はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

韓国最大手サムソン電子、仮想通貨マイニング企業SquireとASICチップ製造で提携を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

サムソン電子がカナダの仮想通貨採掘企業SquireとASICチップ製造で提携
サムソン電子とGaonchipsがカナダの仮想通貨採掘企業SquireとASICチップ製造で提携した。SquireのASICチップは今後、設計をGaonchipsが、製造をサムソン電子が受け持つことになる。仮想通貨採掘用ASICでは長くBitmainと台湾TSMCの牙城が続いてきた。今回の提携により切り崩しがなるか注目される。

カナダの仮想通貨採掘企業Squireがこのたび、韓国最大の半導体メーカー、サムソン電子とASICチップの製造で契約を締結しました。

Squireは先の8月に最新の採掘機器開発のために19万5千ドル(約2197.3万円)を調達していました。

今回の提携により、Squireは採掘用の新型ASICチップに関し韓国企業2社と提携、設計はGaonchipsが、製造はサムソン電子が担う形となります。

ASICを使った仮想通貨採掘の「世界的巨人」Bitmainの対抗勢力となる可能性が出てきました。

Squireの発表内容

Squireは同社のプレスリリースにおいて、

「先の2018年8月1日、当社はBTC、BCH等の仮想通貨の採掘を行う次世代ASICチップのバックエンド(最終段階)設計/試験/初期量産の実施に関し、独立系の設計製作企業との間で提携を行ったことを発表した。そして今回改めて、設計をGaonchipsと、製造をサムソン電子と、それぞれ協業して行うことを公表する」

と発表しています。

「Squire-サムソン」連合軍が「Bitmain-TSMC」の牙城を切り崩すか

長年にわたりビットコイン採掘産業はBitmainと世界最大の独立系専業半導体ファウンダリ、台湾セミコンダクター(TSMC)のほぼ完全な支配下にありました。

Bitmainの最新動向

BitMEXリサーチの最近のレポートによると、BitmainはAntminer s9を含むASIC製品の販売に際し、「低価格」「低利幅」の路線を打ち出しています。そこには、損失を覚悟してでも競争力を維持したい同社の狙いがあります。

BitMEXリサーチのレポートは、

「これらの低い価格設定から、価格競争と資本力勝負に持ち込むことで競合の競争力を削ぎ落としていこうとするBitmainの入念な戦略が見て取れる。当社では、BitmainのIPOを決定付けた要因の1つに、この低価格路線があると見ている」

と分析します。

2014年以降、Bitmainには仮想通貨採掘市場で正面から対抗する競合が現れませんでした。

結果、同社が利益をコントロールし、競合他社を市場から追い出すことが可能な状況が続いてきました

今回の提携の意義

今回のSquireとサムソン電子の連携により、このBitmainの牙城が切り崩される可能性が出てきました。

サムソン電子が、Squireのチップ要件を満たすために大きな生産能力と豊富なリソースをつぎ込めるとしたら、大きな武器になります。

Squireは、Gaonchipsが設計した半導体ウェーハプロセス技術が一連の基準を満たしさえすれば、サムソン電子はすぐにでもASICチップの製造を開始する予定だとして、

「現在当社では、フロントエンド(前工程)設計チームのエンジニアとプログラマが一体となってGaonchips社と協業態勢をとり、同社としては初となるBTC、BCH等の仮想通貨の採掘を行うASICチップの開発に努めている。そこで用いられるウェーハプロセス技術が仕様と基準に適合すれば、いよいよサムソン電子によるASICチップ大量生産に向けた試験稼動の基礎段階が整ったことになる」

と述べています。

仮想通貨産業への積極関与を図りたいサムソン

韓国では、通信のSKテレコムのほか、生命保険の教保、新韓銀行、ITのカカオといった各業界1千億円を超える規模の企業が、様々な方法で仮想通貨産業に関わりを持つようになっています。

例えば仮想通貨取引所への出資やブロックチェーン・プロジェクトへの参画がそれです。

これらは既存インフラとデジタル資産の統合という形をとって今まさに進められています。

その中にあって、今回のSquireとサムソン電子の提携は、韓国の大資本である同社が戦略的かつ積極的に暗号通貨産業に進出し、同産業をグローバルに支配する勢力に対抗する姿勢を象徴的に表したものと言えるでしょう。

なお、今回の発表はカナダ証券取引所(CSE)によるものであり、サムソン電子は正式発表を行っていません。

参考記事1: Squire Announces Samsung Electronics as Foundry Partner to Manufacture ASIC Chips

