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Sui(スイ)のDEX「Cetus AMM」の使い方、ウォレット準備から取引まで

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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Suiブロックチェーンは、DeFi、ゲーム、NFTマーケットプレイスなど多様なアプリケーションの台頭により、急速にエコシステムを拡大しています。トータルアカウント数は2億*を超え、Discordコミュニティは90万人以上を抱える成長著しいL1チェーンです。(*Sui公式サイト、SuiVisionより:2025年12月4日時点)

このエコシステムの中心に位置するのが、Cetus AMMです。Cetusは2023年5月のサービス開始以来、Suiブロックチェーン上での主要な分散型取引所(DEX)となっています。USDCを調達したり、主要なトークンを購入できます。

本記事では、SUIエコシステムへの入り口となるCetus AMMの基本情報から実際の使い方まで、段階的に解説します。日本国内の主要な仮想通貨取引所OKJでのSUI購入方法、SUI対応ウォレット(Suiet)の準備と資金の移動、重要な注意点までを網羅的にカバーしています。

目次

  1. Cetus AMMの概要
  2. OKJの使い方:SUIの購入
    2.1 Suietウォレットの導入手順(例)
    2.2 出金方法(OKJを例に)
  3. Cetus AMM の利用
  4. ガス代調整・DEX使用上の注意

Cetus AMMの概要

出典:Cetus公式(2025年12月4日)

Cetusは、MOVE言語ベースのブロックチェーン(Sui/Aptos)上で動作するDEX。特にSuiエコシステムではパイオニア的なDEXであり、預かり総価値(TVL)は、5100万ドルで第9位(DeFillama調べ)。取引者や流動性提供者のニーズを満たします。

最も高い取引量を記録しているのはUSDC/SUIペアで、WAL/SUI、CETUS/SUI、DEEP/SUなども重要な取引ペアとして続いています。また、利回り生成トークン「haSUI」の主要取引市場としても中心的な役割を果たしています。haSUIについての、詳しい解説は「スイリキッドステーキング解説」をご覧ください。

なお、Cetusは2025年5月に約2億2,200万ドル(約320億円)のハッキング被害を受けましたが、約17日後の6月8日にサービスを全面復旧しています。詳しくは、「DEX使用上の注意」で解説しています。

Cetus基本情報

項目 数値
サービス開始 2023年5月
預かり総資産(TVL) 約5100万ドル
全取引額 約885億ドル
24時間取引量 約9800万ドル
アカウント数 約1700万
ネイティブトークン CETUS/xCETUS
*2025年12月4日時点、データ元:公式ウェブサイト、DeFillama、コインマーケットキャップより

運営組織・背景

Cetus Protocolは、Suiエコシステムの発展にも積極的に関わっているWeb3開発者のHenry Du氏を中心とする開発チームによって設立されました。

 

Cetusの特長

● 流動性提供やスワップが容易
流動性を特定の価格範囲に集中させる「集中型流動性市場メカニズム(CLMM)」を採用し、取引のスムーズさや資本の効率的な利用を向上させます。

例えば、流動性提供者は価格変動が予想される範囲に資金を集中させ、報酬を最大化できます。

● 高速・低コストなトランザクション
Cetusは、SuiおよびAptosブロックチェーン上で稼働しており、高いスループットと低いレイテンシー(スワップや送金の反映が速い)を特徴としています。 ユーザーは迅速かつ低コストで取引を行うことができます。

● ユーザーフレンドリーなUI
Cetusは、直感的で使いやすいユーザーインターフェースを提供しており、初心者でも簡単にスワップや流動性提供を行うことができます。

2.OKJの使い方

ここでは、Walrus(WAL)を購入することを想定し、「SUIトークン」を国内取引所(OKCJ)で入手し、Cetus AMMを利用してWALに交換するまでの流れを説明します。初心者の方でもスムーズに進められるよう、ウォレットの準備から出金・スワップ操作まで、順を追って解説しています。

