NFTで実物の所有権と真贋を証明
ポケモンカードや遊戯王OCG(オフィシャルカードゲーム)の専門店として知られる「Vintage Card Japan」は12日、ブロックチェーン技術を活用したオンラインショップ「ヴィンテージカード ジャパンNFTマーケット(仮)」の設立を発表した。
信託機構とブロックチェーンの組み合わせにより、これまで困難だった希少価値の高いトレーディングカードの電子上での取引を促進するねらい。
このNFTマーケットでは、大人気キャラクタートレーディングカードの真正性と所有権を保証するNFTを「販売」する。NFT所有者は、NFTにより所有と真贋を証明することができるだけでなく、現実世界で手に取ることができる実物商品をクレーム(発送リクエスト)可能。
NFTの購入時、出品側が指定した暗号資産(仮想通貨)だけでなく、ユーザーが持っている好きな通貨でも決済できる。
Vintage Card Japanは、発売から15年以上経過したヴィンテージカードの鑑定品を主に取り扱う専門店だ。特に、遊戯王カードの初期~4期やポケモンカードの初期バージョンを中心として、時代を経てもその品質を保った貴重なカードのコレクションを誇る。
新設された「ヴィンテージカード ジャパンNFTマーケット」でも、これらのポケモンカードや遊戯王OCGカードを取り扱う。すべてのカードは、世界的な鑑定機関によってその真正性と品質が保証されており、鑑定の専門家たちが厳選したカードのみを提供。ユーザーは、質の高い商品を安心して購入できる。
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NFT導入のねらい
リアル店舗とオンラインショップの運営実績を持つ同社が、NFTマーケットへの進出を決定した背景には、トレーディングカードゲーム(TCG)市場とどのような相乗効果を期待しているのだろうか?
「トレーディングカードとNFTとの親和性に関しては一見、言葉の上では矛盾した二つに見えますが、双方の弱点を補う事もまた可能であると考えています」と、株式会社YAB(YAMAKOMA ASSET BANK)の代表、山口 雄示氏はコメントしている。具体的なメリットとして、山口氏は以下の点を挙げた。
- カードの物理的な移動時に伴う損傷や紛失のリスクを最小限に抑える
- 盗難品の個体特定が容易になり
- 盗難トラブルの抑制にも寄与する
「今のところ、この取り組みは理論上の概念に過ぎない部分もあるかもしれません。しかし、私たちは、この先に非常に大きな可能性が広がっていると確信しています」と山口氏は締めくくった。
PhygitalXと協業
「ヴィンテージカード ジャパンNFTマーケット(仮)」は、Bacoor.dApps株式会社が手掛けるPhygitalXというプラットフォーム上に設けられた。
PhygitalXは国際特許出願中のブロックチェーン技術を活用し、物理的なアイテムとNFTを結びつけることにより、所有権や二次市場における取引の新しい可能性を追求している。
山口 雄示氏は「2022年に設立したvintage card japanの成功を受けて、当初から考えていたブロックチェーンの活用をさらに推進しようとしていたところ、PhygitalXのサービスに出合い、その可能性を実感した」と言及。
特に、「ほぼすべてのブロックチェーン、すべてのトークンを1クリックで購入可能」という特徴に、次世代のNFTマーケットでの大きな潜在能力を見出し、PhygitalXでの展開を決意したという。
近年、現実資産(RWA)のトークン化、つまり貴金属や他の有形資産の所有権をブロックチェーン上に記録する動きが拡大している。「Phygital」というワードは、物理的な存在(PHYSICAL)とデジタルデータ(DIGITAL)が一体となった新しい商品形態と位置づけられる。