- 様々な大手企業が関わっている
- ネオ(NEO)の開発会社はアリババと提携し、IBMや富士通などと同じプロジェクトに参加しています。更にはマイクロソフト社もネオ(NEO)に関心を持っている様子が伺えます。
- スマートコントラクトを実装
- イーサリアムと同じくスマートコントラクト機能を実装しているため、中国版イーサリアムとも呼ばれています。
- 開発者にとって馴染みのあるプログラミング言語をサポート
- イーサリアムと違い、Java等のプログラマーにとって馴染みのある言語が開発に使えます。
- 目次
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- 概要
- 歴史
- 特徴
- 取引所
- ウォレット
- マイニング
- まとめ
概要
ネオ(NEO)はアントシェアーズ(Antshares)から名前を変えた、中国初のパブリックブロックチェーンプロジェクトです。
そのため中国での人気が根強い仮想通貨となっており、中国版イーサリアムとも呼ばれています。
歴史
旧アントシェアーズ(Antshares)、現ネオ(NEO)は2015年にICOが開始され、2016年10月にPoloniexやBittrexなどの取引所に上場しました。名称の変更は2017年6月に発表されました。
NEOは中国のOnchainというスタートアップ企業が開発しています。
Onchainは、Hyperledger(ハイパーレッジャー)プロジェクトと呼ばれるオープンソースのブロックチェーン技術推進コミュニティに中国のブロックチェーン企業の中でも初の参加を果たしています。このプロジェクトに参加するIBMや富士通、MUFGといった30社以上の大手企業や金融機関と共同でブロックチェーン基盤の技術開発を行っています。
更にはアリババという大手企業と提携し、マイクロソフトもネオ(NEO)に関心を抱いている様子が伺えるため、信用度が高い仮想通貨と言えるでしょう。
相場
2016年10月~2017年4月の間は10~30円台を行き来していましたが、5月から価格を上げ始め100円台に突入し、6月には一気に1000円台へと上昇、そして2017年8月に5000円台まで上昇しました。
5月は仮想通貨全体が価格上昇したためその影響かと思われますが、6月は「New Antshares:ブランド戦略発表会」というイベント開催のカウントダウンが公式ページにて行われたため、その期待感からの上昇ではないかと見られています。
そしてその6月のイベントで、北京のマイクロソフト本社に数百人の参加者が集まる中新名称「NEO」が発表され(旧名称アントシェアーズ)、このイベント後は価格を下落させましたが、8月の東京ミートアップでロードマップ更新等の内容が発表された後は、価格を上げ続けました。
この暴騰の原因を断言することは出来ませんが、AGRELLOという名のトークンのICOでNEOが使われるという発表がありましたので、ICOの注目度が高い現在、イーサリアムのようにICOで多く使用される通貨として期待された、といった意見もあります。
特にイーサリアムではICO時に大量に取引されることで送金遅延が起こっているため、中国版イーサリアムとも言われるネオ(NEO)に期待が集まったのでしょう。
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特徴
ネオ(NEO)は様々な利点を備えた通貨です。それぞれを詳しく解説します。
スマートコントラクト機能
ネオ(NEO)は中国版イーサリアムと言われていることから分かるように、イーサリアムと同じくスマートコントラクト技術を持つプラットフォームです。
スマートコントラクトについてはイーサリアムでも触れていますが、ここでも簡単に解説しましょう。
スマートコントラクトとは、プログラム化して自動的に実行できる契約のことを言い、執行条件と契約内容を事前に決めておくことで、その条件に合致した場合に自動的に契約が履行される仕組みのことです。
これだけでは分かりにくいので、スマートコントラクトの導入例である自動販売機に例えてみましょう。
上図の①は自動販売機では「利用者が必要な金額を投入する」、「特定の飲料のボタンを押す」という契約条件です。この条件を果たすと、②→③→④が自動的に実行されて「特定の飲料を利用者に提供する」という契約が果たされます。
条件が整った場合には、販売事業者などの第三者や仲介業者などの許可を得ることなく自動的に契約が履行されています。スマートコントラクトはこのような仕組みです。
仮想通貨に話を戻すと、①の契約執行条件と契約内容がブロックチェーン上に記載されているため、契約書類の発行なく取引を行うことができ、また取引自体も仲介者なく素早く安く契約を行うことが出来ます。
例えばビットコインでは、取引記録(例:AさんからBさんへ3BTC移動した)だけがブロックチェーン上に記載されているため、契約を果たすためには別途契約書類が必要となりますが、スマートコントラクトではこれを省き、契約内容も安全なブロックチェーン上に保護させることが出来るのです。
2017年6月まではネオ(NEO)のスマートコントラクトの全ての機能が実装されている訳ではありませんでした。
