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NFT取引の注意点と活用事例 主なマーケットプレイスの特徴を解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

NFT取引の注意点

著名アーティストの作品が75億円で落札されるなど、世界中で高額販売の事例が相次ぎ、活況を呈するNFT市場。日本も例外でなく、数々の大企業が参入を表明し、しのぎを削っている状況です。

本記事では、このようなNFTをめぐる現状をみて、「自分もNFTを売買して見たい」「NFTで利益を得たい」と思っている方向けに、そのヒントをお伝えします。

関連:非代替性トークンNFTとは|主な特徴と将来性を解説

目次
  1. NFTとは
  2. どんな種類のNFTがあるの?
  3. どこでNFTを売買できるの?
  4. どのようにNFTを売買するの?
  5. NFT取引の注意点
  6. まとめ

1.NFTとは

NFTとは「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つ暗号資産(仮想通貨)の一種です。Non-Fungible TokenのFungibleとは「代替可能」という意味で、NFTは代替不可能トークンとも呼ばれます。NFTではすべてのトークンは唯一無二で、また分割することができません。

この「唯一無二」という特徴がNFTへの投資をするにあたって極めて重要です。NFTはその特性ゆえに美術品やコレクターズアイテムとの相性が良く、プレミア価格がつくような限定品、希少価値の高いトークンが取引のカギとなります。

2.どんな種類のNFTがあるの?

NFTの取引にあたって重要なのはNFTの需要と供給を見極めることです。NFTの種類によって詳細は異なりますが、数量限定のもの、有名人がプロデュースしたものは値上がりしやすい傾向にあります。

ここでは代表的なNFTの種類についてそれぞれ解説します。

2-1 ブロックチェーンゲーム

NFTの用途として大きな位置を占めるものは、ブロックチェーンゲームのアイテム管理です。昔からゲームにはRMT(リアルマネートレード)が存在し、運営会社の許可・不許可にかかわらず行われていました。MMORPGなど多数のプレイヤーが存在するゲームでは一つ数万円単位で取引が行われることもあり、ブロックチェーンゲームではその需要に正当に応えることができるため注目を集めています。

CryptoKittiesなど、過去には非常に高額の取引が行われたタイトルもあります。また、世界で最も利用者が多いとされている「Axie Infinity(アクシーインフィニティ)」は、2021年8月には取引高総計が11億ドル(約1,200億円)を超えました。望ましい特性を追い求め、投機的な価値を含む一種の資産として今後の取り扱いが注目されます。

2-2 コレクターズアイテム

NFTは純粋にデジタルなものとは限りません。コレクターズアイテムやブランド品など、偽造が問題視されるものの所有権をNFTと紐づけることによって真贋を区別する場合もあります。

【事例】ブロックチェーン×ヴィトン(LVMH) ~高級ブランド真正品証明~ (coinpost.jp)

2021年秋にはケイティ・ペリーなど多くのインフルエンサーが自らのブランドを通じてNFTを販売し、話題になりました。

韓国KPoPアーティストSe7enが新曲をNFTでリリース Symbolチェーン採用か (coinpost.jp)

米著名歌手ケイティ・ペリー、2021年4QにNFT発行へ (coinpost.jp)

2-3 アート

2021年に入ってから複数のNFTアートが高額で落札される事例が散見されるようになり、著名な作家やアーティストたちが次々と参入したこともあり、NFTアート市場は急拡大しています。

ここでは、NFTアートの市場の火付け役となった事例を一部紹介します。

  • Beepleの「Everydays: The First 5000 Days」──著名アーティストBeeple氏による5000枚のデジタルアートを1つにまとめた作品。約75億円で落札されました。
  • Jack Dorsey(Twitter社CEO)による「初ツイート」──Twitter社CEOの自身が行った世界で最初のツイートデータをNFT化し競売に。約3億円で落札されました。
  • せきぐちあいみの「Alternate dimension 幻想絢爛」──VRアーティストのせきぐちあいみ氏による3Dの絵が約1300万円で落札されました。

関連:世界の投資家から注目を集める「NFTアート」とは|基本から購入・出品の方法まで解説

3.どこでNFTを売買できるの?

通常の仮想通貨と同様に、NFTも取引所に類するプラットフォームで取引が行われます。

NFTマーケットプレイスと呼ばれるその場ではブロックチェーンでの所持情報などが公開されており、ユーザーは取引をP2Pで申し込むことになります。取引の場という意味ではNFTマーケットプレイスも仮想通貨取引所も変わりありませんが、一般的な仮想通貨取引所では仮想通貨を取引所のウォレットに預けて取引を行うのに対して、マーケットプレイスではNFTを自分の管理下に置いたまま、P2Pで取引します。

3-1 人気のNFTマーケットプレイス

国内外の代表的なNFTマーケットプレイスを紹介します。

3-1-1 OpenSea

世界最大手のNFTマーケットプレイスで、圧倒的な量のNFTが販売されています。イーサリアム(ETH)のみならず、テゾスやMATICなどのブロックチェーンにも対応しており、様々な有名アーティストに選ばれているプラットフォームです。

