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ビットコイン価格高騰を促した2つの要因と仮想通貨市場のトレンド変化

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場の変化
仮想通貨市場では、ビットコイン価格が反騰して75万円を超え、前日比で6%の高騰となった他、主要アルトコインにも活気が戻り、全面高の状況に。今回は、チャート面の動きと高騰を促した2つの要因について考察・解説している。
SECとは
米証券取引委員会(SEC)は、インサイダー取引や相場操縦など不公正取引に対する「処分権限」を有しており、司法に準じる権限を持った強力な独立機関である。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

昨日からビットコイン価格が反騰して75万円を超え、前日比6%高と急騰したことで、アルトコイン市場にも活気が戻り、全面高の状況となっています。

今回は、チャート面のテクニカル分析と、高騰を促した2つのファンダ要因について解説します。

パラボリックの変化

出典:CryptoWatch

上記は、ビットコインの中・長期チャート(1日,BTC/JPY,bitFlyer)。

パラボリックとは

トレンドが継続しているか、転換するかを計る際に有効なトレンド系テクニカル指標。チャート上の価格帯の下に丸い玉があれば上昇トレンド、価格帯の上に丸い玉があれば下落トレンドとなる。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

パラボリックでみると、7月10日に下落トレンド入りしたことが分かりますが、7月16日に大きな陽線がついて、再びパラボリックが上昇トレンド入りしたことが分かります。

また、7月2日から9日までの前回の上昇トレンドの際に最後の7月9日の時点で、短期移動平均線(チャート画像だとオレンジ色の線)が、中期移動平均線(チャート画像だと水色の線)を上回らずに跳ね返されて、パラボリックが再び下降トレンド入りしていますが、今回は短期移動平均線は中期移動平均線を上回る、いわゆるミニゴールデンクロスとなっており、トレンドの強さを伺うことができます。

前回、パラボリックが上昇トレンド入りし、70万円台付近から100万円台まで上昇した際は、4月12日から5月10日まで約1ヶ月に渡って上昇トレンドが維持されましたが、今回はどこまで上昇トレンドが維持できるか、パラボリックのトレンド継続に注目です。

高騰を支えた2つの要因

チャート転換の要因として挙げれる注目ニュースについて、考察を交えて分析していきます。

米国の動き

1つめは、先週金曜日から大きな動きが観測された、米国の状況です。

昨年末にビットコイン価格暴騰の材料となったCMEとCboeの先物取引に次ぐ、重要材料とされるビットコインETFに動きがあった他、米国会でポジティブな公聴会が18日に予定されるなどしたことで、続落傾向にあった仮想通貨市場全体の動きを緩和させました。

米国の公聴会

米国会下院で行われる金融業務委員会は、“The Future of Money: Digital Currency” (お金の未来:デジタルカレンシー)という名のポジティブなタイトルで行われる予定で、日程は現地時間7月18日、日本時間では7月19日に行われる予定です。

以前行われたSEC、CFTCの公聴会が市場に大きく影響したように、この内容も市場にとって注目すべき内容であり、ポジティブなテーマからプラスのファンダメンタルズ要因として働いた格好となります。

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最注目のビットコインETF

ビットコインETFの可否判断の目安となる日程として、Cboeの申請に対する書簡の内容からSECによる審査判断の日程が浮上しました。早ければ8月上旬(8/10前後)に可否判断が下される可能性があるとされています。また、米国証券取引委員会(SEC)の方でも、公式サイトでETFに関する投資家の意見を募るなど、前向きな動きが観測されています。

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停滞する仮想通貨市場のトレンド転換点となり得る「ビットコインETF」の上場に向け、SEC公式サイトで意見を募っている。申請可否の判断については、8月前半に行われる可能性があると各所で予想されている。

Coinbaseの動き

また、日本進出を表明している米大手取引所Coinbaseでも、大きな動きを見せています。

7月13日に、米大手取引所のCoinbaseは、

  • ADA(エイダコイン)
  • BAT(ベーシック・アテンション・トークン)
  • XLM(ステラ)
  • ZEC(ジーキャッシュ)
  • ZRX(ゼロエックス)

の5通貨を新たに追加する方針を発表。

さらに本日7月17日、米SECとFINRAがCoinbaseの三社への買収を認定、連邦で初の公認仮想通貨取引所となりました。

この影響としての注目点は、買収した3社が、ブローカー・ディーラー、代替取引システム、登録された投資アドバイザーとしての役割を担うことで、「有価証券に該当する仮想通貨(セキュリティ)トークン」の取引提供が合法化されたことになります。

現在、米国で議論されている仮想通貨の有価証券問題ですが、今までは連邦での公認取引所がなかったことから、証券該当による取引の停止、またその影響で流動性の減少が大きく危惧されていました。

したがって、今回の件は大きな進展があったことを意味しており、先述した上場検討通貨だけでなく、今まで上場が否定されていたXRP(リップル)など、証券問題の渦中にある通貨に対しても、光が差し始めたと評価出来るのではないでしょうか。

また、Coinbaseの機関ジェネラルマネージャーAdam White氏は本日、通貨追加と会社の動きについて、CNBCの経済番組Fast Moneyで説明しているので、記載致します。

ビジョンについて

Adam White氏

「単純に、お客様のニーズがあったから、我々は個人及び機関投資家が求めるプロダクトを築くのだ。

通貨の取引高でなく、プロジェクトの実際の応用事例やデベロッパーの目標を下に判断しており、取引所・ウォレット・カストディのサービスにフォーカスすることによって、より多くの資金が市場に入り、価格の回復に繋がるのが長期的ビジョンだ。」

機関投資家の市場への参入について

「機関投資の資金が入ってくるためには、きちんとした規制が必要となる。今日下りたSECからの仮想通貨取引所への初公認と3社の買収認可に加え、Coinbaseのカストディ・Coinbaseプライム・Coinbaseマーケットという3つの機関投資家向けのサービスもその土台を築くためのものである。

我々にとって最も重要なのは、透明性・流動性・コンプライアンスの3点だ。」

世界最大の資産運用会社が参入を検討か

世界最大の資産運用会社であるBlackRock (NYSE:BLK)は、運用資産の約5.4兆ドル(約600兆円)もの資金で、仮想通貨市場への参入を検討していると、海外ニュースサイトが報道。

その運用資産額と運用会社として高い認知度を持つ企業ということもあり、米国の動きがトレンド反転に向けた良い流れを作る中で、ビットコイン価格をさらに後押しした材料となりました。

同社CEOであるLarry Fink氏は、調査チームを結成は認めているものの、顧客からの仮想通貨への需要は大きくはないだろうと語っており、内部の情報提供者と発言の食い違いも見られており、今後の動向からも目が離せません。

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