メタバースはオンラインでの体験をどのように変えるか?|Forkast寄稿

現実味を帯びてきたメタバース

FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグには、メタバースの未来図が見えています。オンラインワールドは現実世界に取って代わるでしょう。しかし、彼の描く未来はすで現実になりはじめていると考える人もいます。

マーク・ザッカーバーグ氏は、メタバースについてすでに何年も考えていました。彼は中学生の頃から、メタバースの世界観を想像していました。まだFacebookがソーシャルメディアとして、人々のコミュニケーションの仕方を画期的に変える何年も前のことです。それから何十年もたった今、技術が進歩し、メタバースの実現が現実味を帯びてきました。

Facebookらが実現を目指すメタバースとは

Facebookはメタバースを模索中です。テクノロジーの進化は、このコンセプトにとって追い風となっています。そして、ブロックチェーンをどう取り込むかを思案しています。

メタバースは、エンタメ業界で人気です。小説原作の映画「レディ・プレイヤー1」などが例に挙げられます。この映画は、ティーンエイジャーがゲームの中で繰り広げる、大掛かりなアドベンチャーをモチーフにしています。他にも「Second Life」では、プレーヤーが自分自身のバーチャルアバターを使って、オンラインの世界で他の人々と交流をもつことができます。

しかし、ザッカーバーグが考えているのはそのようなエンターテインメントではありません。人々は、多くの時間をデジタル上で過ごしています。ただし、その体験はスクリーン上、つまり2次元の世界での体験に過ぎません。

マーク・ザッカーバーグをはじめとする多くの人々は、テクノロジーと人々との摩擦を避けた、次世代へのメタバースを目指しています。

メタバースとブロックチェーンの相性

メタバースの厳密な定義はまだ定められていません。幅広いコンセプトをもったバーチャルインタラクティブワールドと呼べるでしょう。

コーリー・コットレル氏が創設した「Uplift」は、ブロックチェーンを活用したメタバースです。「Uplift」は、そのベースとなったゲームMinecraftに似ています。プレーヤーはゲームの中で資源を発掘し、それを材料に建物やランドマークを建設します。そして、その中で他のプレーヤーとコミュニケーションを楽しむのです。

EnjinCraftなどのMinecraft用プラグインと同様に、UpliftではプレイヤーはNFTをつかって、土地を買うことができます。そしてゲーム専用のトークン、Upliftiumを使って報酬を得ることができます。自分の所有している土地に人々が訪れたり、あるいは他の人の土地で時間を過ごすことで、トークンを得ることができます。

空中都市もあれば、お城もあります。(中略)ザッカーバーグ氏の言った通りです。私達はすでに作り上げているのです。ただ語っているだけではないのです。

爆発的人気の理由

ブロックチェーンとNFTを取り入れ、UpliftはPlay-to-Earn、プレイして稼ぐという特徴があり、メタバースのコンセプトを拡大させています。ローンチされてたった4ヶ月ですが、そのプロジェクトはすでに2.5億円相当($250万)のNFTがゲーム上で使われました。

Upliftの成功によって、他のブロックチェーンを使ったゲームも人気を呼んでいます。

たとえば、 Axie Infinityは、そのトークンの価値が800%も上がりました。このコミュニティーのプレーヤたち、中でもフィリピンでの人気は爆発的で、仕事を辞めてその代わりに、ゲームで生計を立てているプレーヤーもいます。

BraveのBasic Attention Tokenにも似たような現象が起きています。ユーザーはBraveの広告を見る事によって報酬がもらえるのです。これらの新しいPlay-to-Earnモデルは、ユーザーがシステムの中に入りこむことができます。ブロックチェーンによって、ユーザーがシステムの中で何かに参加したり、注目したりすることによって価値が生まれるのです。

これは従来の広告スペースを、エンドユーザーに売って稼ぐのとは正反対になります。

メタバースはすでに始まっている

メタベースをどう定義づけるかにもよりますが、人間はすでにメタバースの中に住んでいるともいえます。Animoca Brandsの創業者、取締役であり、Axie Infinityの開発チームのリードインベスターとして参加していたヤット・シウ氏はこう語ります。

人々が何か決断を下すとき、現実世界よりもバーチャルワールドを基準に決めるようになってきています。 現実世界よりも、バーチャルワールドで自分が人にどう見られているかのほうが重要だと考える人も多いのではないでしょうか。

だとしたら、メタバースはすでに始まっていると言えます。

少し前まで、オンラインデートはあまり信用できない出会いの場でした。しかし現在では、オンラインデートがきっかけで付き合い出したカップルは沢山います。

同様に、仕事やプライベートでも、SNS上で自分をどうアピールするかということがとても重要になってきています。とりわけ、新しいテクノロジーに敏感な若い世代にとって、SNSのパワーはかなり大きいでしょう。

メタバースが抱える課題

Animocaは、Axie Infinityなどのメタバース型のブロックチェーンベースゲームに投資しています。他のPlay-to-earnゲームへの投資家と同じように、シウ氏もFacebookなどが行っている、中央集権的な資金調達モデルに疑問を持っています。

スウ氏はこう指摘します。

Facebookは、自分たちがすでにメタバースのような存在だということを、分かっています。ただし、私が思うに彼らはメタバース王国です。彼らが王様であり、ユーザーをデジタル奴隷扱いしています。

メタバースは世界最大のソーシャルメディア、Facebookが発明したブロックチェーンを使ったアプリケーションとはならないでしょう。

仮想通貨Diem(旧称Libra)は、Facebookユーザー向けに、プラットフォーム上での決済システムとして設計されました。しかし、政府との対立で開発が遅れました。スウ氏はこう指摘します。

Facebookは大企業なので、世間からの注目を集めています。なので、なにか新しいことを始めようとすると、批判や厳しい規制の的になるのでしょう。

営利目的のメタバーズと並行して、公的資金によてメタバーズを運営し、デジタル版のタウンスクウェアを提供する必要性があると、ザッカーバーグ氏は考えています。

彼はソーシャルメディアのコンセプトをこう説明します。

健全なコミュニティと、健全な社交場を持つことは重要なことです。そしてこのスペースは、秩序のある仕組みで作られ、管理され、利益を生み出すことを目的としません。

テクニカル的にはプライベートですが、公益のために活動し、営利目的なく運用されます。

その一方で、ユーザーはメタバースのリスクにも注意する必要がある、とコーリー氏は警鐘も鳴らしています。

長時間メタバースに滞在することは、精神的によくありません。我々のチームは、特定の時間にUpliftを一時的にシャットダウンすることを検討しています。これにより、ゲームプレーヤーは強制的に休憩を取らざるを得なくなり、メタバースに長時間入り浸りになることを防くことができます。

スマホのアプリや、ビデオゲームにも中毒性があります。没入感が強く、構成が入り組んだメタバーズの場合、そのリスクはさらに高まります。(中略)ビデオゲームは熱中しやすく、超中毒性があることは、すでに体験済みです。

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