  1. SUIの購入(OKJを想定)
  2. SUI対応ウォレットの準備
  3. Suietウォレットの導入手順(例)
  4. 出金方法(OKJを例に)

2.1 SUIの購入(OKJを想定)

Suiブロックチェーンの仮想通貨「SUI」を利用するには、まず日本の暗号資産取引所でSUIを購入する必要があります。ここでは、OKJでの購入手順を簡単に説明します。

手順1:OKJの口座開設

  • OKJの公式サイトにアクセス
  • 必要情報(氏名・住所・メールアドレスなど)を入力し、アカウントを作成
  • 本人確認書類(運転免許証など)をアップロードし、KYC(本人確認)を完了

OKJ

世界的な仮想通貨企業OK Groupの日本法人、迅速な出金で人気の取引所

特徴 OKJ
取扱い通貨数 48種類
出庫対応 入出金は24時間365日即時対応
取引方法 販売所・取引所
詳細
SUI取扱い情報 OKJ
提供サービス 販売所/板取引/ステーキング/貸暗号資産/積立
取引手数料(取引所) メイカー:0.07%、テイカー:0.14%~*
最小取引単位 1 SUI(販売所/取引所)
出庫手数料 0.5~3 SUI
公式

※ (Lv1の場合)取引量に応じて段階的に安くなるボリュームディスカウント方式

手順2:日本円を入金

OKJ Deposit
  • アカウントにログイン後、「入金」メニューから「日本円」を選択
  • 銀行振込の手順に従って入金を完了

手順3:SUIを購入

OKJ buy Sui
  1. トップページの「取引所」をタップします。
  2. 左上の暗号資産の銘柄をタップして、購入したい暗号資産を選択します。
  3. 注文タイプを選択します。
  4. 注文内容を入力し、「購入」ボタンをタップ→ 取引パスワードを入力し、「確認」ボタンをタップします。

ポイント:販売所での購入は初心者向けですが、スプレッド(手数料相当)がかかる点に注意してください。

SUIに関する詳しい情報は、「スイの将来性」をご覧ください。

2.2 SUI対応ウォレットの準備

SUIを安全に保管し、Cetus AMMなどのDeFiサービスを利用するためには、Suiブロックチェーンに対応したウォレットが必要です。代表的なウォレットには「Suiet」や「Ethos Wallet」などがあります。

代表的なSUIウォレット

ウォレット名 特徴
Suiet 軽量でシンプル、初心者にも扱いやすい。ブラウザ拡張機能に対応。
Ethos ゲームやNFTなど多用途に対応。Suiエコシステムに特化。
Martian Aptos/Sui両対応のクロスチェーン型。DeFiユーザーに人気。

2.2 Suietウォレットの導入手順(例)

Suiet
  1. 公式サイトにアクセス → https://suiet.app にアクセスし、「Download」からChrome拡張機能を追加
  2. ウォレットを作成
    • 拡張機能のインストール後、「Create a New Wallet」を選択
    • 表示されるリカバリーフレーズ(12単語)を紙などに必ず控えて安全に保管
    • パスワードを設定し、ウォレット作成完了
Suiet process

ポイント:リカバリーフレーズを他人に絶対に教えないでください。これを知られてしまうと、誰でもあなたの資産にアクセスできるようになってしまいます。

2.3 出金方法(OKJを想定)

日本の取引所(OKCoin Japan)で購入したSUIを、Cetus AMMなどで利用するためには、SUI対応ウォレット(例:Suiet)に出金(送金)する必要があります。

手順1:ウォレットのSUIアドレスを確認

  • Suietウォレットを開き、画面上部に表示されるSUIのアドレス(0x~で始まる英数字)をコピー
  • ※アドレスは間違いがないよう、コピーボタンを使うのがおすすめ
Sui deposit

手順2:OKJにログインし、出金画面へ

  • OKCoin Japanにログイン
  • 「資産」→「暗号資産を出庫」→「SUI」を選択
OKJ Withdrawal

手順3:出金情報の入力

  • 出金先アドレス:SuietでコピーしたSUIアドレスを貼り付け
  • ネットワーク:SUI
  • 出金数量、その他必要事項を入力
  • ※ポイント:初回の出金では、アドレスの認証(SMSまたはメール認証)が必要な場合があります。

