急落したBTCハッシュレート回復せず
ビットコインのマイニングハッシュレートに再び下落していることが確認された。
ハッシュレートデータを掲載するBlockchain.comのデータによれば、仮想通貨BTCの「採掘速度」を示すハッシュレートは、19年10月27日に急落したのち、大きな反発を伴わずに下落後水準を維持した。
同年9月に急落したハッシュレートは、採掘関連での不具合が問題とされていたが、翌日には急落前水準に回復していたが、今回はマイナーによるBTCハッシュレートが実際に低下している可能性がある。
マイナーの直近24時間ハッシュレート分布を確認すると、PoolinやBitmain系のAntpoolとF2poolといった大手マイナーの比率が増加している一方で、他のマイナーハッシュレートが低下。直近の下落要因に繋がっている可能性が見えてきた。(Blockchain.com、btc.comのデータ参照)
直近24時間:btc.com(3日12時時点)
これまでのマイナー推移をbtc.comのデータから参照すると、Poolinのハッシュレートが急増していることが確認できるほか、Bitmain系列も堅調に推移している。
一方、全体シェアから他のマイナーのパーセンテージが低下。表示されるプールは、全体的に主要プールではあるものの、登録外プールを示す「Other」の比率にも縮小傾向が見られるなど、中小マイナーが厳しい状況に置かれている可能性も指摘できる。
直近では、マイニングファームが集中し、Global Mining Shareの50%を占めるとされる中国・四川省では電力コストが低下する豊水期も終了しており、通貨価格の下落も影響して、中小マイナーに煽りがでている可能性も否めない。
また、ビットコインのデフィカルティは、ハッシュレートの上昇水準とともに7回連続でプラス調整されており、採算ラインも総じて上昇している状況も、その理由の一つだ。
次回の調整時期は、ブロック速度を基準として算出した場合、5日後に下方修正される予定。今後のBTC市場の注目ポイントとなりそうだ。マイナー売りが発生する場合、ヘッジポジションが確認される可能性もあり、この点も合わせて確認したい。
今後危険水準になり得る点では、以下の2パターンに注目だ。
- このままハッシュレートの急落が、デフィカルティの調整関係なく継続した場合
- ハッシュレート上昇が続き、ビットコイン価格が下落する反比例現象(乖離)が続いた場合