*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
クリプト市場マーケットレポート(9/16日 AM7時執筆)
仮想通貨ビットコイン(BTC)は16日未明から朝にかけて急落し、24時間で最大約5,000ドル幅の下落となった。

出典:CoinPost Terminal
下落の主因として、日本時間未明に米上院で行われたクラリティー法案を巡る採決である。同法案は審議入りに必要な支持を得られず、成立への道筋が大きく後退した。米国における暗号資産規制の明確化に期待していた市場に失望が広がり、ビットコイン売りが強まった。
加えて、イラン情勢の緊迫化を背景とした原油先物価格の上昇や、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えた米長期金利の上昇も、暗号資産市場の下押し要因となった。
解説記事:米クラリティー法案、上院で審議入り採決失敗 60票に届かず
米上院は16日未明(日本時間)、クラリティー法案の審議入りに向けた手続き採決(討論終結投票)を通過させられなかった。トランプ大統領の資産を巡る倫理条項への懸念が背景にあり、法案の今後の先行きは不透明感が強まっている。
9月15〜16日相場状況
成行注文の動向を見ると、現物市場、デリバティブ市場ともにクラリティー法案を巡る採決後から売り優勢の状態が続いている。
一方、オプション市場ではプットのインプライド・ボラティリティ(IV)とコールIVがほぼ均衡しており、オプション市場が一方向への大幅な値動きを強く織り込んでいる状況ではない。足元の方向感は比較的中立的である。
流動性と清算の状況を見ても、急落局面で発生した清算を市場の流動性が徐々に吸収できる状態となっている。連鎖的なロスカットによって下落がさらに加速する局面からは一旦脱し、市場は短期的に落ち着きを取り戻しつつある。
現状分析(9月16日 7時時点)
クラリティー法案が実質的に不成立となったことで、米国の暗号資産推進政策に暗い影を落とす結果となった。米上院では民主党議員がそろって反対票を投じたほか、共和党からも一部造反が出ており、超党派での法整備の難しさが改めて浮き彫りとなった。
中間選挙を控えるなかにおいて、暗号資産を推進してきたトランプ政権の政策遂行力に対する不安に加え、同法案に反対する民主党の動向についても、市場参加者の警戒感が高まりやすい状況である。
解説記事:ウォーレン上院議員、クラリティー法案不支持でも法制化には意欲
上院銀行委員会のエリザベス・ウォレン議員は、クラリティー法案自体は支持しないものの仮想通貨規制の法制化には意欲を示した。中間選挙後の上院勢力次第で、同氏の主導権が今後の法案審議を左右する可能性がある。
一方、市場は急落後にいったん落ち着きを取り戻しているものの、目先にはFOMCという重要イベントが控えている。市場参加者の間では利上げ観測が強まっており、金融政策を巡る不透明感は依然として大きい。
金利を生まない資産であるビットコインにとって、金利上昇は相対的な投資妙味を低下させる要因となりやすい。政策面の不透明感と金融引き締めへの警戒が重なるなか、当面は上値の重い軟調な値動きが続く可能性がある。
- 9/16日 米小売売上高
- 9/17日 米連邦公開市場委員会(FOMC)
- 9/18日 日銀政策決定会合
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