新経済連盟 | 2027年度税制改正提言
新経済連盟、2027年度税制改正提言を説明
新経済連盟は9月15日、報道関係者向けにオンラインで説明を行い、9月11日に公表した「2027年度税制改正提言」について事務局が説明した。ミニマムタックスの撤廃や所得税・相続税・法人税の引き下げ、事業承継税制の見直しなど、幅広い項目が取り上げられた。提言書には暗号資産税制に関する項目も含まれている。
説明団体
2012年に活動を開始した経済団体。会員企業は約500社で、スタートアップが多くを占める。「アントレプレナーシップ」「イノベーション」「グローバリゼーション」を活動の柱に掲げる。
ミニマムタックス撤廃と税率引き下げを要求
新経済連盟は、極めて高い所得層への負担を見直す「ミニマムタックス」について、撤廃を求める考えを示した。2027年からは、年間所得3.4億円超の場合、所得税負担率が30%を上限として追加納税が発生する仕組みとなっている。スタートアップを起業しM&Aで自社株を売却しても、追加納税によって手取りが目減りする点を問題視し、日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)の調査でミニマムタックスを踏まえて次の起業先を海外にすると回答した割合が8割強に上ったことにも触れた。
「スタートアップエコシステムへの、極めて強い負のアナウンスメント効果をもたらすのではないか」
あわせて、所得税・住民税の最高税率引き下げと累進性の緩和、相続税撤廃の検討を提言。法人税についても、防衛特別法人税の影響で実効税率が30%を超えたことに言及し、20%程度への引き下げを要望した。
事業承継税制とスタートアップ支援税制の見直し
2027年末に期限を迎える事業承継税制の特例措置についても言及。株式継続などの要件が硬直的で、一度猶予が取り消されると利子税を含めた一括納税が発生する仕組みが、後継者の防衛心理を生み、中小企業の現金保有を高めて積極投資や賃上げを阻害している可能性があると指摘した。
「積極的な投資や賃上げが阻害されている可能性が高い」
特例措置の延長・恒久化に加え、雇用人数のみに着目した評価から、持続的な賃上げや設備投資といった客観的な成長指標での評価への転換を求めた。
スタートアップ支援では、投資家向け優遇税制であるエンジェル税制の運用改善を提言。都道府県による確認書交付の審査長期化を受け、確認書を交付する機能を証券会社にも付与するよう提案した。
「確認書を交付する機能を、証券会社に付与してはどうか」
暗号資産の申告分離課税、新経連が2年連続で要求
今回の提言書には、暗号資産税制に関する項目も盛り込まれている。暗号資産の取引から生じる利益について、暗号資産取引業者を介した場合のみならず個人間で直接行われた場合であっても、申告分離課税(一律20%)の対象とすべきとした。あわせて、損失についても暗号資産に係る所得金額からの繰越控除を認めるよう求めている。
こうした要求は2026年度提言から継続するもので、暗号資産同士を交換する都度のタイミングではなく、保有する暗号資産を法定通貨に交換する際にまとめて課税を行うよう見直すべきとの主張も、引き続き盛り込まれている。
同様の要求は業界内でも広く出されており、2026年度税制改正では「特定暗号資産」の現物・デリバティブ取引等について申告分離課税の枠組みが措置された。ただし対象は一定範囲に限定され、適用開始も2028年1月以降が見込まれる。新経済連盟は2027年度提言で、対象拡大や交換都度課税の見直しなど、さらなる実現を引き続き求めている。
相続税評価・寄附税制など新たな論点も
2027年度提言では新たな論点も加わった。暗号資産の相続税評価額について、相続開始日の最終価格(時価)のほか、相続月を含む過去3か月間の月平均時価も含めて最も低い価額とすることを認めるべきとした。
寄附税制については、暗号資産による贈与(寄付)等について所得税法第59条(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)の適用も可能とするなど、暗号資産による寄附を阻害しない税制とすべきとの提言も盛り込まれている。



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