2017年7月にNEO2.0へとアップデートされたことにより、スマートコントラクトの機能がフル実装されました。
開発者にとって馴染みのあるプログラミング言語をサポート
この特徴がイーサリアムとネオ(NEO)の一番の違いと言えます。
イーサリアムでは、開発者に難しく馴染みのないSolidityと呼ばれるプログラミング言語を使うことが求められます。
ネオ(NEO)では、Microsoft.net、Java、Kotlin、Go、Pythonなどのプログラミング言語をサポートしており、スマートコントラクトを簡単に記載することが出来るのです。
プログラミング難易度を下げることで、ネオ(NEO)の開発が更に活発になると期待されています。
ネオ(NEO)の関連トークン、ガス(GAS)
ネオ(NEO)のプラットフォームにはガス(GAS)という通貨が存在します。スマートコントラクトの作成や使用等に、ガス(GAS)が必要とされます。
その過程で使用されたガス(GAS)は、マイナー、そしてNEOホルダーに分配されます。
ネオ(NEO)とガス(GAS)は別の通貨ですので、当然価格も異なります。
このガス(GAS)の入手方法の代表例として、対応ウォレットにネオ(NEO)を預けることが求められます。
NEON wallet等の対応ウォレットではネオ(NEO)保有数に応じて配当が得られます。この配当がガス(GAS)です。
PoW方式のマイニング(CPU・GPUの提供)によってNEO・ガス(GAS)を取得することは出来ませんので、こちらは注意が必要です。
貰える額を知りたい場合は、ネオ(NEO)の保有量を入力することで貰えるガス(GAS)を換算してくれる、NEOTOGASというサイトがありますのでそちらを参照して下さい。
NEOTOGASリンク
ブロックチェーン上のファンドであるNest Fund
NEOのCEOでありNest Fundの創設者でもあるTony Tao氏は、2017年6月にイーサリアムの投資ファンドであるDAOのコンセプトに基づく、似たような事業のホワイトペーパーを提出する予定であると発表しました。
DAOと聞くと、イーサリアムが分裂する原因となったTHE DAO事件を思い浮かべる人が多いと思います。
THE DAO事件について詳しくはこちら
Nest FundはDAOの失敗から学んで改善されたファンドである、とTony Tao氏は語りました。
まだ詳細は不明ですが、バグを発見したハッカーに報酬を支払うことにより、Nestが世界中から監視されるシステムを作るとのことです。
取引所
2017年8月現在、国内の取引所では取り扱っていないため、海外取引所であるBittrex(ビットトレックス)にビットコインを送金してビットコイン建て、イーサリアム建て、テザー(USDT)建てで購入することしか出来ません。日本円で購入することは不可能です。
ウォレット
上記したネオ(NEO)を預けておくだけでガス(GAS)が貰えるウォレットとして、NEON walletが挙げられます。
MacとWindows両方対応しています。赤枠はWindows対応のファイルですね。「Downloads」から選択してインストールを完了させて下さい。
「New wallet」を選択すると、次の画面でパブリック受信アドレスとプライベートキーのQRコード、アドレスが表示されます。
パブリック受信アドレスに送金することでNEON walletにネオ(NEO)やガス(GAS)を保管出来ます。
プライベートキーは秘密鍵です。ローカル環境で盗まれないようにしっかり保管しましょう。
その後「Back to Login」を押してプライベートキーを入力し、「Login」を押すとウォレットが確認出来ます。
マイニング
ガス(GAS)の項で前述の通り、マイニングは出来ません。
NEOの保有量に応じた配当としてガス(GAS)が配当されます
まとめ
仮想通貨業界、特にマイニングにおいて、中国のユーザーは一大勢力と言えます。
彼らのバックアップを受けることで、ネオ(NEO)は更に成長してく可能性があるでしょう。
今まではネオ(NEO)に関連して実際に実働したプロジェクトが少なかったのですが、海外の巨大掲示板であるredditで開設されたNEOチャンネルにおいて、NEOの創業者の一人であるDA Hongfeiはこう発言しました。
DA Hongfei
I believe we will see plenty of dApps/projects built around NEO in the 2nd half of 2017.
原文はこちらから
「2017年後半から実働プロジェクトが増えていく」というこの発言通り、これからも多くのニュースが発表されて更に価格を上昇させるかもしれませんね。
要注目通貨であるネオ(NEO)についても、CoinPostでは海外サイトの翻訳等から情報を提供し続けますので是非チェックして下さい。
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著者:
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します