- ストーンエックス「クラリティー法案、今会期での成立絶望的」
- 年内成立確率、82%から16%に急落
規制主導は当局へ
米上院で否決されたクラリティー法案を受け、米資産運用会社バーンスタインのアナリストらは、クライアント向けノートで、今後の規制策定の主導権が米SECと米CFTCに移るとの見解を示した。複数メディアが報道した。
バーンスタインのアナリストチームを率いるゴータム・チュガニ氏らは、SECとCFTCが個別の具体的なルール策定に軸を置くと予想し、法案交渉に費やした時間を埋め合わせるため、両当局の対応は積極的かつ迅速になるとみている。
両当局が扱う論点として、仮想通貨トークンの分類、DeFiや自己管理(セルフカストディ)基盤の保護、株式のトークン化に関するルール整備を挙げ、実物資産(RWA)を裏付けとする無期限先物の承認迅速化や、単一株式を対象とする無期限先物での両当局の連携にも余地があるとした。
バーンスタインは、クラリティー法案の不成立によりステーブルコインの報酬制度に関する規定は従来のまま変わらず、コインベースなどのプラットフォームは待機残高への報酬提供を継続できると指摘し、「ステーブルコインはジーニアス法の規律下にあるため問題はない」と記した。
関連記事:米SEC・CFTC規制主導へ期待シフト、クラリティー法案頓挫から
米上院は9月16日、仮想通貨の包括規制法案「クラリティー法」の審議入りに必要な60票を確保できず否決した。元CFTC委員長ジャンカルロ氏とアームストロング氏は、SECとCFTCが既存の権限で規制整備を進めると述べた。
ストーンエックス「法案は今議会で終了」
また、米金融サービス大手ストーンエックス・フィナンシャルのアナリスト、マーク・パーマー氏らは、今議会中にクラリティー法案が成立する可能性はないとの見込みを示した。上院の会期は選挙活動期を除くと残り14営業日にとどまるとし、米上院議員のシンシア・ラミス氏は、次に法案成立の現実的な機会が訪れるのは2030年になると語った。
予測市場プラットフォームのポリマーケットでは、クラリティー法案が2026年中に成立する確率が2月時点の82%から、採決前には16%まで下落。ストーンエックスは、米通貨監督庁(OCC)と米連邦預金保険公社(FDIC)が提案した規則により、ステーブルコイン発行会社が関連会社を経由して利用者に報酬を提供する場合、ジーニアス法が定める発行者の利回り提供禁止規定への違反とみなされる可能性があるとし、2027年1月の同法施行後に訴訟に発展する可能性があるとの見方を示した。
関連記事:クラリティー法案「年内成立の可能性低い」、JPモルガン
JPモルガンはクラリティー法案年内成立の可能性が極めて狭いとの見方を示した。規制当局による規則整備への注目度が高まりつつある。
規制当局トップの反応
米SECのポール・アトキンス委員長は、クラリティー法案の実現に向けて努力してきた政権関係者や議会、投資家、イノベーターに謝意を伝え、米国が主導的地位を維持するという確信は揺るがないと語った。その上で、立法の有無にかかわらず、米国の投資家や起業家に確実性を示すため、SECの法定権限の範囲内で決然と行動すると述べた。
また、米CFTCのマイケル・セリグ委員長も、上院採決の結果を残念だとしながらも、米国人は仮想通貨市場における規制の明確性や法的確実性、消費者保護を享受すべきだと強調した。
同氏は、トランプ大統領は仮想通貨の規制市場構造をいずれかの方法で実現すると約束しているとし、CFTCは既存の法定権限を用いてこれを後押しし、米国を仮想通貨の中心地として維持しつつ、金融の新たな分野に向けたルール整備を進める方針だと表明した。
解説記事:ジーニアス法とクラリティー法案の違いとは?米国の仮想通貨2大法案をわかりやすく解説【2026年最新】
米国の暗号資産規制を担う「ジーニアス法(GENIUS Act)」と「クラリティー法案(CLARITY Act)」。ステーブルコイン発行者を規制する成立済みのジーニアス法と、SEC・CFTCの管轄を整理する審議中のクラリティー法案の違いを、比較表とともに初心者向けに解説します。



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