮想通貨関連で大規模のビジネスを始める場合、信用性においてマイナス要因となり得る。
私たちは、あらゆる資産クラスを考慮している。したがって、”不適切であると考えられるリスク”が高まれば、格下げへの圧力になる。
しかし、現時点では、そのリスクは差し迫ったものではない。
さらに、スタンダード&プアーズにて「国際金融機関格付け」の責任者を務めるThierry Grunspan氏も、リスクは”限定的”だと主張する一方で、その評価には同意しました。
仮想通貨の先物取引は、直接的な影響がある。
その取引量が爆発的に上昇すれば、該当するヘッジファンドの顧客が活発に取引を行なっていることになり、さらなるリスクを被っていることになるからだ。この関係は直接的であると言わざるを得ない。
その影響は現時点では限定的であるものの、今後さらに多くの企業が、仮想通貨デリバティブ商品を公開していくことで、そのリスクは飛躍的に高まる可能性もあります。
先物取引の現状
CBOEもさらなる仮想通貨商品の作成に積極的であり、CMEもイーサリアムの先物商品に向けた布石となり得る活動を開始しています。
さらに、ナスダックも、独自のビットコイン先物商品を開発しているとされており、仮想通貨取引所の開設に関心を見せています。
一部のファンド提供企業も、最初の「ビットコイン上場投資信託」を提供する準備が整ってきていると言え、その公開に伴って、さらに多くの一般購入者がビットコイン先物に参入してくると考えられています。
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