- 可決に必要な60票に届かず
- 元CFTC委員長「イノベーションの流れは止まらない」
元CFTC委員長「イノベーションの流れは止まらない」
米上院は16日、仮想通貨市場の包括的な規制の枠組みを定める「クラリティー法」を本会議の審議に進めるための手続き採決(クロージャー投票)を実施したが、可決に必要な60票に届かず否決された。この結果を受け、業界関係者からは規制当局主導での対応を評価する声が相次いだ。
米CFTC元委員長のクリストファー・ジャンカルロ氏(Christopher Giancarlo)は16日、ジャーナリストのエレノア・テレット氏の取材に対し、今回の採決失敗は残念な結果だとしながらも、米国における金融イノベーションの流れを止めるものではないとの見方を示した。
ジャンカルロ氏は、SECのポール・アトキンス委員長とCFTCのマイケル・セリグ委員長が、金融イノベーションや市場の近代化、経済成長を米国法の枠内で実現させるという職責を果たすため、健全な規制の枠組み整備に取り組んでいく考えだと説明した。
関連記事:クラリティー法案、レームダック会期に望み 上院議員が法案復活に期待
クルーズ上院議員は「プリンセス・ブライド」の名台詞になぞらえ、クラリティー法案にはまだ復活の余地があるとの見方を示した。ケネディ氏も法案が完全に不成立になったわけではないとの見方に同調し、レームダック会期での再浮上が焦点となっている。
コインベースCEO、規制は当局主導で進むと指摘
コインベースの共同創業者兼CEOのブライアン・アームストロング氏も9月16日、自身のXで、クラリティー法が上院で審議入りしなかったことについて残念だとコメントした。
超党派の協議が続き法案が息を吹き返す可能性はあるとしつつも、業界は議会の動きをこれ以上待ち続けられないと述べた。
アームストロング氏は、SECとCFTCが既存の権限の下で明確なルール整備に着手するとの見方を示した。ステーブルコインに関しては「ジーニアス法」が既に成立済みで、報酬の扱いについてもクラリティー法よりも柔軟な規定になっていると指摘した。
その上で、クラリティー法の交渉過程で受け入れざるを得なかった譲歩もあったとし、今回の不成立が結果的に業界にとって望ましい方向に働く可能性にも言及した。
関連記事:米SEC、仮想通貨規制の策定検討で会合へ クラリティー法案の停滞を背景に
米証券取引委員会は、仮想通貨の投資契約に関する新たな募集規制を検討する公開会合を開催する。クラリティー法案の停滞を背景に、独自ルール整備を進める動きだ。
米ETF業界の専門家で「ザ・ETFストア」社長のネイト・ジェラシ氏(Nate Geraci)も16日、自身のXで、クラリティー法が事実上退けられたことを受け、SECとCFTCが仮想通貨に関する追加ガイドラインの発出に向けて速やかかつ積極的に動くとの見方を示した。
ジェラシ氏は、少なくとも今後2年半程度は、包括的な法整備ではなく規制当局が個別の判断で対応する「イノベーションによる規制」の状態が続くと指摘した。
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米国の暗号資産規制を担う「ジーニアス法(GENIUS Act)」と「クラリティー法案(CLARITY Act)」。ステーブルコイン発行者を規制する成立済みのジーニアス法と、SEC・CFTCの管轄を整理する審議中のクラリティー法案の違いを、比較表とともに初心者向けに解説します。



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