Bridge Champとは
コントラクトブリッジというゲームの名前を耳にしたことはあるでしょうか。日本ではあまりなじみのないトランプゲームのひとつですが決してマイナーなゲームというわけではありません。
国際的にルールが確立されており、マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏や投資家のウォーレン・バフェット氏など、世界中に愛好家を持つことも知られています。
日本では日本コントラクトブリッジ連盟が公益社団法人としてコントラクトブリッジの普及活動を行っており、サントリーや朝日新聞といった企業が協賛した大会なども開催されています。
そんなコントラクトブリッジやクラブトーナメント愛好家のため、オンラインプラットフォームをブロックチェーン技術を用いて開発する企業があります。狙いは、従来の課題であった透明性のあるゲーム環境と、P2E、ゲームをしながらお金を得ることもできる仕組みの構築です。
スイスのブロックチェーン開発企業、Jelurida(ジェルリダ)はブロックチェーン技術を用いたコントラクトブリッジのプラットフォーム、「Bridge Champ(ブリッジ・チャンプ)」を開発しています。そしてBridge Champには、ジェルリダが開発したArdor(アーダー)ブロックチェーンのメインブロックチェーンであるArdorと、そのチャイルドチェーンであるIgnis(イグニス)が使用されています。
関連:仮想通貨イグニス(IGNIS)、XRP基軸の取引所Bitrueに上場
世界で親しまれるコントラクトブリッジとは
コントラクトブリッジは、4人でプレイするカードゲームで、向かい合わせに座った2人のプレイヤーがペアになって他の2人のプレイヤーと対戦します。ゲームは主にビッド部分とプレイ部分で構成されています。ビッド部分では、宣言したペアが合意した切札のスート(suit)を使って何トリック取るかを決めるコントラクトを設定し、プレイ部分ではペアの一方が得点した13トリックずつで構成されています。ビディングのコントラクトとプレイの結果を比較して、ゲームの得点が決まります。
他のトランプゲームであまり見られないビッドの仕組みによって運頼みの要素を減らしていることなどが特徴ですが、ゲームから運の要素を排除するために、異なるテーブルに座っているペアのパフォーマンスを、同じテーブルに座っている他のペアと、同じ配分のカードでプレイした場合と比較されます。したがって、ラッキーなカードの配分は、比較されたすべてのペアに同じような可能性をもたらすという要素があります。
コロナ以前では、オフラインで盛んに大会等が行われてきたコントラクトブリッジですが、世界的な流行拡大に伴い、オンラインプラットフォームの需要は急拡大しています。しかし、既存の数少ないコントラクトブリッジのオンラインプラットフォームは、ユーザーインターフェースなどの面で時代遅れなものになっているという課題を抱えていました。
コントラクトブリッジのオンラインゲームが普及しない他の理由としては、ペアを組むゲームであることが挙げられます。ペアとなった相手との協力は必要不可欠で、コントラクトブリッジが社交的なゲームと呼ばれる所以でもありますが、オンライン上でスムーズなコミュニケーション環境を提供することは技術的にも難易度が高かったといえます。
つまり、初心者でもルールを学ぶことが出来、デザインの優れたオンラインのコントラクトブリッジプラットフォームが求められている状況がある点にジェルリダは目を付け、ブロックチェーンを利用したプラットフォームを提案するに至りました。
Bridge Champの特徴
Bridge Champでは、デザインに優れたウェブ、モバイルアプリの両方を提供すると共にコントラクトブリッジの中心的な機能を自動化、またP2E(Play-to-Earn)を実現した環境が提供されます。
また、Bridge ChampのP2EのエンジンにはJeluridaのブロックチェーン技術が活用されており、Ignisトークンが使用されています。高い競技性と社会的なスポーツとして発展しているコントラクトブリッジの基準を満たすため、ジェルリダは信頼性と透明性を担保し、不正を減らすための施策を打ち出しています。そのひとつが、プレイヤーごとに専用の映像・音声ストリームを用意することで、これにより他のプレイヤーとオンラインでやり取りする中で不正が行われる可能性は低くなります。