※送金ミスは自己責任となるため、アドレスのコピペやネットワーク選択に細心の注意を払いましょう。

手順4:出金実行と反映の確認

  • 内容を確認し、「出金実行」
  • 数分~十数分でウォレットにSUIが届きます
  • (Suietの「Activity」や残高表示で確認可能)

3. Cetus AMM の利用

  1. Cetus AMMへの接続
  2. スワップ操作(例:SUI → WAL)

3.1 Cetus AMMへの接続

Cetus AMMを利用してトークン(例:WAL)を購入するには、ウォレットを接続し、スワップ(交換)操作を行います。以下はその基本手順です。

手順1:Cetus AMMの公式サイトにアクセス

  • ブラウザでCetus公式サイトにアクセス
  • ※詐欺サイトに注意し、URLが「https://app.cetus.zone/」であることを必ず確認してください

手順2:ウォレットを接続

  • 画面右上の「Connect Wallet」をクリック
  • 「Suiet」または「Ethos」を選択(使用中のウォレットに応じて)
Cetuss amm connect

手順3:ネットワーク確認と表示資産の確認

  • ウォレットがSuiネットワークに接続されていることを確認
  • Cetus画面上にSUI残高が表示されていれば、接続完了です
Cetus sui

準備完了

これでCetus AMM上でスワップ(例:SUI → WAL)を行う準備が整いました。

スワップ操作(例:SUI → WAL)

ウォレットの接続が完了したら、Cetus AMM上でSUIをWALなどのトークンに交換(スワップ)することができます。

手順1:Swap画面にアクセス

  • Cetusトップページの上部メニューから「Swap」を選択
  • 交換画面が表示されます

手順2:トークンを選択

  • From(交換元)に「SUI」を選択(①)
  • To(交換先)に「WAL」など希望のトークンを選択(②)
  • トークンが表示されない場合は、トークンコントラクトアドレスを貼り付けて追加できます(※公式から取得)
Cetuss amm how to

手順3:数量を入力

  • スワップしたいSUIの数量を入力(③)
  • 例:「10 SUI」 → 自動的に受け取れるWALの見積もりが表示される
  • ※ポイント:手数料(ガス代)はごく少額のSUIで支払われます。SUIを全額使い切らないように注意しましょう。

手順4:スワップを実行

Swap WAL
  • 「Swap」ボタンをクリック(④)
  • ウォレットが開くので、内容を確認して「Confirm」(⑤)
  • 数秒〜十数秒でスワップが完了し、WALがウォレットに反映されます

手順5:残高の確認

  • ウォレットの「Tokens」セクションで、WALの残高を確認

※補足:トークンの価格や流動性によってはスリッページ(価格のズレ)が発生することがあります。Swap画面右上の「※」からスリッページ許容度を調整することも可能です。

Suiの購入に

4. ガス代について

Suiブロックチェーンを利用する際には、すべての取引(スワップ、流動性提供、ステーキング等)に対して「ガス代(ネットワーク手数料)」が発生します。これは他の多くのブロックチェーンと同様の仕組みですが、Suiには独自の特徴があります。

Suiチェーンのガス代の特長

  • 非常に低コスト:1回のスワップにかかるガス代は、通常0.001〜0.005 SUI程度と非常に安価
  • 高速処理:Suiは並列処理を採用しており、処理速度が速いため、待機時間が短い
  • 支払いはSUIで行う:ガス代は常にSUIで支払われるため、ウォレットに少量のSUIを常に残しておく必要があります

ガス代に関する注意点

  • SUIの全額をスワップしないこと
  • スワップ時にSUIを全額入力してしまうと、ガス代が払えず取引が失敗します。
  • → 少なくとも 0.01 SUI程度は残すようにしましょう。
  • ガス代が変動する場合あり
  • ネットワークが混雑している場合、ガス代が一時的に上昇することもあります。スワップ実行前に確認しましょう。
  • 残高不足エラーに注意
  • スワップやLP提供時に「ガス代不足」のエラーが出た場合は、SUIを少しだけ追加で入金してやり直す必要があります。

