- 2026事務年度金融行政方針を公表
- 利用者の保護や金融システムの安定も確保
オンチェーン金融の実装促進へ
金融庁は15日、2026事務年度金融行政方針を公表した。
これは、金融行政における重点課題と金融行政に取り組む上での方針を示したもの。この中で金融庁は、ブロックチェーン技術を基盤とするオンチェーン金融の社会実装を促す方針を明記した。
金融行政方針の冒頭で金融庁は、政府が2026年7月に「成長投資を促進するための金融戦略ー資産運用立国のアップグレードー」を策定したと説明した。
その中で政府は、戦略分野などへの成長投資を強力に促進して、日本企業の事業再構築・再編を支える資金の好循環を創り出すために、金融機関・市場の機能発揮の促進などに加えて、オンチェーンの決済手段の実装・普及に向けた環境整備や金融インフラへの投資促進の方向性を示したと述べている。
その上で、金融庁は、政府の金融戦略に盛り込まれた施策の着実な具体化・実行に取り組むと説明した。
関連記事:政府の骨太方針2026、オンチェーン金融推進を初明記
政府が21日に閣議決定した「骨太方針2026」は、トークン化預金やステーブルコインを活用する「オンチェーン金融」の推進を初めて明記した。脚注で定義や活用分野を示し、資産運用立国政策との関係も明らかにしている。
デジタル金融やインフラの高度化へ
今回、オンチェーン金融には「金融機能の更なる発揮を促し、持続的な成長に貢献する」という項目で言及。企業の成長投資や事業再構築・再編を金融面から支えると同時に、国民が経済成長の成果を最大限享受できる環境を整備すると述べている。また、企業と資金提供者をつなぐ金融機関・市場の機能発揮を促すとした。
金融庁は、AI(人工知能)やブロックチェーンなどの技術によって金融取引の仕組みが変化していると現状を説明。その変化の中で、オンチェーン金融の社会実装を促すと同時に、既存の金融インフラとの適切な組合せを通じて、資金・証券決済などの金融インフラの高度化を進めることが重要であると述べている。
その上で、利用者の保護や金融システムの安定を確保しながら、官民の関係者による実証と対話を通じて技術、制度、監督上の課題を明らかにして、利便性と競争力の高い金融インフラの構築につなげると説明している。
また、AIエージェントも含めたAI技術について、業務の効率化だけでなく、利用者にとって付加価値の高いサービスの提供を支え、金融業を抜本的に変革しうるとの見方を提示した。
AIエージェントとは
AIの技術を活用して、人間や別のシステムに代わって自律的にタスクを実行してくれるシステムやプログラムのこと。
金融庁としては、リスクも踏まえつつ、AIの浸透に応じた市場・金融機関の監督の在り方を検討し、金融機関などにおけるAIの健全な利活用の促進に向けた取り組みをさらに強力に後押ししていくと述べている。
関連記事:金融庁27年度予算134億円増を要求、暗号資産監視で新室設置へ
金融庁が2027年度(令和9年度)予算・機構定員要求を公表した。総額403億円(前年度比134億円増)を要求し、暗号資産取引業者のモニタリング体制強化やフロンティアAIのリスク対応を担う新室の設置、定員14人の純増を求めた。
取り組みの事例
具体的な取り組みについては、「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」を立ち上げ、オンチェーン金融の社会実装に向けた検討を進めると説明した。
また、「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」と「AI等の健全な利活用の推進に関する研究会」において、技術、制度、監督などに関する論点を検討すると述べている。
他にも、オンチェーン金融の活用を含む越境送金の高度化に関するアジアとの官民政策対話の枠組みの一環として、「Japan Fintech Week」の期間(2027年2月から3月に開催)に合わせ、デジタル時代の新たな金融をテーマにした「アジア・デー2027」を開催するとした。
さらにオンチェーン金融については、資産のトークン化の発展も見据えて、証券決済の短縮化と高度化について、市場関係者と連携しながら検討を進めるとも説明している。
暗号資産(仮想通貨)の基盤技術としてだけでなく、株式や債券などをトークン化するなど、従来の金融インフラにブロックチェーンを活用する取り組みは世界で進行中。これから金融庁も金融領域の変化に対応していく。



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