はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

Linea(リネア)とは?SWIFTに選ばれる理由・報酬プログラムの始め方

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
※このページには広告・PRが含まれます

なぜL2(レイヤー2)が?

2025年9月、世界11,000以上の金融機関を結ぶSWIFTが、銀行間決済パイロットにLineaを採用した。BNP Paribas、BNY Mellonなど十数行の大手銀行が参加するこのプロジェクト。「なんでLinea(リネア)?」と思った人も多いでしょう。

調べてみると、しっかりした差別化戦略が見えてきます。Consensysが4年かけて技術を磨き上げたこと、総供給量の85%をエコシステムに配分する設計、イーサリアムL1の価値向上に直接貢献する共生メカニズム。

しかも、デジタルウォレット「メタマスク」を通じた報酬プログラムが動き出し。TVL(預かり資産)約16億ドル、Base(56億ドル)、Arbitrum(42億ドル)に次いで3番手に躍り出ている。

本記事では、Lineaの差別化ポイントと、関心があれば試せる報酬プログラムを解説します。

目次

実績で見るLinea:2カ月で10倍成長のTVL

数字が示す急成長

Lineaの現在地を数字で見てみましょう。

  • TVL(預かり資産):約16億ドル(DeFillama
  • 月間アクティブユーザー:46万人(DUNE
  • LINEAトークン価格:約0.028ドル
  • 時価総額:約4.39億ドル(226位:CoinGecko)

TVL 16億ドルは、主要レイヤー2の中でBase(56億ドル)、Arbitrum(42億ドル)に次ぐ規模です。注目すべきは成長スピード。8月以降の2カ月で、TVLが10倍に急増しています。レイヤー2:イーサリアムのメインチェーン(レイヤー1)のセキュリティを活用しながら、取引手数料の低減と高速な処理を実現する拡張ネットワークの総称。

この成長の背景には何があるのか? 技術的な差別化、エコシステムへの投資、そしてConsensysの営業力が見えてきます。

SWIFTが選んだ理由

2025年9月のSWIFTパイロット採用は、Lineaのポジショニングを象徴する出来事です。数あるレイヤー2の中から、なぜLineaが選ばれたのか?

金融機関が重視するのは、派手な機能ではなく「実績ある基盤」です。Lineaは、長年バトルテストされたイーサリアム標準クライアント(GethやBesu)と完全に互換性を持つ設計。新しい技術でありながら、金融機関が信頼できる既存の基盤を活用できる。この両立が評価されたと見られます。

何が違うのか?:4年の技術研鑽と85%配分

時間をかけた技術開発

多くのレイヤー2プロジェクトがベンチャーキャピタルの資金で急速に開発される中、Lineaは異なるアプローチを取りました。イーサリアム共同創設者ジョセフ・ルービン率いるConsensysが、社内の研究プロジェクトとして約4〜5年かけて育成。短期的な資金調達圧力なく、ZK-EVM技術の完成度を高めることに集中できた環境があります。

結果として生まれたのは、「真のEVM透過性(True EVM Equivalence)」:イーサリアム標準クライアント(GethやBesu)と完全に同期できる技術基盤です。

トークンの85%がエコシステムに向かう設計

LINEAトークンは2025年9月に発行されました。総供給量720億、現在の価格は約0.028ドル(時価総額約4.39億ドル)。Uniswap、EtherXなど、Lineaの分散型取引所で取引できます。

配分構造が特徴的です。多くのL2がチームや投資家に40〜50%を割り当てる中、Lineaは85%をコミュニティに配分しています。

出典:Linea

  • エコシステムファンド:75%(開発者支援、流動性提供者への報酬として今後10年かけて配布)
  • 初期ユーザー:10%(2025年9月配布完了)
  • ConsenSys:15%(5年間ロックアップ。チーム・投資家への割当ゼロ)

75%のエコシステムファンドはこれから配布され、報酬施策の原資が潤沢に残っている状況です。

イーサリアムが強くなる仕組み

要約:Lineaの最大の差別化は「L2がL1を支える」共生設計。使うほどETHとLINEAが希少化し、ブリッジしたETHが自動的に3〜5%の利回りを生む。最終的にはイーサリアム L1に直接組み込まれる「ネイティブロールアップ」を目指します。

    デュアルバーン ネイティブロールアップ

使うほど、ETHとLINEAの両方が希少になる

Linea上で取引すると、手数料はETHで支払われます。この手数料の処理方法:

  1. 20%をETHでバーン(焼却)
  2. 残り80%でLINEAトークンを市場から買い戻してバーン

取引が増えるほど、ETHとLINEA両方の供給が減ります。L2の成功が直接的にL1の価値向上に貢献する設計です。

20%という数字には意図があります。他のL2も追随できる現実的な範囲として設定され、エコシステム全体への提案としての側面も持ちます。

ブリッジしたETHが利回りを生む

2025年10月開始予定の機能です。通常、L2にブリッジされたETHはL1のコントラクトで眠っています。Lineaはこれを変えます:

  1. イーサリアムからLineaへETHをブリッジ
  2. そのETHが自動的にEthereum L1のコンセンサスレイヤーでステーキングされる
  3. 3〜5%の利回りが発生
  4. その利回りはLinea上のDeFiプロトコルに分配される

技術的にはLido v3との統合により実現。ブリッジされたETHは非カストディアルなスマートコントラクト(stVaults)を通じてステーキングされ、緊急時にはEIP-7002で資産を保護する設計です。

最終ゴール:ネイティブロールアップ

Lineaの長期目標は、Ethereum L1プロトコル自体に組み込まれることです。多くのL2が抱えるマルチシグブリッジへの依存や中央集権的なシーケンサーといったリスクを、根本的に解消する構想です。

LineaのプロダクトマネージャーDeclan Foxは、早ければ2026年にも何らかの動きがあるかもしれないと示唆しています(ただし、zkEVMの完全実用化は数年先との見方もあります)。

メタマスクとの統合で広がる可能性

垂直統合戦略

Consensysは世界で最も使われているWeb3ウォレット、メタマスク(月間アクティブユーザー3,000万人超)を提供しています。

Lineaの戦略は、ブロックチェーンレイヤー(Linea)とインターフェース(メタマスク)を垂直統合し、シームレスな体験を提供すること。Linea製品責任者Declan Fox(デクラン・フォックス)はインタビューで、これを「Appleのような体験」と表現しています。

報酬プログラム――2つの接点

Lineaのエコシステムには、現在2つの報酬プログラムが動いています。1つはLinea自身のDeFi報酬プログラム「Ignition」、もう1つはメタマスクを通じた報酬プログラムです。

Linea Ignition:DeFi流動性提供者への報酬

実施期間:2025年10月26日まで(現在進行中)
報酬総額:10億LINEAトークン

Aave v3、Euler、Etherex DEXなどの主要DeFiプロトコルに流動性を提供すると、LINEAトークンの報酬を獲得できます。報酬の追跡はBrevisのZK Coprocessorによってオンチェーンで処理され、透明性が担保されています。

報酬の受け取り

  • 2025年10月27日:報酬の40%がアンロック(請求可能)
  • 10月27日〜12月10日頃:残り60%が45日間かけて線形ベスティング

MetaMask Rewards:ウォレット経由の報酬

出典:Metamask

2025年10月8日、メタマスクは「MetaMask Rewards」を正式に発表しました。10月末までに開始予定のこのプログラムは、Consensysエコシステム全体の垂直統合戦略の一環として位置づけられています。

Season 1の概要

  • 開始時期:2025年10月末
  • 配布総額:3,000万ドル超のLINEAトークン
  • 期間:3ヶ月のシーズン制

ポイント獲得方法

  • トークンスワップ(交換)でポイント獲得
  • Perpetual Futures(先物取引)でポイント獲得
  • 紹介プログラムでポイント獲得
  • Linea ネットワーク上のスワップは特別ブースト対象
  • 今後、MetaMaskカードでの支払いやmUSD保有でもポイント獲得予定

報酬内容

  • 3,000万ドル超のLINEAトークン配布
  • 先物取引の手数料割引
  • 優先カスタマーサポート
  • 期間限定ポイントブースト
  • MetaMask Metal Card 1年間無料(レベル報酬)

獲得したポイントは次シーズン以降にも引き継がれ、将来的にはMetaMaskトークンとも深く連携する予定です。

2つのプログラムが同時進行していることで、ライトユーザーからヘビーユーザーまで、幅広い層が報酬を得られる設計になっています。

触れてみるなら―始め方と注意点

参加方法は大きく2つ。どちらもメタマスクから始められます。

ETHやUSDCを国内取引所で調達

Lineaを使うには、まずETH(イーサリアム)やUSDCが必要です。国内取引所で購入してから、メタマスクに送金しましょう。

基本準備:メタマスクにLineaを追加

メタマスクを開き、画面上部のネットワーク選択メニューから「Linea」を選択するだけ。メタマスクには標準でLinea設定が組み込まれているため、手動設定は不要です。