Ignisとは、ジェルリダが開発を行っているパブリックブロックチェーン、アーダー(Ardor)のチャイルドチェーン(シャードチェーン)です。
アーダーのチャイルドチェーンの特徴は、作成者が作成したチェーン上で利用可能な機能に制限をかけることができる仕組みです。これによって、ニーズに合った機能を備えたブロックチェーンを用意することができますが、Ignisの場合は制限がなく、アーダープラットフォーム上の全ての機能が利用できます(パーミッションレス型ブロックチェーン)。
詳細については、以下の記事をご覧ください。
関連:Jeluridaのオンチェーン版トランプゲーム、基盤にあるIgnisとは
ブロックチェーン技術を用いる利点は信頼性に留まらないでしょう。ゲームの実績はブロックチェーンに記録されるため、誰に対しても実績を証明することができます。また、トーナメントをプレイすることでトークンを獲得し、サードパーティーのサービスプロバイダーで使用することが可能になる計画です。
また、Bridge Champは、単に機能面で優れたプラットフォームを提供するのではありません。コントラクトブリッジは、元々社交性の高い知的なゲームとして知られており、プレイヤー間の交流も重要視されてきた経緯があります。ジュルリダはそういった一面を重視した開発を行っており、プラットフォーム上ではビデオ会議機能が利用できます。
ジュルリダの共同創設者でありArdorブロックチェーンの開発に携わるLior Yaffe氏に言わせれば、Bridge Champは 「コントラクトブリッジのゲームを中心に進化したソーシャルネットワークであり、ユーティリティトークンの優れたユースケースになりつつある」ということです。
同じくトランプを使ったゲームであるポーカーなどはオンラインサイトも数多く存在しており、ひとつの娯楽ジャンルを築いています。賞金のあるトーナメント制をコントラクトブリッジに導入すれば、オンラインのコントラクトブリッジプラットフォームを普及させる一手になるのではないでしょうか。
プレイヤーがBridge Champを体験
昨年11月、Bridge Champはイスラエルで開かれたコントラクトブリッジの大会のスポンサーとなり、集まった1000人以上のプレイヤーにBridge Champを実際に利用してもらう機会を設けました。
イスラエルの都市、エイラートで開催されるこのブリッジフェスティバルは、20年以上の歴史を持っています。
参加したコントラクトブリッジの愛好家にBridge Champを体験してもらったことで、この大会はBridge Champのプロモーションとなっただけでなく、愛好家からのポジティブなフィードバックを得られたということです。
今後のロードマップ
今後のロードマップとしては目玉となるのがトーナメント制の導入であり、こちらについて開発チームは2022年の第3四半期~第4四半期中の統合を目指しているとしています。
トーナメント形式では、報酬も用意されており、トーナメントと併せて試合での実績を記したNFTなども提供される模様です。
また、仮想通貨(報酬)の導入も主要な開発目標と見なされており、プロバイダーと提携し法定通貨との取引も可能にする計画だということです。
そのほか、初心者やシングルプレイ用にボットも用意されており、ベータ版にはすでに投入されていることから、徐々に高レベルのゲームに対応できるよう強化をおこなっていく予定です。
なお、将来的な目標としてジュルリダは、カジュアルゲーム業界全体でトークンモデルを導入することを掲げています。ジェルリダにとってBridge Champはその最初の一歩となる見込みです。
本記事は企業の出資による記事広告やアフィリエイト広告を含みます。CoinPostは掲載内容や製品の品質や性能を保証するものではありません。サービス利用やお問い合わせは、直接サービス提供会社へご連絡ください。CoinPostは、本記事の内容やそれを参考にした行動による損害や損失について、直接的・間接的な責任を負いません。ユーザーの皆さまが本稿に関連した行動をとる際には、ご自身で調査し、自己責任で行ってください。