規制が変わる、市場が動く アジア当局座談会
WebX2026のLimitlessステージでは、パキスタン・タイ・マレーシア・インドネシアの規制当局者と、元ホワイトハウス顧問が一堂に会し、デジタル資産規制の現在地と2026年以降の成長分野について議論した。草の根から広がった市場をどう可視化するか、そしてアジア版MiCAは実現しうるのか、各国の実務家が率直に語った。
登壇者プロフィール
香港拠点の金融サービス幹部で元規制当局者。HKEX、香港証券先物委員会(SFC)を経て、HashKey GroupやBitMEXで幹部職を歴任した。現在はStratford FinanceのCEOとして金融機関・デジタル資産事業者の規制対応を支援している。
パキスタン仮想資産規制庁(PVARA)議長を務めるほか、暗号資産・ブロックチェーン担当の国務大臣、Pakistan Crypto CouncilのCEOも兼務。財務大臣の首席顧問としてもデジタル資産政策に関与する。
2005年にSEC Thailandへ入局後、タイの証券法制近代化に一貫して携わり、2018年のデジタル資産事業に関する緊急勅令の制定にも関与した。現在はデジタル資産政策・監督部門と資本市場インフラセンターを統括する。
2017年にマレーシア証券委員会(SC)へ入り、デジタル市場の開発・イノベーション部門を統括。金融サービス業界での17年超の経験を持ち、オルタナティブ資金調達や市場活性化・業界のデジタル化を主導してきた。
銀行監督・リスク管理・サステナブルファイナンス・デジタル資産監督の分野で25年以上の経験を持つ金融規制当局者。OJKでデジタル金融資産・暗号資産監督部門を率いる。
ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)でサイバーセキュリティ・重要インフラ担当特別顧問を務め、在任中にサイバーセキュリティ・デジタルID・AI・デジタル資産分野の大統領令2件の策定に携わった。現在はPenumbra StrategiesのCEOとして業界に助言する。
パキスタン 無規制下で拡大した市場が示す教訓
タイ 証券トークン化と暗号資産ETFの整備スケジュール
マレーシア オンショア市場の競争力強化とトークン化パイロット
インドネシア ローカライズされたカストディモデルと投資家保護
米国 GENIUS法が示す監督の抜け穴とドル化リスク
セッション総括
終盤、Angelina Kwan氏は香港でもデジタル資産カストディアンのライセンス制度導入が進んでいることに触れ、「MiCAが欧州で完全施行され、米国も独自の枠組みで動く中、アジアの規制当局が協力してアジア版MiCAのようなものを目指せないか」と会場に問いかけた。
これに対し、あるパネリストは「ACMF(ASEAN資本市場フォーラム)のレベルではすでに規制当局間の協力が進み、業界のベストプラクティスの策定という形である程度の調和に向かいつつある」と応じ、トークン化をめぐる規制協力の姿勢がすでに地域内で最初のシグナルとして表れていると指摘した。
Carole House氏の「コピー&ペーストではなく、各国がそれぞれの規制の下でデジタル資産を受け入れつつ、慣行をどう調和させるか」という言葉を引きながら、セッションは対面でのラウンドテーブル開催への期待を残して締めくくられた。



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