3-1-2 Rarible

簡単にNFTを発行できるがゆえに、大量のNFTが発行、流通しているマーケットプレイスがRaribleです。ウォレットを登録することで誰でも難しいツールを使わずにNFTを発行でき、ユーザー数の増加とともに急成長を遂げたプラットフォームです。

3-1-3 nanakusa

出典:nanakusa

日本発のマーケットプレイスで、出品には登録を必要とすることで品質を担保しています。100のアーティストが2021年4月に公認アーティストとして認定されており、デジタルアートや音楽だけでなく、Vtuberのファングッズなども販売されています。

なお、2021年9月に運営企業の株式会社スマートアプリはSBIホールディングス株式会社の連結子会社となり、社名はSBI NFT株式会社に変更されました。

関連:アーティストによるNFT発行・一次販売、二次流通までが可能な日本初マーケットプレイス『nanakusa』とは

関連:SBIがNFT市場進出、nanakusa運営のスマートアプリを子会社化

3-1-4 Coincheck NFT(β版)

仮想通貨取引所で知られるコインチェックが運営しているNFTマーケットプレイスで、コインチェック口座にある仮想通貨を使用してNFTを購入できるなど、仮想通貨取引所とのシナジーが特徴です。現在ベータ版がローンチされており、Cryptospells、The Sandbox、Sorareの3つのブロックチェーンゲームのゲーム内アイテムやNFTトレカを売買できます。

また、通常NFTの取引はブロックチェーン上で行われるため、ネットワーク手数料(ガス代)が発生しますが、Coincheck NFT(β版)ではオフチェーン状態で売買できるためネットワーク手数料は無料。コインチェックで取り扱われているほとんどの通貨で売買でき、イーサリアムとERC20トークン用のウェブウォレット「MetaMask(メタマスク)」から入庫したり対応ウォレットに出庫したりすることも可能です。

ネットワーク手数料が無料で使い勝手も良いため、初心者はまずCoincheck NFT(β版)からNFTの売買を始めることをおすすめします。

4.どうやってNFTを売買するの?

多くの場合、次の手順でNFTを購入することができます。

  1. 仮想通貨取引所でイーサリアムなどの仮想通貨を購入
  2. 購入した仮想通貨をメタマスクなどのウェブウォレットに送金
  3. NFTマーケットプレイスのサイト内でウェブウォレットを接続
  4. サイト内で購入ボタンを押し、決済を完了させる

取引所からウェブウォレットへの送金や、外国語のサイトでの操作、ガス代が低い時期の見極めなど、初心者には難易度が高いかもしれません。

しかし、これらのステップを踏まずとも、NFTを購入できるプラットフォームも存在します。前述のCoincheck NFT(β版)は、コインチェックで口座開設して仮想通貨を保有してさえいればNFTを購入できます。また、GMOグループの「Adam byGMO」β版では、イーサリアム決済のほか、クレジットカードによる日本円決済にも対応しています。

こうしたプラットフォームを利用することでNFT初心者でも容易にNFTを売買することができます。

5.NFTで稼ぐ際の注意点

NFTの売買で中止すべき点を3つ解説します。

5-1 NFTはコピー可能

NFTではすべてのトークンは唯一無二で代替不可能であると説明しましたが、画像データであるためコピーすることは可能です。

そのため、複製品が市場に出回っていることも考えられます。購入する際は、来歴や制作者などの情報をよく見て確認してからにしましょう。

5-2 制作者による詐称も

OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスを利用する際、アカウントは必ずしも実在する人物の情報と紐づいている必要はなく、誰でも匿名でアカウントを作成できます。このように、身分証明が担保されていないプラットフォームも多いため、本物を騙った別人のNFTを購入してしまうリスクも孕んでいます。

購入する際は、注意しましょう。

5-3 規制の対象になり得る

NFTは資金決済法上の暗号資産には該当しないものと解釈されていますが、「NFT」と呼称しさえすれば必ず暗号資産などの金融規制の対象外となるわけではありません。

金融庁の2019年9月3日のパブリックコメント回答によれば、NFTが仮想通貨に該当するかどうかについては、実態に即して個別具体的に判断されるべき、との解釈が示されています。

NFTについては、まだ法規制が追いつていない部分が多く、どのように規制が整備されていていくのか未知数です。

6.まとめ

NFTで利益を得る方法について、どのようなNFTが存在するのか、どこで、どのようにしてNFTを売買できるのかなどについて解説しつつ、そのヒントについても触れました。ここまでの内容をまとめると以下の通りです。

  • プレミア価格がつくような限定品、希少価値の高いトークンが取引のカギ
  • 数量限定のもの、有名人がプロデュースしたものは値上がりしやすい傾向
  • ブロックチェーンゲーム・コレクターズアイテム・アートなど様々な種類のNFTアートがある
  • NFTマーケットプレイスを利用して売買可能
  • おすすめのNFTマーケットプレイスは「Coincheck NFT(β版)」
  • 1)仮想通貨取引所で仮想通貨を購入 2)購入した仮想通貨をメタマスクなどのウェブウォレットに送金 3)NFTマーケットプレイスでウェブウォレットを接続 4)サイト内で購入ボタンを押す の4ステップでNFTを購入可能
  • NFTはコピー可能で、制作者による詐称もあり得る。法整備が追いついていない
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