詳しいメタマスクの開設方法・使い方は以下の記事をご覧ください。

関連:メタマスクの使い方、仮想通貨の送金や交換:スワップ、便利機能を図解で簡単に

ルートA:MetaMask Rewards(10月末開始、初心者向け)

おすすめの人:少額から気軽に始めたい、DeFiは初めて、普段使いで報酬が欲しい

ステップ1:ETHをLineaにブリッジ

メタマスク内の「ブリッジ」機能で、EthereumからLineaへETHを移動します。

出典:MetaMask

  • メタマスクを開き、左のタブから 「Move crypto」→「Bridge」 を選択
  • ブリッジ元:Ethereum、ブリッジ先:Linea を選択
  • トークンと数量を指定
  • 内容を確認し「Confirm」をタップ

コスト:Ethereum側のガス代(通常数千円〜)がかかります。1万円以上のまとまった額でのブリッジを推奨。

ステップ2:メタマスク内でスワップ・取引

10月末のプログラム開始後、以下の活動でポイントを獲得:

  • トークンスワップ:メタマスク内の「Swap」機能を使う(Linea上は特別ブースト)
  • 先物取引:Perpetual Futures機能を使う(上級者向け)
  • 紹介:友人を招待してポイント獲得

獲得したポイントは3ヶ月のシーズン終了後、LINEAトークンなどの報酬に変換されます。

ルートB:Linea Ignition(10月26日まで、DeFi経験者向け)

おすすめの人:DeFiの経験がある、まとまった資金がある(数万円〜)、高い報酬を狙いたい

ステップ1:ETHをLineaにブリッジ

上記「ルートA」と同じ手順でETHをLineaに移動。ただし、流動性提供には最低でも数万円相当の資金を推奨。

ステップ2:対象プロトコルで流動性提供

以下のいずれかで流動性を提供:

  • Aave v3:WETH、USDC、USDTを預けてレンディング(比較的安全)
  • Etherex DEX:トークンペア(USDC/ETH等)の流動性プール提供(変動損失リスクあり、REX報酬との二重取り可能)
  • Euler / Zerolend:レンディング市場に参加

活動ごとに報酬獲得ルールを確認できる 出典:Linea Ignition

公式ダッシュボード:linea-ignition.brevis.network

ステップ3:報酬を確認・請求

進捗確認:linea-ignition.brevis.networkでウォレットを接続し、獲得予定の報酬を確認

請求スケジュール:

  • 10月27日:報酬の40%がアンロック(請求可能)
  • 10月27日〜12月10日頃:残り60%が45日間かけて段階的に請求可能

両方を活用する方法

Linea上でメタマスク経由でDeFiプロトコルを使えば、理論上は両方の報酬プログラムの対象になる可能性があります。例えば:

  • Etherex DEXで流動性提供 → Linea Ignitionの報酬
  • メタマスク経由でトークンをスワップ → MetaMask Rewardsのポイント

ただし、両プログラムの詳細な重複ルールは未発表のため、公式発表を待つのが確実です。

注意すべきリスク

ブリッジコストとトークン価格変動:

ブリッジ時にはEthereum側のガス代(通常数千円〜)がかかります。少額では手数料負けする可能性があるため、1万円以上のまとまった額でのブリッジを推奨します。

LINEAトークンは市場で取引されており、価格は大きく変動します(2025年9月発行以降、±30%以上の変動を記録)。報酬として受け取ったトークンの価値が上下することを前提に計画してください。

スマートコントラクトリスク:

特にDeFiプロトコル(Aave、Etherex等)では、スマートコントラクトのバグや脆弱性により資産が失われる可能性があります。利用前に監査レポートの有無、プロトコルの運営期間とTVL実績を確認しましょう。

流動性提供特有のリスク:

DEXの流動性プール提供(Etherex等)では、変動損失(Impermanent Loss)が発生する可能性があります。トークン価格が大きく変動すると、単にトークンを保有しているよりも損失が出る場合があります。

報酬プログラムの不確実性:

両プログラムとも条件や配布額は予告なく変更される可能性があります。Linea Ignitionは10月26日まで、MetaMask Rewardsはシーズン制です。

⚠️ 詐欺サイトに注意:

報酬確認や請求を装った偽サイトが存在します。公式情報は必ず以下から確認してください:

イーサリアムを取得したい方に

まとめ

「Linea? 聞いたことあるけど」から始まった人も、調べてみると思った以上にしっかりした実績とビジョンがあることに気づくでしょう。

TVL 16億ドル、2カ月で10倍成長、350以上のdApps、31.7万人のデイリーユーザー。4〜5年かけた技術開発、85%のエコシステム配分、イーサリアムとの共生設計、メタマスクとの垂直統合。そしてSWIFTのパイロット採用――これらは、Consensysの営業力と長期戦略の成果と言えます。

報酬プログラムは、触れてみる接点としてちょうど動いています。関心があれば、リスクを理解した上で少額から試してみる。それが、この新しいインフラを評価する一つの方法です。

FAQ(よくある質問)

Q1. Lineaの技術的な特徴は?

