米アマゾンに、ビットコイン財務戦略を提言
ワシントンDCを拠点とする自由市場推進シンクタンク「ナショナル・センター・フォー・パブリック・ポリシー・リサーチ(NCPPR)」は、アマゾンに対し、2025年4月の株主総会での検討を求める株主提案を提出。資産の一部をビットコインで保有することの検討を提言した。
アマゾンの総資産は2024年9月時点で約5,850億ドル(約86兆円)、そのうち現金および現金同等物、市場性のある有価証券として880億ドル(約13兆円)を保有している。提案書では「アマゾンは少なくとも資産の5%をビットコインで保有することの利点を評価すべきだ」としている。
同シンクタンクは1982年に設立され、自由市場経済を推進する独立系研究機関として知られる。その資金の94%は個人からの寄付で賄われており、企業や財団からの影響を受けにくい立場を保持している。2024年5月には、アマゾンの政治的中立性の回復を求める株主提案も行ってきた。
同シンクタンクは、現在の消費者物価指数(CPI)4.95%が実際のインフレ率を大きく下回っており、実質では2倍近い水準に達する可能性を指摘した。これにより、アマゾンが2024年9月時点で保有する現金および短期現金同等物880億ドル(約13兆円)の価値が急速に目減りする懸念から、ビットコインによるヘッジ戦略の採用を提言している。
提案の根拠として、ビットコインの投資パフォーマンスを示した。2024年12月6日時点で、ビットコインは前年比131%の上昇を記録し、企業債券の平均リターンを126%上回った。さらに過去5年間では1,246%の上昇となり、企業債券を1,242%上回るパフォーマンスを見せている。
提案書は実現性を後押しする要因として、アマゾンの機関投資家株主のうち、第2位のブラックロックと第4位のフィデリティが顧客向けにビットコインETFを提供している点を指摘している。
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企業のビットコイン(BTC)保有
この戦略で先行するマイクロストラテジーの株価は、過去1年間でアマゾン株を537%上回るパフォーマンスを記録。同社は現在400億ドル(約5.9兆円)を超えるビットコインを保有し、約170億ドル(約2.5兆円)の利益を計上している。
企業のビットコイン(BTC)保有は広がりを見せており、大手仮想通貨マイニング企業マラソン・デジタル(MARA)は2024年11月、0%金利で10億ドル(約1,500億円)の転換社債を発行して6,474BTCを購入。さらに人工知能企業のジーニアス・グループも、平均価格約9万ドル代で110BTCを購入し、ビットコイン財務戦略に参入している。
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