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クラリティー法案、トランプ大統領が倫理規定に譲歩 ルミス氏らが最終案公表 

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 倫理条項、州司法長官の関与も容認
  • 民主党要望126件を反映した最終案

上院共和党が最終案を公表

米上院銀行委員会デジタル資産小委員長のシンシア・ルミス(Cynthia Lummis)上院議員は、農業委員長のジョン・ブーズマン(John Boozman)、銀行委員長のティム・スコット(Tim Scott)両上院議員とともに14日、仮想通貨市場構造法「クラリティー法案(CLARITY Act)」の最終案を公表した。1年余りの超党派協議を経た内容で、民主党側の要望126件を反映したという。

同法は仮想通貨の販売・取引に関する連邦レベルの市場構造規制で、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の管轄を切り分ける内容。

米下院は2025年7月に294対134で可決しており、上院での可決が最後の関門となっている。上院では15日、法案の審議入りの可否を決める手続き投票(クローチャー=討論終結)が予定されており、成立には100議席中60票が必要となる。クローチャーが成立した場合、今回公表された最終案が「代替修正案」として本会議に提出される見通しだ。

関連記事:ジーニアス法とクラリティー法案の違いとは?米国の仮想通貨2大法案をわかりやすく解説【2026年最新】

米国の暗号資産規制を担う「ジーニアス法(GENIUS Act)」と「クラリティー法案(CLARITY Act)」。ステーブルコイン発行者を規制する成立済みのジーニアス法と、SEC・CFTCの管轄を整理する審議中のクラリティー法案の違いを、比較表とともに初心者向けに解説します。

ルミス氏は声明で「1年に及ぶ超党派の日々の交渉を経て、この法案は準備が整った」と述べ、トランプ大統領が連邦の選出公職者・裁判官とその配偶者を対象に「米国史上最も厳しい倫理規制の一部」を自発的に受け入れたと説明した。

ブーズマン氏、スコット氏もそれぞれ声明で、地域銀行・農家・中小企業の保護や法執行機関の権限強化につながる内容だと強調している。

倫理条項でトランプ氏が譲歩

公式発表によると、最終案の倫理条項はトム・ティリス(Thom Tillis)、ルーベン・ガレゴ(Ruben Gallego)両上院議員が提案していた枠組みの「実質的にほぼすべて」を反映した内容で、州司法長官が執行に関与できる仕組みも盛り込まれた。トランプ氏が具体的にどのような資産処分(売却かブラインドトラストへの移管か)を選択できるのかという制度設計の詳細は、本稿執筆時点で公式発表に明記されていない。

米政府倫理局(OGE)が7月1日に公表した資産公開資料では、トランプ氏の2025年の仮想通貨関連所得が約14億ドルに上ったとされる。上院銀行委員会の民主党筆頭理事エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員は7月22日の声明で、当時の草案が「次の14億ドルの仮想通貨利益を吸い上げることを何ら妨げない」と批判していた。

BRCA・利回り規定も修正

公式発表によると、ブロックチェーン規制明確化法(BRCA)については、開発者を資金移動業の登録義務から保護する規定を新設し、あわせて強力な民事セーフハーバー(免責規定)を設けた。

ステーブルコインの利回りを巡っては、支払い型ステーブルコインに絡む預金流出を防ぐための新たな権限を財務長官に付与し、地域銀行やそれに依存する農家・中小企業を守る「サーキットブレーカー」として機能させるとしている。

農業委員会所管の規定では、系列間取引や利益相反に関する新たなガードレールで消費者を保護するとともに、州の消費者保護法の適用関係を明確化した。また、ソフトウェア開発者を保護する規定が、デリバティブ規制や現行のCFTCの権限に影響を及ぼさない点も明記されている。

関連記事:米地域銀行協会CEO、クラリティー法案でステーブルコイン利回りに「妥協なし」

ICBAのCEOが、クラリティー法案の論点としてステーブルコインへの利回り付与の問題があると指摘。銀行の預金流出リスクが存在しており採決の障壁になると述べた。

15日手続き採決の行方

手続き投票には100議席中60票が必要で、共和党は53議席を握るものの単独では届かず、民主党側から少なくとも7票を上積みする必要がある。上院銀行委員会は5月14日に15対9でクラリティー法案を可決したが、賛成に回った民主党議員はルーベン・ガレゴ、アンジェラ・アルソブルックス(Angela Alsobrooks)両上院議員の2人にとどまっていた。

ルミス氏は今回の声明で、火曜日(15日)の反対票は「政治家個人の投資を巡る真の倫理改革に反対し、仮想通貨分野での米国の主導権を海外の競合国に譲り渡し、米国民を仮想通貨市場での保護が一切ない状態に置くことを意味する」と述べ、民主党側に賛成を強く求めた。ブラックロックやフィデリティ、ゴールドマン・サックスなど主要金融機関に加え、全米保安官協会などの法執行団体も同法案への反対を取り下げたことが発表に盛り込まれている。

手続き投票が否決されても法案が正式に廃案となるわけではないが、下院は9月以降の審議日程を取りやめ、11月の中間選挙に向けた日程に移行しつつある。可決に至らなかった場合、年内の再協議は事実上難しくなり、再挑戦は選挙後の会期に持ち越される公算が大きい。

関連記事:米クラリティー法案、採決直前にルミス上院議員が改定版公表

米上院共和党のルミス議員が11日、クラリティー法案の改定版テキストを公表した。約630ページに及ぶ内容にはDeFiのCFTC登録義務化など複数の変更が盛り込まれ、15日には審議入りの可否を問う採決が予定されている。

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