- 新たに上場されるトークンの情報を不正利用
- トークンと紐づく無期限先物を購入か
新規上場による値上がり見越したか
米司法省は15日、大手投資アプリ「ロビンフッド」の元エンジニア2名を商品詐欺および電信詐欺の容疑で起訴したと発表した。業務上知り得た機密情報を不正に利用して分散型取引所ハイパーリキッドで利益を得ていたとしている。
起訴されたのはヘフ・チャイ氏とホアイソン・シャン氏である。訴状によると、2名は元従業員として、ロビンフッド傘下の暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォーム「ロビンフッド・クリプト」が新たなトークンの取り扱いを開始するかどうか、また上場時期についての非公開情報にアクセスできる立場にあった。
2名は2025年から2026年にかけてこの機密情報を利用し、ロビンフッドによる特定銘柄の公式な上場発表前に、それらのトークンに連動するパーペチュアル(無期限先物)を購入することで、それぞれ5万ドル(約780万円)以上の利益を得たとされている。
両名は商品取引所法違反および電信詐欺の罪で起訴された。商品取引所法違反は最大で禁錮10年、電信詐欺の罪は最大で禁錮20年の刑が科される可能性がある。ただし、実際の量刑は担当裁判官が決定する。また、現段階では容疑は検察側の申し立てであり、事実として確定したものではない。
2名の利用したハイパーリキッド(HYPE)は、無期限先物を提供している取引所だ。無期限先物は、仮想通貨やその他の原資産そのものを保有することなく、その価格変動に対してポジションを構築できるデリバティブ商品である。
関連記事:ハイパーリキッド関連団体、無期限先物めぐりCFTCを支持 CME原告訴訟で
ハイパーリキッド関連団体は、CMEがCFTCによるカルシのビットコイン無期限先物承認を不服として起こした訴訟でCFTC支持の助言書を提出した。
米ニューヨーク州南部地区連邦検事のジェイミー・マクドナルド氏は次のようにコメントした。
本日の訴追は、企業の内部者が、不正流用した情報に基づいて無期限先物、トークン化証券、あるいはその他の類似金融商品といったデリバティブ取引を行った場合でも、証券法や商品取引法を免れることはできないことを明確にするものだ。
また、The Blockによるとロビンフッドの広報担当者は、次のような声明を出している。
当社は市場の健全性を重視しており、インサイダー取引に対しては一切容赦しない。仮想通貨の新規上場を含め、厳格なインサイダー取引に関する方針と手続きを定めている
この件については直ちに調査を行い、法執行機関および規制当局に報告した。今後も捜査に協力していく。
過去にコインベースで類似事例も
過去の類似事例としては、2022年に、コインベースで仮想通貨の上場に関わっていた従業員らが、トークン上場に関する事前情報を利用して取引を行い起訴されたものがある。これは当時「初の仮想通貨インサイダー取引情報漏洩事件」だと指摘されていた。
このコインベースの事件では取引されたのはトークンそのものだったが、今回の事件では無期限先物だった点が異なっている。
また、最近では予測市場におけるインサイダー取引も相次いで発生し問題になっているところだ。トランプ大統領の元テレプロンプター操作者や米陸軍兵士などが機密情報を利用してインサイダー取引を行った件が摘発されており、業界や議会が対応を進めている。
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予測市場プラットフォームのカルシ(Kalshi)が市場健全性の強化策を即日実施。リスクスコア制度の導入、高リスク市場での雇用情報収集、内部告発ツールの拡充の3施策を発表。Q1では100件超のインサイダー疑い取引を阻止したと報告した。
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