※ポイント:ウォレット上での「残高=使える額」ではないことを覚えておくと安心です。常にガス代分を除いて取引を設計しましょう。

4.DEX使用上の注意

分散型取引所(DEX)は便利で自由度が高い反面、自己責任で資産を管理する必要があります。以下のリスクや注意点を理解して、安全に利用しましょう。

4.1 過去のハッキング事例

2025年5月22日、Cetus ProtocolはAMMの脆弱性を突かれ、約2億2,000万ドル相当の資産が流出する被害を受けました。流出した資産のうち約1億6,200万ドルはSuiバリデータの協力により凍結・回収され、6月8日にサービスは復旧。影響を受けた流動性プールは85%〜99%まで回復し、残りの損失分はCETUSトークン(供給量の15%)による補償が行われています。

今回はSui財団からのローン確保やバリデータの迅速な対応により補填が実現しましたが、他のDEXや今後の事件で同様の対応が保証されるわけではありません。複数のセキュリティ監査を受けていたプロトコルでも被害は発生しうるため、DEXを利用する際は全資産を一箇所に集中させないこと、失っても生活に支障のない範囲で利用することを心がけましょう。

関連:Sui最大のDEX「Cetus」が復旧 320億円ハッキング事件受け体制立て直し

4.2 スマートコントラクトリスク

Cetus AMMのようなDEXは、スマートコントラクトという自動プログラムで動いています。

  • 万が一このコードに脆弱性やバグがあると、資金が流出したり、永久にロックされる可能性があります。
  • 信頼できるプロジェクト(監査済・コミュニティの支持があるなど)を選ぶことが重要です。

※Cetusは比較的新しいプロトコルですが、透明性の高い運営と活発な開発が続いています。

4.3 セキュリティ:ウォレットの秘密鍵管理

DEXを利用するには、自分でウォレットを管理することが基本です。ウォレットのログインに必要な情報(秘密鍵やリカバリーフレーズ)は、他人に絶対に知られてはいけません。

  • これらの情報をインターネット上やスクリーンショット、メールで保存するのは極めて危険です。
  • 安全なオフライン環境に手書きで保管するなど、厳重な管理が必要です。

※秘密鍵やフレーズを失くした場合、資産を復元する手段はありません。必ずバックアップを取りましょう。

4.4 流動性が低いトークンの価格変動リスク

WALのような小規模トークンは、取引量(流動性)が少ない場合があります。

  • 流動性が低いと、スワップ時に価格のズレ(スリッページ)が大きくなったり、大きな注文が価格に大きく影響することがあります。
  • スワップ前には、スリッページ許容範囲の設定を確認し、価格変動のリスクを把握しておきましょう。

※突然の価格変動が起きることもあるため、購入金額やタイミングは慎重に判断してください。

まとめ

Cetus AMMはSuiブロックチェーン上の主要な分散型取引所として、95種類以上のトークンと608ペアの取引オプションを提供しています。本記事では、日本の取引所OKJでのSUI購入から始まり、Suietなどの専用ウォレットへの送金、そしてCetus AMM上での実際のトークン交換までの一連のプロセスを解説しました。

Cetusの特長である集中型流動性市場メカニズム(CLMM)は資本効率と取引の流動性を高め、Suiブロックチェーンの高速・低コストな特性と相まって、ユーザーに快適な取引環境を提供しています。ただし、ウォレットの秘密鍵管理やスマートコントラクトリスク、流動性の低いトークンでの価格変動には注意が必要です。

この記事を参考に、適切な準備と基本的な注意点を押さえることで、SUIエコシステムの可能性を安全に探索することができるでしょう。Cetus AMMを活用して、分散型金融の新たな機会を見つけてみてください。

Suiの購入に

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