参考記事2: Samsung to Manufacture ASIC Chips for Canadian Bitcoin Mining Firm

CoinPostの関連記事

マイニングマシン大手INNOSILICON社とSamsung電子が都内にて共同製品発表会を開催
7月13日(金)、帝国ホテルにて世界におけるマイニングマシン累計販売実績20万台のINNOSILICON社と、韓国半導体大手Samsung社による共同製品発表会が開催されます。
サムスンが第1四半期の営業益が過去最高を更新|ASICチップの大量生産が後押しか
サムスンは26日、第1四半期の決算を発表し、営業利益は15.64兆ウォン(約1兆5800億円)を計上して過去最高益となりました。好調の背景には、同社がASICチップの生産事業を拡げた事も大きく影響しているでしょう。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/08 月曜日
16:57
マクロン仏大統領、米仮想通貨規制緩和に警鐘 「金融不安定化のリスク」と指摘
フランスのマクロン大統領が米国のステーブルコイン規制緩和について警告を発し、金融不安定化のリスクを指摘。欧州中央銀行に金融政策の見直しを求め、欧州の金融主権維持を主張。ステーブルコイン市場は3000億ドル超に急拡大。
16:42
決済データDePINのSyFu、Finverseと提携しアジア5カ国のオープンバンキング展開へ
決済データ活用プロジェクトSyFuが、オープンバンキングプラットフォームFinverseと提携。香港、シンガポールなどアジア5カ国の約40金融機関と接続し、日常の支払いデータをトークンやNFTに変換できる仕組みを構築。欧州とアジアで世界規模のネットワークを確立。
14:58
トランプ大統領支援者所有の米Monet Bank、仮想通貨サービス事業に参入
トランプ大統領支援者アンディ・ビール氏所有のモネ銀行が仮想通貨特化型金融サービスに参入する。トランプ政権下での規制緩和により、エレボール銀行やN3XTなど仮想通貨対応銀行が相次いで誕生する中、資産60億ドルの小規模地域銀行がデジタル資産の保管・融資を提供開始する。
14:23
トランプ政権の国家安全保障戦略、仮想通貨に言及せず AI・量子技術を優先
トランプ政権が発表した最新の国家安全保障戦略で仮想通貨への言及がゼロ。AI・量子技術を重視する一方、「仮想通貨大統領」を公言してきた経緯との整合性をめぐり議論が起きている。
11:44
FOMC控え不安定な展開続くビットコイン、前週末は大口の協調売りか
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが一時9万ドル割れで3.4億ドル規模の大量清算発生。クジラによる協調売りの可能性が浮上し、週末の薄い板で2000ドルの乱高下が見られた。一方でマイナー降伏を示すハッシュリボン反転で底打ちサインも。FOMC利下げ観測と円キャリー巻き戻しが市場を揺さぶる。
11:30
ソラナDEX「ジュピター」の再担保に関する議論 「伝染リスクゼロ」主張を疑問視
仮想通貨ソラナ基盤のジュピターが「伝染リスクゼロ」と主張したことについて、競合Kaminoなどが再担保の実施を指摘し批判した。ソラナ財団プレジデントは両者に協力を呼びかけている。
09:11
フランスの大手銀行BPCE、仮想通貨4銘柄の取引サービス開始
フランスの大手銀行BPCEが約200万人の顧客向けに仮想通貨取引サービスを開始する。ビットコインなど4銘柄が銀行アプリで売買可能になる。
08:54
韓国、取引所に無過失損害賠償責任を導入へ アップビットのハッキング事件を受け
韓国金融当局が仮想通貨取引所に無過失損害賠償責任を導入へ。アップビットの445億ウォン不正アクセス事件を受け、2段階立法で規制強化。課徴金も売上高3%まで引き上げの方針。
12/07 日曜日
20:40
「ビットコインを価値の橋渡し役に」Bitcoin Japan CEO、繊維業からの大転換とAI戦略を語る
東証上場の堀田丸正から「ビットコインジャパン」へ大胆に転換したフィリップ・ロード(Phillip Lord)CEOが、CoinPost独占インタビューでビットコイン準備金戦略とAIインフラ投資の詳細を明かした。「日本の品質×米国の規模」で2030年までに500MW規模のデータセンター投資を目指す。
17:00
ハイパーリキッドの将来性・HYPEの買い方|注意点まで徹底解説
HYPEトークンの買い方から注目理由まで完全解説。手数料収益による自動買い戻し、機関投資家参入、ステーキング機能など、急成長するDEX「Hyperliquid(ハイリキ)」の魅力を詳しく紹介します。
14:35
仮想通貨取引所のキャンペーン・特典情報【2025年12月最新】
2025年12月更新:主要な暗号資産(仮想通貨)取引所が展開するキャンペーンと特典情報を徹底解説。仮想通貨取引の第一歩は、国内取引所の口座開設。初心者もトレーダーもキャンペーンや特典を駆使して、投資の機会を最大限に活用しましょう。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、イーサリアム「フサカ」実装完了やソラナスマホの独自通貨発行計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
ステーキング 主要取引所の仮想通貨別・年率報酬を徹底比較
【2025年12月最新】国内主要取引所のステーキング対応銘柄と年率を一覧比較。イーサリアムやソラナなど人気コインの高利率サービスを紹介し、各取引所のメリット・デメリットや税金のポイントも解説します。
11:00
週刊ニュース|JPモルガンによるストラテジーのBTC売却回避能力の評価に高い関心
今週は、FRBの量的引き締め終了、チャールズ・シュワブの仮想通貨取引開始、JPモルガンによるストラテジーのビットコイン売却回避能力の評価に関する記事が関心を集めた。
07:00
JPYCの買い方・使い方まとめ|何ができる?
JPYCが資金移動業ライセンスを取得し、日本初の円建てステーブルコイン「JPYC EX」を発行へ。特徴や将来性を徹底解説。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