
暗号資産活用の政策を提案
参政党の神谷宗幣代表は5日、国会質疑で米国におけるビットコイン(BTC)準備金創設などの政策を紹介した。日本も、暗号資産(仮想通貨)を活用した金融政策を行っていくべきだと提案している。
また、暗号資産の税制改革についても要望した。

出典:神谷議員X投稿
神谷議員は、トランプ政権の暗号資産政策について次のように独自見解を述べている。
CBDCの禁止、ステーブルコインの推進、ビットコイン準備金設立といった一連のトランブ政権の暗号資産戦略は、FRB(米連邦準備銀行)の権限を段階的に縮小し大統領直属の新たな金融インフラを構築する取り組みという風にも考えられます。
その上で、日本でも国債が積み上がっている状況があり、政府と日銀との関係見直しも視野に入れた新たな枠組みを考えてもらいたいと、改めて求めている。
神谷議員は、日本国内の暗号資産口座が1,200万を超えているとも指摘した。
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CBDCとは
各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。
税制改正を要望
神谷議員は、暗号資産の利用者を保護に関して、税制も見直していかないと日本人が投資するのが難しい状況があると訴えた。
日本では現在、暗号資産の利益について雑所得として最高55%(住民税含む)の累進課税が適用される状況だ。
神谷議員は、父親が500万円で購入したビットコインが20億円に値上がりした時点で相続した例を示した。相続税と所得税を合計した課税額が20.4億円となってしまって4,000万円分の赤字になったとしている。
このように二重課税が行われてしまっている現状について是正する必要があるとする格好だ。
これについて金融庁が答弁。与党や業界団体などの要望を踏まえて、暗号資産取引に関する所得税を申告分離課税とすることも含め、必要な対応を検討していきたいと話した。
加藤財務大臣は、金融庁が制度見直しの検証を2025年6月末までに終えるとの方針を示している。これが完了すれば、一律20%課税+損失繰越と金商法に基づく投資家保護・市場監視が導入される可能性が高まる見通しだ。
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