A. Type 1 zkEVM――Ethereum標準クライアント(GethやBesu)と完全に同期できる真のEVM透過性を目指しています。既存の開発ツールやコミュニティ資産を活用しつつ、ゼロ知識証明による数学的なセキュリティを保ちながらスケーリングを実現します。

Q2. ガバナンスの仕組みは?

A. Lineaは他のL2と異なり、トークン保有者による投票制ではなく、デラウェア州法に基づく非営利コンソーシアム形式を採用しています。これにより、短期的なトークン価格変動に左右されない、長期的視点でのプロトコル発展を目指します。

出典:Linea

創設時のスチュワード(管理責任者)として以下の5組織が指名されています:

  1. ConsenSys
  2. SharpLink(ETHのトレジャリー企業)
  3. ENS(Ethereum Name Service)
  4. Status(ウォレット)
  5. EigenLabs(EigenLayerの開発元)

これら5組織が85%のエコシステムファンドの配分を監督し、その決定に責任を負います。

Q3. トークノミクスで最も注目される点は?

A. 総供給量の85%をエコシステムに割り当てている点です。多くのL2がチームや投資家に40〜50%を割り当てる中、Lineaは短期的な利益回収ではなく、Ethereumと共に長期成長するオープンソースプロトコルを目指しています。

Q4. Ethereumとの関係とは?

A. 2つの仕組みで実現しています。第一に、ガス代手数料の20%相当のETHをバーン(焼却)し、ETHの希少性を高めます。第二に、ブリッジされたETHをL1で直接ステーキングし、その利回り(3〜5%)をLinea上のDeFiエコシステムに還元します。L2の成功がL1の価値向上に直接貢献する設計です。

Q5. Etherex(REX)の特徴は?

A. 取引手数料の100%をREXステーカーに、LP手数料の100%を流動性提供者に還元するメタデックスです。Lineaが議決権の25%を保有し、エコシステム全体の戦略と連携した持続可能なインセンティブを提供します。

Q6. 中央集権リスクへの対応は?

A. 現在「Stage 0」の分散化レベルですが、将来的にネイティブロールアップとしてEthereum L1プロトコル自体に組み込まれることを目指しています。ConsensysはL1がL2のゼロ知識証明を直接検証できるようにするためのEIP開発に取り組んでおり、早ければ来年にも何らかの動きがある可能性が示唆されています。

Q7. 今後半年〜1年のロードマップは?

A. 3つの焦点があります。技術面:ネイティブロールアップの実現に向けた前進、1秒未満の取引確定、1セント未満の手数料。エコシステム拡大:伝統的金融からの資金とユーザー取り込み、開発者支援。ユーザー体験:メタマスクとの垂直統合によるシームレスな体験提供。

Q8. Lineaが目指す未来像は?

A. 単なるスケーリングレイヤーではなく、Ethereum L1と深く統合し相互に価値を高め合う「統合された経済エンジン」です。持続可能で自己完結的、しかしL1にも貢献するデジタル経済圏を築くことを目指しています。

安全に始めるために

  • 少額から試す:数千円〜1万円程度で操作に慣れる
  • 公式ソースを確認linea.buildやメタマスクk内の推奨リストから始める
  • 秘密鍵を絶対に共有しない:シークレットリカバリーフレーズは誰にも教えない
  • 分散投資:資産を一つのネットワークやプロトコルに集中させない

イーサリアムを取得したい方に

本記事は企業の出資による記事広告やアフィリエイト広告を含みます。CoinPostは掲載内容や製品の品質や性能を保証するものではありません。サービス利用やお問い合わせは、直接サービス提供会社へご連絡ください。CoinPostは、本記事の内容やそれを参考にした行動による損害や損失について、直接的・間接的な責任を負いません。ユーザーの皆さまが本稿に関連した行動をとる際には、ご自身で調査し、自己責任で行ってください。